メトロリンク日本橋は無料巡回バス
東京駅八重洲口‐室町‐京橋地域を10分間隔で運行
広重の住居を訪ねて京橋へ
江戸へやって来てから、地下を走る駕籠を足にしていましたが、この日は地上を行き来する乗り合い駕籠を大いに利用しました。なんせ、その駕籠代は無料なんですから。もちろん酒手も要りません。なんでも、江戸に大店を構える豪商たちが協力して、江戸の住人や旅人の足として、無料で駕籠を運営しているのだそうです。
始発は10時から。宿の近くのCOREDO室町前から駕籠に乗りました。小型バスの中には駕籠が走るルートのチラシが置いてあり、ルートの近くに点在する歴史的スポットも地図に示してありました。京橋駅と宝町駅の間にある停車場で降りて、山東京伝店を探します。首都高をくぐり、東銀座出口付近の路地を歩いてみると、小さな画廊やギャラリーが目に付きました。ひょっとして、江戸時代この界隈に京伝店や狩野派が住んでいた名残りなのかも?と胸をときめかせながら中央通りへ出て、高速道路と化した京橋川を渡ってみると京橋記念碑があり、、、
中央通りを挟んで西側に案内板がありました。
その奥には歌舞伎発祥の地と大根河岸青物市場跡の碑があります。京伝店は、あっちの方角かなぁと思って写真を撮ったのですが↓、帰郷後『絵でよむ江戸のくらし風俗大事典』(柏書房)を見ていたら、地図に場所が示してあって、上↑画像地図の現在地という赤枠の左角の上あたりにあったようです。歩いた小路の反対側でした。
再びメトロリンク日本橋に乗って、ブリジストン美術館前で降り、広重宅へ向かいます。
八重洲通りの一本東の筋を入って、きょろきょろしながら歩いていると、ビルの脇に案内板が立っていました。
ここはオフィス街の裏通り。カメラで撮影するのもちょっと恥ずかしい。完全におのぼりさん状態です。足早に停車場へ戻ります。乗合い駕籠の待ち時間はせいぜい10分かそこら。次は三井越後屋(現三越本店)へ向かいます。
途中、竹久夢二の港屋絵草紙店跡↑を通り過ぎ、日本橋を渡るときは、橋中央に埋め込まれている道路元標(橋の脇にあるレプリカはこのblogにも掲載)を見ることができて満足。越後屋からは、半蔵門の駕籠に乗って、神保町へ行きました。
神保町へ来たのは、あらかじめ調べておいた和本を購入するためです。山積みされた古書の中から、蔦重刊行の草紙や一九先輩の黄表紙など、当時のものだと10万前後の値段で手が出ませんが、一応恐る恐る手にとって見てみます。さすがに古いものは汚れて判読できない箇所があったりして、コレクター商品です。私は読むのが目的なので、復刻本を探します。お目当ての本は意外とすぐ見つかりました。
カフェの入口 さて、本を入手して丸の内三菱一号館のCafeへ行き、一九先輩の本を取り出して広重の絵をながめながら紅茶で一息つきます。ランチの時間帯や土日は列ができる、という情報だったので、平日のアフタヌーンティの時間に行ったら、すいていました。岩崎弥太郎の三菱財閥の本拠地で、カフェになっているのは旧三菱銀行。高い天井と木造カウンターがその面影を偲ばせます。値段が高くて飲食だけが目的の人には向きませんが、隣接する歴史資料館は無料ですし、明治レトロの雰囲気にひたるのにはもってこいの場所です。
丸の内側にも無料巡回バス・丸の内シャトルがあります。こちらは海外からの観光客の利用が多いようでした。メトロリンクは、文庫本を持った身軽なおじさんがふらっと乗って三越で降りたり、おばあさんが孫を連れてあやすのに使ったり、と庶民的な感じで意外でしたが、東京駅から日本橋界隈へ行くにはとても便利でした。