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a Lady men-ya ningyo Ⅰ

2011-01-14 | bookshelf
***箱入娘面屋人魚(はこいりむすめめんやにんぎょう) 1***
 江戸後期のマルチ作家&絵師である山東京伝先生が、他の戯作者の挿絵を描いた本が出版規制に引っかかって処罰を受けた為京伝先生も手鎖の刑を受けた後「もう書かない!」と言っていたところを、版元の蔦重に拝み倒されて執筆したという曰く付きの作品。1791年寛政3年蔦屋版。寛政の改革後、幕府への批判的な内容はお咎めをうけるので、さすがの京伝も手鎖という不名誉なことにショックを受けた直後のせいか、政治風刺色はなく、子供のおとぎ話をベースにしたまっとうな女性や子供には読ませられないオトナの色恋世界を、当時の江戸町人の風俗を織り交ぜながらおもしろおかしく洒落かして描いています。
話は『浦島太郎』のストーリーを知らないと始まりません。思い出してください。浦島太郎は竜宮城へ招待されて乙姫様に出会います。太郎はご馳走されて玉手箱をもらってすんなり帰ったんでしょうかね?乙姫様は美人だし彼女も人間の男は初めてだろうし・・・やあね、だからオトナって汚れてる。太郎は乙姫の男妾になっていました。
人間界でも魚界でも現代でも江戸時代でも男女の関係は同じもので、付き合ってしばらくすると浦島太郎は乙姫が鼻についてきて浮気をするようになります。相手は中州の繁華街にある売春宿の茶屋女・鯉の「お鯉(り)の」。

               
鯉に恋した浦島太郎は深い中になり、お鯉のは妊娠してしまいます。人間と鯉の不倫の果てに生まれた赤ん坊は、体は魚で頭が人間という人魚。漁師に釣られれば見世物小屋に売り飛ばされるだろうから釣られないように、と祈りながら海に捨ててしまう太郎でありました。
               

あー、男って無責任。まるで『好色一代男』の世之助のようです。



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