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TheQuayBrothersPhantomMuseums at TheMoma,Hayama part1

2016-09-30 | art
クエイ兄弟展のカタログ(本体\3000)
今回の展覧会出品作品以外の作品も掲載されています
書店やネット通販でも購入可能

 2016年7月23日から葉山の神奈川県立近代美術館で開催中の、「ザ・クエイ・ブラザーズ -ファントム・ミュージアム-」に漸く行ってきました。(最終日は10月10日です)
 神奈川県立近代美術館は御用邸で有名な葉山にあり、随分前にヤン・シュヴァンクマイエルの展覧会も開催されたことがある美術館です。その時は、交通が不便なのと、シュヴァンクマイエル展は原宿で見たことがあったので行きませんでした。
 しかし、ブラザーズ・クエイとなれば話は別です。随分昔、クエイ兄弟のアニメーションで使われた人形とセットの展示会が京都で開かれたと知った時は、開催後5年も経ってからのことで、とてもショックでした。それから十数年以上過ぎたでしょうか。もう日本で展覧会など開かないとさえ思い始めていました。ですから、天候が不順だとか交通が不便だとか言ってられません。まずは、逗子駅まで電車でgoです。
  
 逗子駅から美術館までの足は、京浜急行バスしかありません。ちょうどお昼の時刻なのに、乗客はたくさんいました。海岸沿いのルートなので遠くに江ノ島が見えます。逗子マリーナも通過して、切り通しを抜けて(切り通しなんて鎌倉の山中にあるだけかと思ってました)20分ほどで美術館前のバス停に到着。歩道沿いに掲げてあった幟、だいぶ控えめです。
  
 美術館の駐車場の奥の階段を昇ると、中庭にイサム・ノグチの「こけし」がお出迎え。
 さて、館内は撮影禁止。受付で当日券1300円を購入し、会場へ。半日余裕を取っていたので、閉館近くまでじっくり鑑賞するつもりで、説明も全て読みながら進みました。
 入るとまず、真っ白な壁にクエイ兄弟の代表作「ストリート・オブ・クロコダイル」や「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」「ギルガメッシュ」などの映像が数分ずつ連続して大写しされています。ひと回り見ても10分以内ですが、イスが用意してあったので座って観ました。でもやっぱり早くオブジェが見たかったので、「イーゴリ」はほとんど見ずに席を立ってしまいました。(時間は十分あるのですが(^-^;)
 アニメーションのワンシーンを切り取った、セットとオブジェをここでは(クエイ兄弟によって)デコールと命名されていました。途中一時停止したりしながら何度も見た映像(画面が暗くてよく見えないから。でも結局はっきり見えずよくわからず。)の印象的なシーンが、立体で目の前にあることに感動です。さすがに30年以上も経っているため、元々の質感以上に古く埃っぽくなっていましたが。
 オブジェの他に、彼らの学生時代の絵画や、影響を受けたポーランドポスターの展示。依頼を受けて制作したポスター(フライヤー程の小さいサイズだけれども)、舞台美術の写真パネル、TVコマーシャルの画像パネル等々、彼らの軌跡がこの展覧会を見れば解るようになっています。日本では到底見ることができない、アメリカのコマーシャルフィルムも一部モニターで流しています。フランスの発泡水バドワのCMが可愛かったです。
 また、「失われた解剖模型のリハーサル」のデコールは、箱を覗く窓がレンズになっており、箱の中の限られた空間に奥行きができて広く感じる効果は、遠近法や錯覚を利用する彼らならではのアイデアだと思いました。これらのデコールを覗いていたら、自動人形師ムットーニこと武藤政彦氏のからくり箱を思い出しました。(ムットーニは、音楽を奏でるし舞台も変わるし照明も変わる電動仕掛けですが)

 
コメント
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