TheProsaicProductions

Expressing My Inspirations

dinosaur.bug

2012-04-28 | music
前列左2人めからLouBarlow(b.)、Murph(dr.)、J.Mascis(vo.g.)

 Dinosaur Jr. ダイナソーJRを覚えているロックファンって、現時点どれほど存在しているのでしょうか…そんな疑問が頭をもたげる映画『実演!バグ/ダイナソーJR』(原題:BUG DINOSAUR JR. Live at 9:30 Club IN THE HANDS OF THE FANS)をグランジ好きでもなかった自分が観たのは、映画解説の最後の文章を読んだからでした。
「ヘンリー・ロリンズ(Black Flag)のインタビューも収録の他マイク・ワット(ミニットメン)、キース・モリス(B.フラッグ、サークル・ジャークス)、イアン・マッケイ(マイナー・スレッド)も映る!!
 尊敬するIan MacKaye兄貴がFUGAZIの前のパンク・バンドMinor Threadのみでクレジットされてるのもトホホな感じでしたが、最近(2011年春)の彼の映像を見られる!と胸ときめかせて劇場へ。しかし、向かう途中、最後の言葉「映る」というのを思い出し、インタビューとか出演とかではなく、あくまで「映る」という表現がイアンは1カットくらいチラっと映るだけなんでしょうね...という不安に変わり、だれだれモードになりました。そしてその予感は的中しました。群集の中に1カットでなく2カット見つけられたのが、せめてもの慰めでした。
 映画詳細はDinosaur.Jr.公式HPで。
 といっても公式HPはマーチャンダイスの場みたいなので、内容はよくわからないかもしれません。ダイナソーJR.のディスコグラフィーはコチラのサイトがお薦め→DINOSAUR JR.
 90年代にオルタナティヴと呼んでいたジャンルの意味が、時が経てば意味がなさなくなるように、オルタナティヴ・ロックのグランジと括られていたダイナソーJr.は、ニルヴァーナ(の前座もやったことある)の成功と共に人気も上昇しましたが、カート・コバーンの死後グランジの消滅と共にダイナソーの存在も薄れていきました。日本の音楽専門誌では、フロントマンのJ.マスシスの脱力ヴォーカルスタイルがもて囃されてたのを記憶しています。しかし、私はそのサウンドがあまり好きでもなかったので曲は憶えていません。
 映画は、「ファン激撮 実演!」と日本のチラシに書いてある通り、2011年にワシントンD.C.でのギグをダイナソー・ファンにビデオに撮ってもらい、それを編集して映画にしたものでした。一度解散した彼らはオリジナルメンバーで2005年に再結成しており、別人と化したJ.マスシス以下メンバーが企画を説明するところから始まります。ネットでファンに呼びかけ選ばれた5人(だったかな?)を会場に招き、ライヴがスタート。3rdアルバム「BUG」を全曲とアンコール2曲を演ります。
 こんなへヴィだったっけ…というサウンド、本当に本人がプレイしてるのか?と疑惑の目でスクリーンを見つめながら、でもファンが撮影したJ.マスシスの運指のアップ映像で、なんとなく納得させられながら彼らのライヴを観ました。MCはほぼありません。ヘンリー・ロリンズはいつ出てくるんだろう?BUGの最後の曲をやる前に、ボーカルはゲストに歌わせると言ったので、ここか?と思ったら名前を呼ばれて登場した男はどうみてもフツーのファン。曲は誰でもすぐ歌える「Don't」。Why~don't you like me~♪を思いっきり叫びながら繰り返します。「なぁぁぁぁぁ~ぜぇぇぇぇぇ~ おまえはぁぁぁ~おれをぉぉ~きらいなんだぁぁぁぁああああああ~~~」て歌でした。
 笑えました。
ルー・バーロウのベースはかっこよかったし、ドラムのマーフも頑張ってました。お腹にギターをのっけてヘタクソな歌を唄う「白いロングヘアのおっさん」のJ.マスシスが、途中から、解散前のあの痩せて幽霊のような風貌に見えてきた時は、さすがだなと感心しました。
 アンコールを終えステージを下りる3人。そして映画も終了―ええ?まじでこれだけですか?これじゃフィルム・コンサートじゃ…ドキュメンタリー映画ではなかったことに漸く気づいた愚かな私でした。
 愚かでもいい。ダイナソーの友人としてライヴのお手伝いに来ていたイアン兄貴が見れたし。会場の9:30ClubはワシントンDCでのハードコアの聖地(と個人的に思っている)の1つでFugaziも演っていたクラブだったから懐かしかったですし、、、、。

a trip to kumamoto 3

2012-04-25 | trip
熊本城イラストマップ

 熊本城の小天守に上がっていなかったので、再度熊本城へ登城しました。1度目が櫓コースだったので、石垣コース(こちらの方が天守閣までの距離が長い)で向かいました。
 石垣コースは、長塀の内側に当たる竹の丸―お城の植物(牡丹や石楠花、杜若、菊など)を現在も育てている肥後六花園やクスノキの巨木などがある広場―を通り抜け右に曲がると、幾層にも連なる石垣群が行く手を阻みます。といっても櫓コースよりは緩やかな登りなので疲れません。途中、有名な「二様の石垣」がありますから、ここからお城と石垣をバックに記念撮影すると、帰ってから「熊本城行ったなぁ」って雰囲気になります。

 二様の石垣の前で石になってみた私
←上の画像の左に梅園がありますが、ちょっと寄り道して飯田丸五階櫓へ寄ってみました。中を公開していて、再建の様子など展示されていますし、熊本城で唯一水が残っている備前堀が上から間近に眺めることができました(堀には錦鯉と亀がいます)。2度目のお城は既に勝手知ったるなんとやらでしたから、気持ち的にも余裕を持って見る事ができました。満遊パスポート持っててよかった~です。
 熊本市は、市街地からちょっと離れた所に「水前寺公園」といった名所もありますが、パスしました。帰りの空港リムジンバスに乗る時間まで、上通・下通アーケードでお土産探しのショッピング。でもそこは熊本県で一番のトレンドな場所らしく(パルコがあったしね)、若い子たちがいっぱいたむろするようなお店が連なり、観光客用のお土産屋(沖縄はそういう店ばっかりでしたが)は意外とありませんでした。熊本ラーメンや太平燕や辛子レンコンなんかはデパ地下行けばありますけどね(鶴屋はちょっと割高?)。

↑今回の旅行の下調べで知ったのが、夏目漱石が熊本に5年も住んでいて、6回も転居していたということ。そして市内には、漱石が1年8ヶ月住んでいて長女が誕生した家が残されているというので訪問しました。ちょうどご在宅で猫と戯れておいでだったので、肩をお揉みして参りました。熊本を「森の都」と呼んだのは夏目先生だそうです。広いお庭がついた立派な木造平屋建てでした。お手洗いお借りしました。
 ちなみに熊本城大天守の厠はこんなんでした(復元)

 熊本では、結構歩いたので疲れました。喫茶店に入るのも嫌だな…と思った時、とてもいい場所がありました。交通センターに次ぐあらゆる方面行きが出ているバス停の正面に建っている‘びぶれす熊日会館’。角のスペースは平日でも物産市が開かれていたり、若者ブランドのオシャレなお店が入っていますが、このビルの3階に熊本市立現代美術館がはいっているのです。エレベーターで上がっていくと、ホームギャラリーという本棚に囲まれた広い部屋があり、そこは入場フリーです。ソファセットがいくつも置いてあり、棚にあるアート本(堅いのから柔らかいのまであります)を眺めながらくつろぐもよし、ソファに身を預けてうたた寝するもよし、繁華街のオアシスです。
 実際、お土産は阿蘇くまもと空港のお土産コーナーで十分間に合います。辛子レンコンやさつまあげ・熊本銘菓など試食もできます。それに、繁華街の土産屋では見当たらなかった「辛子レンコンチップス」が空港の土産屋には売っています。試食なしだったので不安でしたが(結構いい値段だし)、美味しかったです。ツーンとした風味とカリカリした食感はビールやコーラに合います。


a trip to kumamoto 2

2012-04-23 | trip
県民百貨店前のおてもやん

夕食は、ちょっと奮発して長塀が見える和食レストランで郷土料理コースを食べました。熊本の名物は、馬刺し・辛子レンコン・豆腐の味噌漬け・だご汁・天草大王鶏・さつま揚げ・一文字ぐるぐる、そして天草で獲れた新鮮な魚。ひと通り頂きました。
熊本では馬肉がポピュラー。↑3人前の馬刺しは霜降り&赤身

 生肉は苦手なので牛刺し・鹿刺し同様、馬刺しもリピートしたいとは思いませんでした。辛子レンコンは宿泊した旅館の朝食バイキングにもあり一生分食べてきました。豆腐の味噌漬けは、ねっとり濃厚な塩味の酒の肴。だご汁は団子汁のことで「すいとん」のような椀物。天草大王はブランド鶏。一文字ぐるぐるは、わけぎのようなのを1本まま茹でたのを1口大に曲げて青いほうをぐるぐる巻きつけて食べやすくしたのを酢味噌で。酢味噌和え好きな人にはお薦めです。  
 翌日は、周遊バスしろめぐりんに載って、城下町へ繰り出しました。新町で下車しましたが、期待したほど古い家並みは残っていませんでした。

新町から船場へ行く途中の風景

熊本市内は路面電車とバスがひっきりなしに走っていて、路面電車も乗ってみました。画像に写ってる様な2両編成の新型車両は、快適な乗り心地。
 「あんたがたどこさ」♪熊本どこさ、せんばさ♪の洗馬のたぬき
 船場(洗馬)橋の上から見た熊本城
 
船場橋から歩いて10分弱で県民百貨店。通町にある鶴屋デパートより庶民的なデパート。ここのレストラン階にある中華料理店に熊本B級グルメがあるというので食べてみました。
太平燕(タイピーエン)という具沢山の春雨スープ

この太平燕は中華料理店以外でも扱っていて、私は到着した時空港のレストランで食べました。空港のは長崎チャンポンのスープみたいで味も濃く、ゆで卵が素揚げしてありましたが、県民百貨店のはあっさり塩スープで煮玉子でした。乗ってる具が野菜いっぱいで麺が春雨なので、お腹にもたれず小腹が空いた時などにちょうどいいです。県民百貨店の隣りは交通センターで、色んな方面へ行くバスが出ていて便利。地上階にはお土産ショップもあります。
 再び周遊バスに乗り熊本城敷地内にある博物館(入場料200円)と細川家の大名屋敷(300円)へ。バス停から百間石垣という城壁が見えます。熊本城は石垣の城と言われるように、石垣がすばらしいです。お城関係以外の観光地は、繁華街の鶴屋百貨店の裏に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が1年くらい住んでいた旧居があるのと、お城の南に位置する夏目漱石の旧居があります。これらも満遊パスポートでフリー(入館料共に200円)。私はお城にもう一度入ったので900円は得しました。何より小銭を一々出す手間がないのがよいです。
 さて、熊本グルメで外せないのは、熊本ラーメン。

市内繁華街下通アーケードからちょっと入った専門店の熊本ラーメン

ここのお店は昼間も開いていました。しょうゆや塩などなく、メニューには「熊本ラーメン」とだけあり、あとはトッピングや麺の太さや量を選べるという熊本ラーメンの専門店でした。定番のラーメンを注文。スープは豚と鶏のダブルでした。特にトッピングしなくても十分なくらいの具(煮玉子も入ってた)で、キクラゲではなく茎ワカメの千切りが入っていましたが、ワカメの味がして美味しかったです。麺はストレートでアルデンテ。スープは見た目ほど脂っこくなく、お腹にもたれませんでした。本場の豚骨ラーメンは、本州のトンコツよりアッサリしてると思いました。
                     

a trip to kumamoto 1

2012-04-22 | trip
街中に溢れていた“くまもん”は熊本マスコット

 飛行機から見下ろす熊本は、新緑の季節で緑がいっぱい。気候も最高。街歩きは半袖でちょうど良いくらいでした。空港リムジンバスを降りると、目の前に熊本城がお出迎え。荷物を置いたら、熊本城へ。


阿蘇くまもと空港からリムジンバスで約40分、通町で下車して天守閣に一番近い須戸口門まで徒歩5分くらい。入園料は500円ですが、熊本周遊バスしろめぐりん一日乗車券¥300に観光施設割引き券5枚が付いているのでお得になります。私は、空港の受付で「満遊くまもとパスポート」¥1000を購入―市内22施設のフリーパスで7日間有効、同じ施設に何度も使用可能なので、連泊する人には超お得です。

 熊本城は、敷地が広大で、城内より石垣や櫓など外に見るものが多くあるので、ちゃんと見ようと思ったら1度の訪問では疲れてしまいます。出来るだけ城への最短ルートを見つけたほうが時間的にも体力的にもよいと思いました。二の丸駐車場からだと城まで遠く、石垣や櫓群はもっと遠くなるので、裏口的な須戸口がお薦めです。すぐ隣りに小さいですが駐車場もあり、オフシーズンの平日は余裕ありそうでした。
宇土櫓から見る大天守と小天守

 須戸口門を入って右の石段を登るコースが櫓群コース。城に近づくと今度は石垣が見え、本丸御殿の下にある「闇り通路」に入って右に曲がると城の前に出ます。武将の格好をした男女がおもてなししてくれますので、是非お城をバックに記念撮影を(もちろん無料)。
天守閣から本丸御殿を望む

 お城は、2階で階段が大天守行きと小天守行きに分れます。展示は大天守なのでまずはそちらへ。階段の上り下りで疲れますが、小天守へ登ると間近に天守閣が見れます。私は小天守に登れるのを知らずに1日目は城を出てしまいました。それから本丸御殿の中へ。

再現された「昭君之間(しょうくんのま)」

ここに、有名な「昭君之間」が再現してあります。写真はフラッシュなしならOK。解説者もいるので気軽に質問にも答えてもらえます。
 再び闇り通路へ入り、入ってきた方と反対方面へ行くと、小さなお土産屋と名物いきなり団子売りや自販機があります。いきなり団子はどこでも売ってますが観光地は100円以上で高い!お薦めは県民百貨店の地下の団子屋さん。朝作ったのを70円で売ってます。
 ガイドに載ってる「首掛石」の前を通り宇土櫓へ。ここからの眺めもよく、二の丸側にある南大手櫓門やら加藤神社などが上から見えます。なので加藤神社と庚申櫓は上から見ただけにしときました。
宇土櫓から奉行丸を見る

そして、正門にあたる頬当御門から出て、坂道を下って最近オープンした観光施設「桜の馬場 城彩苑」へ。お土産ゾーンは無料、熊本城の歴史がわかる体験館はパスポートで2割引。この場所はバスやタクシーもでてます。私は徒歩で行幸橋を渡り、清正像を見て、長塀通をぶらぶら歩き対岸のお城の長塀を眺めながら夕食を予約したレストランが開くのを待ちました。

 

coming season of beer

2012-04-13 | prose
 寒い冬が去り、ビールが美味しく感じられる季節になってきました。
 ↑はギネスのグラスに入った、麦とホップの黒。
 ギネスファンには申し訳ない…味はギネスより全然ライト。




cherry blossoms (?) ice cream

2012-04-10 | prose
 桜の花も満開。明日、雨でも降ったら終わりだなぁと思い、ちょいとお散歩。
歩いていたら暑くなってきたので、桜のアイスクリームを屋台で買って食べました。
たいしたものではないですが、季節モノにはついつい手が出てしまいます。

happy pink

2012-04-08 | photo
自宅の桜2012.4.8


桜のアーチ


お花見散歩道


江戸時代に作られたK用水沿いの桜祭り。近くなのに初めて行きました。業者の屋台や桜並木の下での宴会などがNGみたいで、こじんまりした感じでしたが、地元の和太鼓演奏などイベントもやっていて、楽しかったです。

a mature nation

2012-04-06 | bookshelf
『文明としての江戸システム』鬼頭宏著 講談社


上記の本の最終章に、こう書いてありました。
「しかし今や、完全に消え去ったと思われた江戸のシステムが注目されている。それは歌舞伎・三味線などの伝統文化や芸能に対する関心にとどまらない。生活時間、人間関係、労働観と遊び、自然との関わりなど、多面にわたっている。江戸への関心は、たんなる懐旧趣味から出たものではない。江戸後期に達成された成熟社会の姿を、無意識のうちに、二十一世紀の成熟社会に重ねてみようとしているのではないだろうか。
 日本列島の一部に限定された生活空間のなかで、量的な成長が困難になった時代、人々はどのような日々を過ごし、どのような一生を送ったのか。現代とは比べることができないほどの短命な人生しか享受できない時代ではあったが、また量も内容も貧弱な物質文化であったというほかなかったにもかかわらず、その生活文化は二十一世紀の世界が求める『持続可能な開発』を支えるに相応しいものであったようにみえる。成長と競争に明け暮れた二十世紀に、江戸後期に達成された生活文化は、いったんは否定され、破壊された。それが今、新しい道具立てを背景に、ふたたび求められているといったら、言いすぎだろうか。」
「現代のわれわれにとって、江戸後半の停滞の時代は、一つのかがみとなる時代である。それは江戸時代をモデルとして真似る、という意味ではない。成熟した文明とはどのようなものなのか、そこでは何が起きるのかをみせてくれるのである。壮大な社会実験であったといってもよい。物質とエネルギーの輸入が、とるに足りないほどの規模でしかなかった社会で、人口はどのように変化したのか、生活はどうなったか、家族や人間関係はどうなったか。」
として、
「江戸時代を知ることで、このような時代を乗り越える知恵を得ることができると期待するのは、見当はずれであろうか。」
と結ばれます。
 しかるに、戦後の平和な時代の政治家たちは、先人から学んでいるのでしょうか。野党と与党が変わろうが、お互いの政策に反対を唱えるだけで一向に前進しない政党政治には、うんざりします。

 城山三郎氏の『男子の本懐』を読んで、そんなことを思いながら涙しました。