江戸後期の大人気作家・山東京伝を訪れた蔦屋重三郎の画を描いた北尾重政は、山東京伝(画号:北尾政演)の浮世絵の師匠で北尾派の創設者。鳥山石燕の弟子だった喜多川歌麿も影響を受けていた絵師です。
蔦重は他の画もこんな感じなので(眼鏡をかけていたという説もありますが、眼鏡をかけた絵はみたことありません)ほぼ当人に近いと思いますが、京伝は鼻が団子鼻なので明らかに本人とは違います。京伝の肖像画はもっと男前です。この団子鼻は京伝作の『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』で京伝自身が描いた主人公・艶二郎(えんじろう)の鼻で、艶二郎が大人気になってこの団子鼻は「京伝鼻」と呼ばれたそうです。
『江戸生~』が1785年天明5年に刊行になってるので、その後の寛政期に描かれた京伝はトレードマークとして団子鼻にしてあるのかな?画像の『堪忍袋緒〆善玉』は1794年刊。
師匠だけあって、画は京伝とそっくりというか京伝の方が似ているというのか、京伝の兄弟弟子・北尾政美の画も師匠の絵とそっくりなので、私などはクレジットがないと見分けがつきません。
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