TheProsaicProductions

Expressing My Inspirations

About Bruno Schulz by the Quay Brothers

2022-11-19 | art
The Art Teacher from Drohobycz - Bruno Schulz by the Quay Brothers

 今日はBruno Schulz (19th November 1942)の没日(ドロホビチの路上でナチスに銃殺された)だということで、UKのthe Polish Cultural InstituteがBrothers Quay によるブルーノ・シュルツのショートフィルムを公開しました。平凡社刊行の『シュルツ全小説』巻末の「訳者解説」と内容的には同じなので、英語の解説が難しい方は書籍がおすすめです。
 細切れにブラザーズ・クエイによる『砂時計サナトリウム』の映像が挿入されています。パイロット版が製作されてから随分経ちましたが、YouTubeで公開されているフル・ムービーもパイロット版なので、まだ完成していないのでしょうか。the Polish Cultural Instituteで完成させてもらいたいなぁと思いました。
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Ernst Theodor Amadeus Hoffmann !!

2019-04-30 | art

↑クリックで拡大↑

E.T.A.ホフマンを主人公にしたストップモーション・アニメが登場しました!
私にとってE.T.A.Hoffmann=sandmanの世界なのですが、期待できそうな作品です。



詳細は公式ホームページでhttps://hoffmaniada.net

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klepsydra

2017-03-10 | art

『Sanatorium pod Klepsydra』 邦題:砂時計
ポーランド映画 1973年公開 1982年日本公開
日本版DVD紀伊国屋2014年発売

 昨年は、Quay Brothersの展覧会が開催されて、久しぶりにブルーノ・シュルツを読み返したりしていましたが、ひょっとして『砂時計サナトリウム』のポーランド映画が日本でDVD化されていないだろうか、と検索してみると、2014年に国内発売していました。それで、早速取り寄せて観てみました。
 日本語解説が付いた、嬉しいパッケージ。
 気になったのが、パッケージの表と解説リーフレットの1ページめ見開きで載っている、胸を露わにした娼婦風の女性たちの画像。
こんなの「砂時計サナトリウム」に出てきただろうか…と思いつつ、ディスクをセットして本編スタート。
 主人公のユゼフが入院中の父を見舞いに、サナトリウム(療養所)へ向かうローカル列車の旧式車両に乗っている場面から始まります。
 その古風な車輌は、原作ではとても奇妙で、想像してもなかなか思い描き難いのですが、映像は原作の雰囲気をそのまま再現してあり、感動しました。監督&脚本を手掛けたヴォイチェフ・イエジ―・ハス(ポーランド人)監督は、全編通してシュルツの世界観を見事に具現化してくれてました。
 ユゼフの父が身を置いている世界は、幻想と狂気が入り混じった混沌としたところでした。最初こそ戸惑っていたユゼフも、元気な時のように生き生きとしている父の姿を見て、サナトリウムを運営するゴタール医師の開発した治療(?)方法を受け入れます。彼が行っているのは、砂時計の砂が落ちきる前にひっくり返す、というようなこと。ですから、過去と現在がいったりきたり…そしてサナトリウムの外で、ユゼフは少年期の友人ルドルフやビアンカに会います。彼らは少年少女の姿ですが、ユゼフは大人の姿のままです。でもその行動と話し方は、子供のそれです。アデラも彼を子供扱いし、彼の前で平気で着替えます。
 さて、ブルーノ・シュルツの作品を読んだことがない人が観たら、チンプンカンプンだろうと思いました。平凡社『シュルツ全小説』を読んだ私でも、全ての作品が気に入って記憶している訳ではないため、切手帳を持った少年が誰だか、なぜ色々な国の人たちが登場するのか、すぐ理解できませんでした。
 映画は「砂時計サナトリウム」と「春」を合体させた作品なのです。私にとって『春』はちょっと退屈で、気を入れて読んでいなかったために気づくのが遅れました。そして映画でも、その辺りは若干退屈でした。
 さらに、原作の『砂時計サナトリウム』にはアデラや母は登場しませんが、映画ではシュルツの他の作品からも少しずつ取り入れているので、シュルツ読者はそれがどの作品から取ってきたのかわかるので、興味深いです。
 また、ちらっと見えるゴタール医師の診療室の診察台は、クエイ兄弟の『失われた解剖模型のリハーサル』を彷彿させましたし、医師と看護婦の関係は、ヤン・シュヴァンクマイエルの『ルナシー』の医師と看護婦(本物の医者と看護婦か疑わしい…精神病院の入院患者かも)を思い出させました。クエイ兄弟とシュヴァンクマイエルは、ハス監督の映画を観たことがあるのでは?
 他の作品を入れ子的に挿入する手法は、S.ソダ―バーグ監督作品『カフカ/迷宮の悪夢』(1991年作品)が頭に浮かびました。この映画も、カフカ自身のことや作品を読んでいないと面白さが半減するようなカルト作品でした。
 ハス監督作品もカルト映画ですが、パッケージの退廃的な裸の女性たちの画像が、よりカルト感を醸し出しているような気がします。映画の中ではほんの数カットしか出てこないのですが・・・
 全体的に、ハス監督が造り出した“シュルツの世界”は、1つを除いて私の想像を裏切るものではありませんでした。しかし、その1つは、私にとって比重が大きいので、残念でした。
 それは、アデラです。
 私が想像していたアデラは、黒髪でしたたかなクール・ビューティーなのですが、映画のアデラは金髪でクールではありませんでした。なので、最初はその女性がアデラとは思いませんでした(「砂時計サナトリウム」にはアデラは登場しませんし)。
 『シュルツ全小説』の訳者解説内に載っている、シュルツの許婚ユゼフィーナ・シュリンスカの写真が、私の中ではアデラ像なのですが。



 
 
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yokohama doll museum 2

2016-10-15 | art
うなじ
平田郷陽『粧ひ(よそおい)』

 横浜人形の家の3階には、artとしての人形が数多く展示してありました。その中でも貴重なものが、人間国宝・平田郷陽のコーナーです。
 以前、テレビ番組で紹介された『粧ひ』という夏用の薄手の着物を着た女性が化粧をする姿の人形を、一度間近で見てみたいと思っていました。ですから、今回のクエイ兄弟展に行くと決めた時、すぐこの人形が何処に展示されているかチェックしました(横浜市内ということは憶えていたので)。
  
 ガラスケースの中の彼女は、生きているようでした。高さは43.8cmだということですが、不思議なことに小さいと感じませんでした。
 ガラス張りなので写真を撮ると会場の照明やモニターの画像が写り込んでしまったり…と、苦労しましたが、違った角度から見てみると、顔の表情が違って見えます。
  
 鏡は、鏡面が濁っていて姿が映っていないのですが、本当に鏡を覗いているように見えます。これが木で出来ているとは、信じられません。それに、昭和6年に作られたとは思えないほど、劣化が見られない肌(胡粉)。その妖艶さに惹かれて、顔や着物から透けて見える身体ばかりに目を奪われていましたが、落ち着いて後で写真を見て、手や指の表現にも驚嘆しました。安本喜八の活人形(いきにんぎょう:生人形)も超絶写実技巧ですが、この作品は、精緻さとか技術以上のもの、人形の吐息が感じられるような気がしました。
 このような「活人形」は、江戸時代の終り頃から見世物興行の見世物として作られていました。幕末の浮世絵師・歌川国芳が描いた絵馬『一ツ家』(浅草寺の伝法院収蔵)は、見世物小屋の一ツ家の活人形を見た国芳が、インスパイアされて描いたものだそうですが、こんなクオリティの高い活人形だったら納得します。昔の日本では、これが単なる「人形」(職人が作ったものだから)扱いだったとは…平田郷陽は工芸品扱いだった人形を、芸術品にまで高めるために尽力しました。
  
 彼の作品は、他にも展示してありました。「小児シリーズ」で、遊んでる子供や眠ってる赤ちゃんなど、こちらは置物サイズでしたが、やはり精巧に作られていました。
 
  横浜人形の家→
 
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yokohama doll museum 1

2016-10-11 | art
山下公園向かい側にある『横浜人形の家』
みなとみらい線元町・中華街駅4番出口より徒歩約3分 入館料大人400円

 Quay Brothersの展覧会に行ったついでに、横浜元町にある人形の家博物館へ寄りました。
 中華街と山下公園に挟まれた地区にあり、みなとみらい線の駅から歩いてすぐという、立地条件のよい所にあります。
 横浜で「人形」といえば、「青い目の人形」が頭に浮かびます。横浜港という土地柄、ビスクドールのような西洋人形を集めた博物館だろう、と思っていました。
 
↑左の画像の左側のビスクドールが、クエイ兄弟の『マスク』の主人公(右の画像)にどことなく似ていました。
 しかし、2階にある入口を入って、横浜と人形との関わりを紹介するコーナーを抜けると、広い展示会場ぐるっと、世界中の人形(お土産用の人形なども含め)がガラスケースの中で所狭しと並んでいるのです。もちろん日本の郷土人形も数多く展示してありました。
 普段、海外旅行に行っても見かけないような人形で、面白いものを見つけました。
   この画像は亀ヶ岡遺跡の土偶
 目が貝になっている原住民を模した人形だとか、縄文時代の土偶にそっくりの人形だとか。アフリカと日本…太古の時代から何か関係があったのでしょうか…そんな事をぼんやり考えながら3階へ進むと、古い雛飾りやからくり人形、市松人形などがあり、奥に西洋人形のコレクションがありました。
 レンチ・ドールというフェルトで出来た子供の人形は、何故かみんな不機嫌そうな表情。
 
 ベビードール・コーナーは、シュヴァンクマイエルやクエイ兄弟ファンが好きそうな人形が。
 ワックスドールは、ラ・スペコーラ美術館っぽい雰囲気 アンティークは質感が妖しくていいですね。


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TheQuayBrothersPhantomMuseums at TheMoma,Hayama part2

2016-10-02 | art
展示会場で唯一撮影できる作品
『「粉末化した鹿の精液」の匂いを嗅いでください』というタイトルのデコール
黒板にチョークで描いた鹿に本物の鹿の角、腹部に立体オブジェが取り付けてある
 
 クエイ兄弟の映像作品は、『ピアノ・チューナー・オブ・アースクエイク』以降『Maska』くらいが日本で公開されたくらいだったので、この展覧会でブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」のパイロット版(2006年、8分)が見られたのは、貴重でした。
 前日の夜寝る前、気分を高めるのとよく眠れるようにと『シュルツ全小説』を引っ張り出して「砂時計サナトリウム」を読み直したのです。おかげで読み切る前に眠ってしまい(短編なのに!)、朝まで熟睡できました。クエイ兄弟の『砂時計サナトリウム』は、主人公が電車を降りてサナトリウムへ行こうとする場面だけでしたが、どうせ試作するのなら、お父さんが絡む場面(シュルツの作品は“お父さん”がミソなんです)を作ってほしかったです。
 ブルーノ・シュルツよりメジャーなフランツ・カフカの『変身』の映像とデコールもありました。デコールは、虫になったザムザがベッドの下に隠れている場面でした。私の読んだ『変身』の翻訳では「毒虫」だったので、ザムザは芋虫的な「虫」のイメージでしたが、クエイ兄弟のそれは、ゴキブリ(シュルツ作品に出てくるアブラムシ)でした。よりにもよって、この小旅行から帰宅した夜、私は自宅で2度もゴキブリを退治するはめになりました。
 カフカの『変身』があるのなら、E.T.A.ホフマン(「くるみ割り人形」が有名)の『砂男』は・・・と思ったら、ありました。2000年にバレエ映画(実写:41分)として共同制作されていたのです。解説によると、内容は『砂男』ではないみたいですが。
 そんなこんなで、楽しみながら鑑賞してきた展示品も終りに近づく頃、クエイ兄弟の即興デコールがありました。展覧会初日に、彼らがチョークアートで鹿を描くデモンストレーションがあったのです。YouTubeにあがっているニューヨークのMoMAでのデモと同じ内容だったのですが、生兄弟を見れなかったのは残念でした。
  
 さて、この何ともコメントし難いタイトルの作品ですが、要するに香水に使われる「麝香(じゃこう)=ムスク」のことなのでしょう。腹部にあるガラスのドーム(「ドルミトリウム」というデコール)の中には「香り」が詰まっていて、それが嗅げるように小さな管が付いています。残念なことに、作品に近寄れないため、嗅ぐことはできませんでした。ただ、調べてみると麝香は鹿の精液ではないようで、麝香は鹿ではなくジャコウジカという鹿に似た動物からしか採れない、特別な分泌物だそうです。そして、ジャコウジカにはオス・メスどちらにも角は生えないのだそうで・・・ということは、中に入っているのは「麝香」ではないということですか・・・
 ←今回の戦利品
 ミュージアム・ショップでは、公式図録の他にポストカードやクリアファイルも売っていました。当然、StilleNacht人形のクリアファイルはお買い上げ。そして、数年前森美術館で開催されたウェルカムコレクションの展覧会では売っていなかった、ウェルカムコレクションのグッズが置いてありました。2種類のポストカードだけでしたが。西洋版「国芳の、みかけはこはいがとんだいいひとだ」を選びました。フィリッポ・バルビという19世紀のイタリア人画家の絵で、国芳と同時代の人ですが、この作品は国芳より後のようです。
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TheQuayBrothersPhantomMuseums at TheMoma,Hayama part1

2016-09-30 | art
クエイ兄弟展のカタログ(本体\3000)
今回の展覧会出品作品以外の作品も掲載されています
書店やネット通販でも購入可能

 2016年7月23日から葉山の神奈川県立近代美術館で開催中の、「ザ・クエイ・ブラザーズ -ファントム・ミュージアム-」に漸く行ってきました。(最終日は10月10日です)
 神奈川県立近代美術館は御用邸で有名な葉山にあり、随分前にヤン・シュヴァンクマイエルの展覧会も開催されたことがある美術館です。その時は、交通が不便なのと、シュヴァンクマイエル展は原宿で見たことがあったので行きませんでした。
 しかし、ブラザーズ・クエイとなれば話は別です。随分昔、クエイ兄弟のアニメーションで使われた人形とセットの展示会が京都で開かれたと知った時は、開催後5年も経ってからのことで、とてもショックでした。それから十数年以上過ぎたでしょうか。もう日本で展覧会など開かないとさえ思い始めていました。ですから、天候が不順だとか交通が不便だとか言ってられません。まずは、逗子駅まで電車でgoです。
  
 逗子駅から美術館までの足は、京浜急行バスしかありません。ちょうどお昼の時刻なのに、乗客はたくさんいました。海岸沿いのルートなので遠くに江ノ島が見えます。逗子マリーナも通過して、切り通しを抜けて(切り通しなんて鎌倉の山中にあるだけかと思ってました)20分ほどで美術館前のバス停に到着。歩道沿いに掲げてあった幟、だいぶ控えめです。
  
 美術館の駐車場の奥の階段を昇ると、中庭にイサム・ノグチの「こけし」がお出迎え。
 さて、館内は撮影禁止。受付で当日券1300円を購入し、会場へ。半日余裕を取っていたので、閉館近くまでじっくり鑑賞するつもりで、説明も全て読みながら進みました。
 入るとまず、真っ白な壁にクエイ兄弟の代表作「ストリート・オブ・クロコダイル」や「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」「ギルガメッシュ」などの映像が数分ずつ連続して大写しされています。ひと回り見ても10分以内ですが、イスが用意してあったので座って観ました。でもやっぱり早くオブジェが見たかったので、「イーゴリ」はほとんど見ずに席を立ってしまいました。(時間は十分あるのですが(^-^;)
 アニメーションのワンシーンを切り取った、セットとオブジェをここでは(クエイ兄弟によって)デコールと命名されていました。途中一時停止したりしながら何度も見た映像(画面が暗くてよく見えないから。でも結局はっきり見えずよくわからず。)の印象的なシーンが、立体で目の前にあることに感動です。さすがに30年以上も経っているため、元々の質感以上に古く埃っぽくなっていましたが。
 オブジェの他に、彼らの学生時代の絵画や、影響を受けたポーランドポスターの展示。依頼を受けて制作したポスター(フライヤー程の小さいサイズだけれども)、舞台美術の写真パネル、TVコマーシャルの画像パネル等々、彼らの軌跡がこの展覧会を見れば解るようになっています。日本では到底見ることができない、アメリカのコマーシャルフィルムも一部モニターで流しています。フランスの発泡水バドワのCMが可愛かったです。
 また、「失われた解剖模型のリハーサル」のデコールは、箱を覗く窓がレンズになっており、箱の中の限られた空間に奥行きができて広く感じる効果は、遠近法や錯覚を利用する彼らならではのアイデアだと思いました。これらのデコールを覗いていたら、自動人形師ムットーニこと武藤政彦氏のからくり箱を思い出しました。(ムットーニは、音楽を奏でるし舞台も変わるし照明も変わる電動仕掛けですが)

 
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A.Warhol 15minutes eternal at Mori Art Museum

2014-04-20 | art
アンディ・ウォーホル展 永遠の15分
森美術館 2014年2月1日-5月6日
展示スペース見取図

 森美術館の10周年記念展になったのが、ポップアートの祖アンディ・ウォーホル。
 ちょっとでもアートに関心のある人なら誰でも知っていて、崇め奉られていますが、正直私はあんまり好きではありませんでした。といっても、彼の作品で知っているのはヴェルヴェット・アンダーグランド・アンド・ニコのアルバム・ジャケットの「バナナ」のイラストや、スープ缶、マリリン・モンローなど有名人のド派手な色のシルクスクリーン作品くらいです。英マンチェスターあったクラブFACTORY(インディレーベルでもありました)は彼のアトリエの名前から拝借したとか、作品とは関係ないことは知っていても、実際ちゃんと作品を見たことはありませんでした。
 まだ見に行くか迷っていた時、チラシの整理をしていたら昔のウォーホル展の半券を見つけました。色が違いましたが、今回の展覧会のチケットとほぼ同じデザイン。いつ行ったのでしょうか。全く記憶にありません。でも半券があるということは、見に行ったはずです。自分ひとりで行ったはずないのですが、誰と行ったのかも思い出せません。行ったことさえ思い出せないほど、私にとってウォーホルの作品は印象の薄いものだったということなのでしょうか。いえ、おそらく私の頭が悪いせいでしょう。ちょうどラジオの語学番組のトピックにもなっていて、少し知識もついたので行ってみました。
 ポップアートと言えばカッコいいですが、訳すと「大衆芸術」。どこか江戸浮世絵と似たものなんじゃないか、と思いつつ、彼の初期作品から観ていきました。
 ウォーホルは最初から金髪のカツラをかぶったアーティスティックな人物、と思っていましたが、最初はちゃんとした会社人間で、就職活動している時や広告会社勤務時代の体験が、彼をポップ・アート(大衆芸術)という分野に向かわせたということに、ちょっと驚きました。彼も努力の人だったと知って、少し親しみが持てるようになりました。
 この展覧会は、ウォーホル作品展覧会の中でも最大規模だそうで、絵画だけでなく、写真や映像、再現されたシルバー・ファクトリーや生前集めていた様々な品物も展示してあり、作品が好きになれなくても興味深く見ることができました。彼のコレクションの中に、日本を観光した時買ったと思われる品々もあり、広重・写楽・歌麿の浮世絵図録や、古書店で売っていそうな複製浮世絵などが混じっていました。方法は違っていても、同じ版画の大量生産品なので関心があったのでしょう。
 彼の残した言葉に「15分間の名声―In the future,everyone will be world-famous for 15 minutes.」というのがあるのですが、皇居の二重橋を背景に連れの人たちと並んで写ってるウォーホルは、普通の外国人観光客のおじさんに見えて、それまでの異次元のアーティストというイメージが薄れ、15 minutes of fameの真意が何となくわかったような気がしました。
 ミュージアムショップには、たくさんのグッズが売っていましたが、私が気に入ったグラフィックデザイナー時代に制作したメルヘンチックなイラストを使用したグッズはなく、少々がっかりして何も買わずに帰りました。
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IMT within the JP Tower

2014-04-16 | art
Intermediatheque
丸ノ内JPタワー内にある東京大学総合博物館インターメディアテク

 2010年12月に訪問した、小石川植物園内にある東京大学総合研究博物館小石川分館が、'13年に建築ミュージアムとなってリニューアル。

 それまで展示していた医学研究標本などは、東京駅丸ノ内口からすぐの新築JPタワーKITTEの中にオープンした、学術文化総合ミュージアム・インターメディアテクに移され、無料公開されている、と聞いていたので行ってきました。
 日本郵便株式会社がリニューアルしたビルの2-3階に位置するインターメディアテク(IMT)は、近代的なビルの中にあって、そこだけ特別レトロな雰囲気の内装に仕上げてあり、床の古い木の質感と年代物の標本や棚類から醸し出される独特の空間は損なわれていませんでした。
 小石川分館では、常設展示は写真撮影OKだったのですが、IMT内では禁止なのが残念。展示スペースが広いので、標本も大きな象やキリンの実物大骨格標本やら、様々な動物のはく製やら、見応えは十分ありました。ちょうど、同じ帝大だった京都大学総合博物館からも標本コレクションが展示してあり、東西のサイエンス・アートが一度に見られました。
 5月11日まで開催の「東大医学 蘭方医学からドイツ近代医学へ」のコーナーにあった、男の頭部(↑上画像左のパンブレットに半分だけ写っている)は、江戸時代オランダのカピタンが幕府に献上した人頭解剖模型を、奥医師桂川甫周が拝見して制作させたもの(だったと思う)だそうです。この半分顔面がめくれた男の模型、西洋だったらワックス(ロウ)で作られるのだろうけれど、木製。すごい手業です。もちろん『解体新書』も陳列されています。
 2フロアを使っているので、全部をしっかり見ると結構時間がかかります。これで無料、駅から歩いてすぐの距離にあるから、時間潰しや待ち合わせにも使えそうです。
 
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ADMT at carettaShiodome

2014-04-14 | art
Ad Museum Tokyo
港区カレッタ汐留ビル内にあるアド・ミュージアム東京のエントランス

 
前々から行きたかった、アド・ミュージアム東京(ADMT)に行ってきました。

 新橋駅から地下道を歩いていくと、カレッタ汐留の入口があるので、↑ここから入場。
 ADMTの常設展示は無料なので、カウンターの受付嬢に軽く挨拶して入りました。さすが電通だけあって、展示スペースもおしゃれです。日本の広告の歴史がわかるように、年代順に陳列されていました。
 「江戸期」のコーナーに、歌舞伎役者が宣伝する広告チラシがあり、「富士やまがたに蔦」のマークが。耕書堂蔦屋重三郎が制作したチラシ発見です。年代が蔦重死後なので2代目のものですが、広告チラシまで作っていたんですね。
 テレビCMが見ることができるコーナーでは、生まれる前のモノクロ映像のCMや、カップヌードルやウォークマンなど話題になったCM映像が視聴できます。全部視聴するのは時間がかかるので興味本位で見てみた中で、市村崑監督の「歯みがき」のCMが衝撃的でした。朝の歯みがきなのに、清々しさがまるでない!
 20世紀の広告やテレビCMは、懐かしさを感じました。そうそう、あったあった!という感じで。
 現代広告は、日本だけではなく海外のものも紹介されており、スクリーンに映し出された公共広告に、啓発されました。
      月曜休館。土・日祝日は閉館時間が早いです。
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stone world 2

2013-10-18 | art
大型板状土偶
三内丸山遺跡出土

粘土で作られたこの土偶は平べったく、全長32㎝もあります。
ちょっと宇宙人ぽい土偶を作ったのは、今から約5000年ほど昔(縄文時代前期~中期)の
縄文人さん。

縄文時代といえば、縄文土器が有名。
一口に「縄の模様」といっても多種多様な縄目です。

宇宙人みたいな土偶といえば、
東京国立博物館所蔵の亀ヶ岡石器時代遺跡の遮光器土偶が思い浮かびますが、
こんなのもいます。
秋田県大館市 塚ノ下遺跡出土
身長24㎝。眼には天然アスファルトが詰めてあるので黒いです。
縄文時代後期の生まれ。

縄文時代後期(紀元前2000年~1000年頃)、様々な目的で土偶が作られていたようです。


中でも、この土偶はただモノではありません。
秋田県鹿角市大湯環状列石出土 通称「土版くん」

一見、某テレビのマスコットのような可愛らしい姿ですが、
口が1、眼が2、向かって左の穴が3、右に4、真ん中縦に5、
そして背面には3つセットの穴が2か所にあり、数を表しています。
縄文人の電卓?でしょうか、、、


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stone world 1

2013-10-16 | art
三内丸山遺跡 さんまるミュージアム展示物
やじり


縄文アクセサリー ↑石製ピアス ↓ペンダントヘッド


ヘアピンだってある

針だって使ってた


生活用品ばかりでない。
大湯ストーンサークル館展示物 子供の足型

縄文人が食べたキノコ?を模した石製きのこ


何に使われたかわからない、まん丸な石たち。
遡ること5,000~4,000年。縄文時代小物たち。
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cataloge of the exhibition QB

2012-10-29 | art



publication in conjuction with the exhibition Quay Brothers
at the MoMA,New York, aug.2012-jan.2013


 ニューヨーク近代美術館で開催中のQuay Brothersの展覧会へ行けないので、図録だけでも…と購入しました。
 展覧会のカタログといえども、さすがクエイ兄弟のものだとクオリティは高い!立派な美術本です。彼らの美術学生時代の作品や、お目にかかれないドローイングなど掲載されています。
 そんな珍しいドローイング(コラージュなどとミックスされている)作品の中に、Duet Emmoのアルバム“Or So It Seems"(1983年UK)のジャケットがありました。
 Duet Emmoは、Depeche Modeを世に送り出したMute Recordsのダニエル・ミラー社長と、WIREのメンバー、グラハム・ルイスとブルース・ギルバートのコラボレーション・バンドで、このアルバム(シングル盤も同名)自体が輸入中古盤屋さんでレア盤です。多分アートワークがブラザーズ・クエイだなんて中古盤屋さんは知らないでしょう。私も図録で初めて知りました。12inchが売りに出てましたが、、、
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quay brothers' exhibition at MoMA 2012-13

2012-10-12 | art




 ニューヨーク近代美術館では、クエイ兄弟の展覧会が2012年8月12日から2013年1月7日に亘って開催されています。
 I wanna go!!

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mandala figure ? 北斎曼画羅図

2012-05-06 | art
北斎漫画の悪玉踊りをモチーフにしたデザインのクリアファイル

 2012年は葛飾北斎生誕250周年だそうです。スミソニアンのギャラリーでも富嶽三十六景の北斎展が催されるくらいです。北斎人気は海外でも凄いです。
 最近は、日本国内でも国芳など江戸後期の絵師の人気が高まっていますが、人気の理由は、そのキャラクターの面白さにあると思います。花鳥風月や美人画(そして春画)、風景画のみならず、擬人化された動物や滑稽な人物を描かせたら、国芳親分と北斎老人の右に出る人物はいないでしょう。北斎翁も、超有名な富士山シリーズや妖怪シリーズ以外に「北斎漫画」のファンが増えているように感じます。
 滑稽で、思わずプッと笑ってしまうキュートなキャラクターは、商品のデザイン素材になりやすい―てことで、最近私はミュージアムショップを見るのが愉しみになっています。国芳親分の金魚シリーズや猫シリーズのポストイットなんか勿体無くて使えないよォ~。と嘆きながら見つけたのが、「北斎漫画クリアファイル」(税込\315)。即買いです。

 山東京伝先生の「悪玉」キャラは、人気が一人歩きして踊り方の絵が北斎によって描かれたのですが、それは北斎漫画に掲載されているのかな?全巻しっかり見ていないので、何刊目なのかも知りませんが、クリアファイルは後ろの内側の四隅に、北・斎・漫・画と薄墨色で印刷してあり、表に透けて見える洒落たデザインになっています。踊ってるおっさんは「悪」のお面を被っていないため、知らない人には宴会芸の絵かな?て思われてしまいそうです。遠目からだと曼荼羅図に見えるのがオツです。
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