みちのくの山野草

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星川清躬と「自由大学運動」

2020-10-08 12:00:00 | 甚次郎と賢治
〈『近代山形の民衆と文学』(大滝十二郎著、未来社)〉

 そこには、こんなことも述べられていた。
 一九三一(昭6)年八月末、星川らは鶴岡で岡本利吉らを講師に招き、第一回農村夏季自治大学をひらいている。三日間百数十人を超える参加者だったという(第五号記事)。この自治大学には、次に述べる新庄市鳥越の農民・松田甚次郎も参加している。一九三三年五月、星川らは庄内・黒川村に「協働開拓農場」設立、そこを農本社会理想実現の足場にしようとした。
              〈『近代山形の民衆と文学』(大滝十二郎著、未来社)137p〉
 星川は「二人の農本主義者」のうちの一人ということではなく、この二人とは岡本利吉と松田甚次郎のことを指しているようだが、星川自体も農本主義であったということなのだろう。そしてここでもまた、「協働開拓農場」ということで、「協働」という用語を用いているから、やはり最上共働村塾の「共働」は、この「協働」から影響を受けていたのだろう。
 ところで、自治大学といえば思い出すのは、土田杏村が大正期に実践した「自由大学運動」であり、「1920年代から30年代にかけて、長野県をはじめ新潟県・群馬県など全国各地で展開された、地域民衆の自己教育運動だ。そうか、星川らの活動もこの「自由大学運動」といううねりの中の一つだったということになりそうだ。そういう時代だったんだ、当時は。

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