今度は、｢英雄｣にされそうな賢治

“英雄たちの選択”「本当の幸いを探して　教師・宮沢賢治　希望の教室」

　このブログのトップは、H29,11,24　20時～放送の BSプレミアム「本当の幸いを探して　教師・宮沢賢治　希望の教室」という番組のタイトル画面である。そしてこの画面の前には、次の画面があった。


　もう少し丁寧に言うと、この番組のタイトルは次のようにして流れていた。
　まずは、　
　　　　人間の本当の幸福とは何か？　教師として生きた賢治の葛藤と選択に迫る
とナレーションがあって、次にテロップ

　　　　　英雄たちの選択
　　（この間には、徳川家康　勝海舟　西郷隆盛　坂本龍馬等の影像が順々に映し出され）
　　　　本当の幸いを探して
　 教師・宮沢賢治　希望の教室

が流れ、そして今度は司会が、
　　　　英雄たちに迫られた選択肢
　　　　今回は日本を代表する作家宮澤賢治についてです。
と紹介していた。

　さて、ではこれを観た視聴者は何と思っただろうか。当然、
　　　そっか、賢治も英雄の一人なのか。
と受け止める方も少なくなかったはずだ。
　もちろん、賢治の書いた作品には素晴らしい作品が多いということは論を俟たない。さりながら、私が恩師岩田純蔵教授（賢治の甥）のいわばミッションに従って検証した限りでは、賢治は聖人でもなければ君子でもない。賢治に関する「通説」、場合によっては｢定説｣の中にさえも、賢治を「聖人・君子化」するために改竄や捏造された蓋然性が高いものが少なくないということはあっても、人間賢治が聖人だったとか君子だったということを裏付ける確たる資料等は未だ何一つ見つけられないからだ。

　それが何と、今度はあろうことか、賢治は｢英雄｣とも受け取られかねない番組だ。まるで、勝や西郷に並び称されるような扱い方がなされている｢英雄｣賢治に私は驚き、肩を落とした。と同時に、いやいやNHKの番組ということであれば、それなりの説得力のあるものであろうということで期待をしながら観続けることにした。

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　電話 0198－24－9813　 　 鈴　木　　守

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