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large keyhole-shaped tomb mounds1

2015-02-28 | ancient history
 中山道沿いなど旅していると、大昔のお墓「古墳」に出くわすことが結構ありました。
天皇陵ではないから、自由に近づいて登ることができたり、横穴が開いていて中に入れたりと結構観察できるので、旅行先の下調べには必ず「古墳」や遺跡がないか調べて、立ち寄るようになりました。
 古墳といえば、大阪にある前方後円墳「大仙陵(仁徳天皇陵)」や奈良の箸墓古墳(卑弥呼の墓説で有名)など、奈良や近畿方面のものだという印象が強かったのですが、道路地図を眺めていると結構各地にあることがわかり、自分の家から近い場所にも大きな前方後円墳や古墳群があることを知ってから、急に古墳が身近なものに感じるようになりました。
 近年100mを超す大きな前方後円墳などは、生い茂っていた木々を取り除き、当時の姿に復元して古墳公園として整備されるものが増えてきました。こんもりした森が古墳だと思っていた頃の私は、本来の古墳の姿を見て、その人工的な造りに違和感を覚えたこともありました。しかし、きれいに復元された立派な古墳が誰のお墓だったのかを明記したものは、私の見た中にはありませんでした。その地域の首長のお墓だろう…というような曖昧なものでした。確かに前方後円墳は見た目が変わっていますし、円墳の被葬者より地位が高い人・特別な人のお墓であろうことは、時代を経ても一目瞭然です。そこで私は疑問が湧きました。
 なぜ前方後円墳は鍵の穴の形をしているのだろうか、と。

 簡単な質問なので、考古学を趣味にしている身近な人物に聞いてみました。
「円墳や方墳に、祭事をするための場所を作ったのが始まりで、それが発展して大きくなっていった」。

 この答えは、古墳に関する書物にも必ず書いてありますが、私の知りたい答えではありませんでした。祭事をする場所が発展したにしても、最終的に鍵穴型に落ち着いたのはどうしてなのか、ホタテ貝式古墳の方形を真っ直ぐ伸ばしたデザインではダメだったのか、古代人は末広がりのキーホール・デザインに特別な魅力を感じたのでしょうか。明確な答えを見つけるために、古墳関連の本をいくつか読んでみました。

『大人の探検 古墳』大塚初重(監修)有楽出版社2014年刊

 本を探していて、最近古墳ブームだということを知りました。そのせいか、古墳に関する書籍はたくさんあり、どれを読んだらよいのか見当がつけられず、図書館で選んだ本が、よく読んでみると自分の知りたいことと関係ない内容だった、という事がよくありました。古墳の内側に関する研究、古墳の成り立ちに関する研究、古墳の被葬者に関する研究、古墳の副葬品に関する研究本から、古墳が大好き!古墳を見に行こう!的なライトな本まで、結局、奇をてらった発想(古墳はピラミッドだ!とか)でないもの、情報が新しくて難しい事を安易に説明してあるもの、として大塚初重氏監修の『古墳』に落ち着きました。
 この本は前方後円墳に特化したものではありませんが、「古墳を探究することは、古代人から生きる力を授かることに繋がる」という事を学びました。P190~191の大塚先生の考古学者になったきっかけ談を読んで、涙しました。

 なぜ、古代人は鍵穴型の前方後円墳を日本各地に造ったのでしょうか。
その答えを追い求めて、脳内トリップを試みました。ところが、蔦屋重三郎や十返舎一九の近世江戸時代へ行くのとは勝手が違いました。圧倒的に脳内バックボーンが不足しています。古墳、古墳時代、紀元200年くらいまで戻らなければなりません。しかも、朝鮮半島とも密接に関わっていたらしい…日本古代史だけでなく朝鮮古代史も読まなくてはならないのか? 
 と思ったら頭がクラクラしてしまいましたが、とりあえず『古事記』と『日本書紀』を読んでみることにしました。
コメント
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