朝、昼、夕、三食で黒パン350グラムと、朝食には飯盒のふた1杯だけの
実のないスープ、夕食には大豆のカーシャだけで命をつなぐことが人間をどん
なに餓鬼道にはしらせたことか。
頭で良識を働かせようとしても、腹のなかがいうことをきかなかった。この
寒さの中で死んでしまう。何とかできないものか。誰もがそう思った。しかし
何も要求出来なかった。無残にも体力尽き果てて入ソから次の春を待たずに、
倒れ、尊い犠牲となった六万人近い戦友の大半は、半年間に栄養失調と厳寒の
為に無念にも倒れていったと、私は想っている。こんな逆境で生死に直面する
と人は本心本能を出すものだ。最高学府で教育を受けて学歴を誇り、召集前は
社会的によい地位にあった者も、今は捕虜という自由のない集団のどん底に裸
で立たされている。
一方、小学校もやっと卒業した農漁村出身者や職人をしていた者も、同じど
ん底に裸で立たされている。
教育と別に性格や精神や意志はその人に備わっているもので、俄かにどうす
ることも出来ない。誇り高きエリートも今では顔も洗わず垢にまみれ鼻をたら
しながら、こそ泥のごとく何かを漁って歩き、道行くソ連人にパンを乞うたり、
彼らが捨てた煙草の吸殻を拾ったり、桶についている粥を指ですくって舐めた
り、パンの分配をしている傍らに近寄ってパンの切りくずが落ちると素早く拾
って食べたりする。作業中、仕事を放って一人で物探しに行ってしまったり、
服装はまったく手入れもせず破れたまま、乞食よりみすぼらしい姿で恥ずかし
いことばかりしている者が多い。
反対に学歴は大して無い者でも卑しいことはせず、身なりは清潔に、行動厳
正、集団の秩序は堅く守って己を律している。この差はどこからくるのだろう
か。前者は己を中心の考え方で、己れ一人だけ楽をし、腹を満たせば良いと考
えている独善主義者なのである。後者は他を顧みて友情厚く強調と融和の精神
を忘れない人達なのである。人間は、生死の境にたたされると真の本性が出て
来るものだ。
以上の文章は、ダンス仲間のお兄さん(84歳)がソ連の捕虜収容所での
4年間に筆舌しがたい体験、見聞などの実態を手記にした一部部分である。
生死をさまよってこられた真実の手記である。
永田議員よ。もういい加減にしたらどうか。手記にあるように貴方は独善主
義者かもしれない。この間、貴方の為にどれだけの無為の時間を、そしてどれ
だけの国費を無駄にしてきたか。生死をさまよわれた人たちのためにも独善主
義者であったはならない、このことを声を大にして叫びたい。 ウォー!
実のないスープ、夕食には大豆のカーシャだけで命をつなぐことが人間をどん
なに餓鬼道にはしらせたことか。
頭で良識を働かせようとしても、腹のなかがいうことをきかなかった。この
寒さの中で死んでしまう。何とかできないものか。誰もがそう思った。しかし
何も要求出来なかった。無残にも体力尽き果てて入ソから次の春を待たずに、
倒れ、尊い犠牲となった六万人近い戦友の大半は、半年間に栄養失調と厳寒の
為に無念にも倒れていったと、私は想っている。こんな逆境で生死に直面する
と人は本心本能を出すものだ。最高学府で教育を受けて学歴を誇り、召集前は
社会的によい地位にあった者も、今は捕虜という自由のない集団のどん底に裸
で立たされている。
一方、小学校もやっと卒業した農漁村出身者や職人をしていた者も、同じど
ん底に裸で立たされている。
教育と別に性格や精神や意志はその人に備わっているもので、俄かにどうす
ることも出来ない。誇り高きエリートも今では顔も洗わず垢にまみれ鼻をたら
しながら、こそ泥のごとく何かを漁って歩き、道行くソ連人にパンを乞うたり、
彼らが捨てた煙草の吸殻を拾ったり、桶についている粥を指ですくって舐めた
り、パンの分配をしている傍らに近寄ってパンの切りくずが落ちると素早く拾
って食べたりする。作業中、仕事を放って一人で物探しに行ってしまったり、
服装はまったく手入れもせず破れたまま、乞食よりみすぼらしい姿で恥ずかし
いことばかりしている者が多い。
反対に学歴は大して無い者でも卑しいことはせず、身なりは清潔に、行動厳
正、集団の秩序は堅く守って己を律している。この差はどこからくるのだろう
か。前者は己を中心の考え方で、己れ一人だけ楽をし、腹を満たせば良いと考
えている独善主義者なのである。後者は他を顧みて友情厚く強調と融和の精神
を忘れない人達なのである。人間は、生死の境にたたされると真の本性が出て
来るものだ。
以上の文章は、ダンス仲間のお兄さん(84歳)がソ連の捕虜収容所での
4年間に筆舌しがたい体験、見聞などの実態を手記にした一部部分である。
生死をさまよってこられた真実の手記である。
永田議員よ。もういい加減にしたらどうか。手記にあるように貴方は独善主
義者かもしれない。この間、貴方の為にどれだけの無為の時間を、そしてどれ
だけの国費を無駄にしてきたか。生死をさまよわれた人たちのためにも独善主
義者であったはならない、このことを声を大にして叫びたい。 ウォー!