新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

コスモス:秋桜(やはりコスモス)

2011-10-13 15:20:20 | お知らせ」

万博公園の花の丘のコスモスが見ごろとなり、大勢の人が秋のひと時を楽しんでいます。
メキシコ高地原産の一年草で、秋には1.5mにも育ち、直径4㎝ほどの頭花を多数つけます。
Cosmosの名は学名で、コロンブスのアメリカ大陸発見後、スペイン人がメキシコの高原に咲くコスモスを見つけて持ち帰り、マドリッドの植物園長がギリシャ語の秩序、調和、美、など意味するKosmosから命名したといわれています。わが国では秋桜、大春車菊などの別名もありますが、山口百恵が歌った「秋桜」を作者のさだまさしはコスモスと読ますなど、一般には主にカタカナのコスモスで通っています。
日本で園芸用として栽培されているのは、主に、一年草のコスモス(Cosmos bipinnatus Cav.)とキバナコスモス(Cosmos sulphurens Cav.)の2種類ですが、両者は品種的にはまったく別種になります。
早くから品種改良で多彩な新品腫がつくられていますが、最近、公園などでは背の低いものが好まれているようです。
写真は万博公園で撮ったもので、コスモス系のは「アカツキ」キバナ系のは「マンダリン」という名札がついていました。  
万博公園では、区域によって植える時期を変えて栽培しているので、まだまだ長い期間楽しめそうです。

イヌタデ:犬蓼(赤のまんまで虫を呼ぶ)

2011-10-12 10:16:37 | お知らせ」

昭和10年、東京日日新聞が当時の7人の文人たちに依頼して、新秋の七草を選んでもらったことがありました。そのとき俳人高浜虚子が選んだのがアカマンマでした。
幼児がままごとでアカマンマ(赤飯)に見立てて遊んだというイヌタデ:犬蓼(タデ科タデ属)は、道端や空き地などどこにでも見られる1年草で、高さは20~50cm、茎は赤みを帯び、下部は横に這います。花は6~10月、紅紫色の小さな花が穂になってびっしりとつきます。
花穂は長さ1~5cm、実は黒く、花被に包まれたまま熟します。
イヌタデに限らずタデ科の花には花びらはなく、花びらに見えるのは萼片で、この萼は花が終わっても落ちず、色もあせずに実を包みます。花穂に集まった花は一度に開かず少しずつ咲くため、花穂をよく見ると、本当の花と黒い実を包んだ花被の花が混じっています。実を花に見せることで、まだまだ花がたくさん咲いていると見せかけて、虫を呼んでいるのだそうです。
この話をしたら、あるひとが、“道理でアカノマンマ”といいました。座布団を1枚!。
(接写写真を出そうと過去ログを調べるとイヌタデをこんな記事で紹介していました。いまさら付け加えることもないので、そのまま転載します)

岸田劉生の「麗子五歳之像」で麗子が手にしているのはアカマンマでした。馬鹿にはできないアカマンマです

ハマエノコロ:浜狗尾(太くて短い)

2011-10-11 16:20:02 | お知らせ」

淡路島の海岸に生えていたのがハマエノコロ:浜狗尾(イネ科ハマエノコログサ属)です。
エノコログサの変種で全体に背が低く、海岸または有為に近い日当たりのよい草地に生える多年草で」、高さは10~20cm、直立か射上して円座形の株を作ります。
花序はエノコログサより太くて短く長さ1~4㎝、幅1~1.5㎝の卵状楕円形でたれさがりません。小穂は剛毛に隠れてあまり目立たちません。

ムラサキエノコログサ:紫狗尾草(光る紫の穂)

2011-10-10 08:46:08 | お知らせ」

今の時期道ばたや草地にブラシのような穂をつけたエノコログサの仲間がよく目につきます。花穂を子犬のしっぽにたとえて和名では狗尾草ですが、花穂で猫をじゃらすと猫が喜ぶというのでネコジャラシの名でも知られています。
エノコログサ属は小穂の基部に小枝が変化した剛毛があり、小穂が脱落した後も残るのが特徴です、いくつかの種類がありますが、道端に、紫色の剛毛を夕日に透かして光っていたのがムラサキエノコログサ:紫狗尾草(イネ科エオノコログサ属)でした。
帰途を急ぐハイキングの一行が通り過ぎてゆきました。

キクイモ:菊(有用植物も増えすぎれば)

2011-10-09 14:15:17 | お知らせ」
この時期、畑の片隅や野原にヒマワリを小さくしたような黄色い花をよく見かけます。
キクイモ:菊芋(キク科ヒマワリ属)ではないかと思うのですが、よく似た仲間にキクイモモドキとかイヌキクイモなどがあって判断がつきにくく取り上げるのをためらっていました。
観察の先輩にキクイモモドキとのわかりやすい区別点としてキクイモは全体に粗い毛を密生し、葉は上部で互生、下部で対生なのに、モドキは若い部分のみに毛があり、葉はすべて対生すると教わり、写真のはキクイモだとわかりました。
北アメリカ原産で、世界中に外来種として分布している多年草で、菊に似た花をつけ、芋ができるためにこの名があり、別名にアメリカイモ、ブタイモ、エルサレムアーティチョークなどがあります。
草丈1.5〜3mと大きくなり、9~10月、菊に似た黄色い花をつけ、地中に塊茎を作ります。成分は食物繊維と難消化性の多糖類イヌリンで、通常の芋類と異なり、デンプンはほとんど含まれません。塊茎は食用として各種料理に使われるほか、健康食品として顆粒やお茶として加工されたり、飼料や果糖の原料にもされています。
有用植物として移入されましたが、繁殖力が強く逸出野生化し、今では在来植物を脅かすものとして外来生物法によって要注意外来生物に指定されています。

ナタマメ:鉈豆(鉈に見立てた大きい豆果)

2011-10-08 11:24:46 | お知らせ」

街角の軒先にナタマメ:鉈豆(マメ科ナタマメ属)がぶら下がっていました。
長くて大きい豆果を鉈に見立ててこの名がある熱帯アジア原産のつる性の多年草ですが、日本では1年草として栽培されます。
花は紅紫色または白色、豆果は非常に大きくて平たく、熟すと固くなります。
未熟な莢を薄切りにして福神漬など漬物にしたり、豆は健康茶や、血行促進・腎臓病・蓄膿症などの民間薬として用いられます。

ジュウロクササゲ:十六豇豆(豆たくさんのササゲ)

2011-10-07 19:08:24 | お知らせ」

郡山市市街のはずれの道端で、長い鞘にたくさん豆がはいったつるが柵に巻きついていました。何だろうとよくみると、隣に淡紫色.した大きめの蝶形花が咲いていました。
帰って調べてみると、花の形、莢の長いこと、鞘の中の乾燥した豆がアヅキ色をしていたことなどを考えあわせると、この豆はジュウロクササゲ:十六豇豆(マメ科ササゲ属)という品種ではないかと考えました。豆果が特に長く、莢の中に豆が16個も入っているというのでこの名があります。
実際に三尺ササゲ、長ササゲなどの名で売られているものは、写真よりもっと長い鞘のものがあるようですが、改良種なのかもしれません。
愛知県と岐阜県を中心とした地域で多く栽培され、若くて柔らかい莢を食用にします。この地域では伝統野菜となっています。

メガルカヤ:雌刈萱(男勝りの雌) 

2011-10-06 08:18:00 | お知らせ」

メガルカヤ:雌刈萱(イネ科メガルカヤ属)は山野に生える多年草で、高さは70~100cm、葉は長さ30~50cm、幅3~8㎜、雌の名前がついていますが、むしろオガルカヤのほうがほっそりとした姿に見えます。
オガルカヤと一緒に生えていることも多いそうで、このメガルカヤも室池園地の池の土手にオガルカヤの隣に生えていました。
花期は9~10月、上部の葉のわきに長い芒の目立つ小穂が束状に集まってつきます。芒は黒褐色で、長さは5㎝前後もあります。
最近あちこちの土手や草地を我が物顔で占拠しているのは、外来種のメリケンカルカヤ(イネ科ウシクサ属)で、秋に茎や葉が赤くなると、白い毛のある穂がよく目立ちます。(2006年11月2日記事)


オガルカヤ:雄刈萱(群れ飛ぶ雀?) 

2011-10-05 09:44:25 | お知らせ」

刈萱、刈草は屋根を葺く材料として刈り取った茅という古語で、カルカヤという植物種はありませんが、今日のオガルカヤと明日のメガルカヤの両方をさして単にカルカヤと呼ぶこともあるようです。
オガルカヤ:雄刈萱(イネ科オガルカヤ属)は、丘陵や河原の土手などの日当たりのよい草地に生える高さ0.6~1mの多年草で、葉は細く長さ15~40㎝、幅3~5㎜です。
花期は8~9月、舟形の苞に包まれた枝の先に2個の小穂が左右に開いてついているように見えますが、それぞれの小穂が数個集まっているものです。この形を雀が止まっていると見立てたのでしょうか、オガルカヤの別名はスズメカルカヤとなっていますが、雀よりトンボに見えるという人もいます。

ハクショウ:白松(変わった樹皮の松)

2011-10-04 17:52:35 | お知らせ」


京都銀閣寺近くの橋本関雪旧邸の庭に植わっていたのがハクショウ:白松(マツ科マツ属)です。
中国原産の常緑高木ですが、成長は遅く、関雪邸のものは5.5mですが、北京の故宮には樹高20mのものがあるそうです。
樹皮が平滑で薄く剥げ,老木では灰白色になることから和名がつけられています。松葉は3本で、中国では庭木として利用されるほか、球果の種子は食用にされます。
別名にシロマツ、サンコノマツ(三鈷の松)があります。

ゴシュユ:呉茱萸(ほんとのゴシュユは?)

2011-10-03 16:58:32 | お知らせ」

郡山市の薬園八幡神社の小さな薬草園に、ゴシュユ:呉茱萸(ミカン科ゴシュユ属)が実をつけていました。
中国中南部原産の落葉小高木で、日本には薬用植物として江戸時代に渡来しました。全体に毛がおおく特有の臭気があります。葉は奇数羽状複葉で対生し、小葉は2~4対、長さ~15㎝の楕円形または倒卵形です。初夏枝先に緑白色の花を多数つけ、果実は平たい球形で秋に赤く熟します。雌雄異株ですが日本にはふつう雌株しかなく、果実には種子はできません。果実は健胃、利尿、駆虫などに使われます。
ゴシュユとは漢名の呉茱萸の音読したものとあり、辞典では茱萸は呉茱萸のこととあります。図鑑によっては本名ニセゴシュユ、別名をゴシュユとあったりした、名前がぐるぐる廻りをしているようで混乱します。

キクモ:菊藻 (かわいい花の水田雑草)

2011-10-01 05:54:13 | お知らせ」

淀川の堤防に近い田んぼにいわゆる水田雑草が茂っていました。
そのなかで紅紫色のかわいい花をつけていたのが、細かく裂けた葉が菊の葉に似ているところからこの名があるキクモ:菊藻(ゴマノハグサ科シソクサ属)です。
水田や浅い沼、池などの水中に生える多年草で、地下茎は泥の中を這い、水上葉は輪生し、長さ1~2㎝、羽状に深く裂け、水中葉は糸状に裂けます。8~10月、水上葉の葉脇に紅紫色の小さな唇形花をつけます。
外来種が多くなった水田雑草ですが、キクモは純国産種です。

<オオヒキヨモギ:大蟇蓬(間に合った最後の花)

2011-09-29 18:49:19 | お知らせ」

高槻市北東部の山間に大阪府のRDBで準絶滅危惧種、環境省カテゴリーで絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているというオオヒキヨモギ:大蟇蓬(ゴマノハグサ科ヒキヨモギ属)が見つかったという話を聞き行ってきました。
日当たりのよい草地などに生え、高さは30~70㎝の1年草の半寄生植物で、蟇蓬という和名は、下部の葉が蓬に似ているが別物であるという意味だそうです。
話を聞いたのが遅く心配したのですが、花後の特徴ある萼筒ばかり目立つ中に、よく探すと幸いにも茎先にいくつかの花が残っていました。
花の形は何やらつかみどころのなく、どういう風に写真を撮ったらよいかわからないまま写したのがこの写真です。
淡黄色の花冠は長さ3㎝足らずで、上唇の先端部分にだけ茶色っぽい紅色が入っています。上唇は内側に巻き込むようになり、その中に雄しべが隠れています。右側の下唇が持ち上がり、花の内部は隠れて見えません。どうやら花弁が左右非対称というこの花の構造がよくわからないまま、右向きの花を撮ったのは正解だったようですが、ぼけ写真が残念です。
ちなみに仲間のヒキヨモギハは、花弁が左右対称だそうです。


ハイイヌガヤ:這犬榧(匍匐して雪に耐える) 

2011-09-28 18:01:44 | お知らせ」

三瓶山北の原の遊歩道を歩いていると、ひざ丈ほどの低い木が実をつけていました。
ガイドさんによると多雪地帯に特有のハイイヌガヤ:這犬榧(イヌガヤ科イヌガヤ属)とのことでした。
北海道、本州の日本海側の多雪地帯に適応したイヌガヤの変種で、環境に適応して匍匐形の樹形になっています。幹の下部は地面を這い先端は斜上します。
種子は開花した翌年の秋に熟し、外種皮は柔らかくて甘みがあり食べられるそうです。
ユキツバキ、ヒメアオキ、エゾユズリハなどの日本海要素の常緑匍匐性植物の仲間で、その樹高は、写真の葉の間から見える地面の近さからでも見て取れます。

ネバリタデ:粘り蓼(五感を駆使して?)

2011-09-27 17:33:45 | お知らせ」

植物観察には五感を駆使してと、よくいわれます。その言葉を地で行って思いがけず成果?があったのが三瓶山北の原の草原でのことでした。
何の変哲もないようなタデ花が咲いていて、ぴったり思い出せる品種が思い浮かばす、何気なく花穂をつまんでみると粘り気があります。口から出まかせに「粘り蓼と違うか?」といいますと、誰かが図鑑を開いて「ネバリタデというのがある」いうではありませんか。
図鑑には、ネバリタデ:粘り蓼(タデ科タデ属)は、茎の上部と花柄の一部から粘膜をだし、触ると粘るのでこの名がある。山野の日当たりのよいところに生える高さ40~80㎝の1年草で、葉は長さ3~5㎝の披針形~広披針形。花序は長さ3~5㎝で、淡紅色または白緑色の花をまばらにつける。とありました。
ガイドの先生も苦笑いの一幕でした。