
お江戸日本橋から旧東海道を歩き、ようやく箱根にたどり着いた。
思い起こせば、箱根には中学の修学旅行以来の再訪であり、こんな形で訪れ
ようとは夢にも思ってはいなかった。

今振り返ると箱根では大涌谷と芦ノ湖と言う名前が記憶に残っているので、
おそらく立ち寄ったのであろうが、芦ノ湖のどのあたりで遊んだのかは全く
覚えていない。船に乗ったのか、乗らなかったのか、そもそもその頃、観光
船や海賊船が就航していたのか、すら定かには覚えていない。

せっかくの機会なので、色々立ち寄ってゆっくり見て回りたいとは思うの
だが、時間的な余裕も無く、第一そんな余力も残っていない。
この地にも宿を取っておけば良かったと今更ながら後悔をする。

昨日箱根湯本に到着し、陽の長いことを良いことに、行けるところまで行こ
うと鎖雲寺近くまで歩き、湯本で泊まった今朝も7時過ぎには宿を出てそこまで
バスで行き、以降歩いてここまで来たが既に正午を回っている。

旧東海道は箱根宿の町並みを抜け、芦ノ湖を後にして箱根山の外輪山846m
の箱根峠を超えると伊豆の国に入る。ここからは延々と下り道が続き、それを
下りきれば東海道では伊豆の国唯一の宿場町である三島の町まで三里二十八丁
(凡そ15Km)の道のりだ。今晩の宿はその街道沿いに取っている。

下り坂とはいえ、格段に速足で歩けるわけではない。
延々と続く下り道の怖さ辛さは、何度も四国八十八カ所で経験している。
慌てて歩いて、足の爪や、膝、足首を痛めてしまっては元も子もない。(続)


