人間は宇宙の自己認識器官?

2006年07月10日 | 生きる意味

 宇宙カレンダーの12月22日(3億6千2百万年前)、石炭紀に爬虫類が創発し、脳幹が創発し、衝動が創発します。

 12月23日(2億9千万年前)、ペルム紀に哺乳類の先祖である哺乳類型爬虫類が繁栄しますが、12月24日、生物の大量絶滅で古生代が終わります。

 12月25日(2億4千5百万年前)、三畳紀に、大量絶滅を免れた哺乳類型爬虫類の中から哺乳類が創発し、大脳辺縁系が創発し、情動が創発します。

 12月29日(6千5百万年前)、新生代第3紀に霊長類が創発し、大脳新皮質が発達し、シンボルが創発します。

 そして12月30日、ようやくヒト科に属する生物が創発し、前頭葉が発達し、初歩的な言葉と概念が創発します。

 12月31日(1千6百万年以降)、新生代第4紀に人類が創発し、言葉を使った思考や認識が発達していきます。

 ここまでたどってみると、今の私たちの心には、蠕虫の神経組織と感覚、魚類の神経管と知覚、爬虫類の脳幹と衝動、哺乳類の大脳辺縁系と情動、霊長類の大脳新皮質とシンボルが引き継がれており、それに前頭葉と言葉・概念が積み重ねられているということが見えてきます。

 もちろんこの積み重ねはすべて宇宙の自己複雑化です。

 その積み重ねによる進化の結果、私たち人間において何が起こっているかというと、世界・宇宙を認識するということです。

 そして人間もまた宇宙の一部ですから、人間が宇宙を認識するということは、宇宙の一部が宇宙の他の部分を認識するということです。

 ……とここまで話してから、学生たちに「いい? ここでだまされちゃダメだよ。ここが大事だからね。ここまでの論理のつながりにごまかしはないよね? 大丈夫だよね? 僕の言っていることを鵜呑みにしないで、自分でしっかり考えてみてね」といいます。

 私の考えでは、どう考えても人間において「宇宙が宇宙を認識している」というほかありません。

 とすれば、人間は宇宙の自己認識器官だということになります。

 そうだとして、宇宙は自己認識器官をたまたま=偶然創り出したのでしょうか?

 それとも、ある種の意図があって――つまり自分が自分であることを認識したくて――人間を創り出したのでしょうか?

 ここからは、各人の解釈の問題になります。

 しかし、ビッグバン以降の宇宙に自己進化の方向性があることは、もはや現代科学的には疑う余地のないことのように思えます。

 その方向性は、偶然に決まった方向性なのか、それともある種の必然性のある意図なのか?

 今の段階では、どちらの解釈も可能だと思いますが、どちらの解釈を採用すると、自分の存在をすばらしいものと捉えることができるでしょう?

 どちらの解釈が元気になれるでしょう?

 いずれにしても、選択するのはみなさんです。

 もちろん私は、宇宙には意志があって私たちを生み出したという解釈を採用しています。

 「宇宙は、私を生み出したくて137億年もかけてくれたんだ!」と思うと、自分というのはなんとすばらしい存在なんだろうと感じられるからです。



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コメント (22)
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