国道1号線は旧東海道を前身とする路線で、東京都中央区の日本橋か
ら、大阪市北区の梅田新道交差点に到る総延長730㎞に及ぶ道路である。
「一級国道1号線」として制定されたのは、昭和27(1952)年の事で、
昭和40(1965)年に現行法下の「一般国道1号線」となった。
道路の整備は、明治の新政府が発足すると整備計画が策定されている。
嘗ては主要な幹線道路であった国道1号線も、昭和40(1965)年に
名神高速道路が全線開通(小牧IC~西宮IC)したことで、交通量
は激減する。
更に旧東海道のルートに沿った、新名神高速道路(三重県四日市~
兵庫県神戸市北区)が暫時開通するにつれ、そのダメージは決定的な
ものとなった。
峠から2㎞程下ると、左側に「十楽寺」がある。
嘗ては「山中千日村の常念仏寺」と呼ばれた、浄土宗総本山知恩院の直
轄末寺である。
御本尊は、日本最大級の丈六阿弥陀如来座像が安置されている。
甲賀三大仏の一つで、他に大池寺(臨済宗妙心寺派、水口町)の釈迦如
来座像と、檪野寺(天台宗、甲賀町)薬師如来座像と共に、これらを巡
る「湖国甲賀の三大仏巡り」が頻りに行なわれている。
関宿を出ると東海道は、峠越を除く多くの区間で国道を歩いてきた。
この間、三重県側も滋賀県側も、嘗て賑わっていた大型のドライブイン
や食事処、喫茶店等は皆無で、コンビニも見ることも無く、自動販売機
すら目にすることが無かった。
片側二車線の道路を通る車は稀で、幹線にも拘わらず静かである。
広々とした道を、時折我が物顔の車が、猛スピードで駆け抜けていく。
高速道路の開通で嘗てのような車の流れは失せ、沿道から店舗の多く
が消えてしまった。道路脇には、往時の面影を残すドライブイン等が、
二三今でも廃墟となって残されていた。(続)
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