だから放射能・原発は危険だったんだ! 基本の基本から4

2011年05月29日 | 原発と放射能

 市川定夫先生の「自然放射能と人工放射能のちがい」を聞いて、さらに原発から漏れた〔人工〕放射能がなぜ危ないかがいっそうはっきりしてきました。

 要するに「自然放射能は体内で濃縮・蓄積されないが、人工放射能は体内で濃縮・蓄積されるから」なのだそうです。

 「自然界にも放射能はあるんです」という話はひどいウソだったようです。

 下の市川先生の話を聞いてみてください。とてもわかりやすく説得力があります。





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だから放射能・原発は危険だったんだ! 基本の基本から3

2011年05月27日 | 原発と放射能

 続けて小出裕章氏の文章を引用していきます。小出氏の文章は専門用語ばかりなので、素人にはやや読みにくいのですが、しっかりと読んでいくと、放射能はたとえわずかでも危険だということが伝わってきます。

               *
 国際放射線防護委員会(ICRP)は「生体防御機能は、低線量においてさえ、完全には効果的でないようなので、線量反応関係にしきい値を生じることはありそうにない」と述べ、放射線の被曝はそれが低線量であっても影響があることを認めています。

 ただし、そのICRPも実は「直線、しきい値なし」仮説を使っていません。ICRPは、低線量での被曝影響には線量・線量率効果係数(DDREF)と呼ぶ係数を導入して、影響を半分に値切っているのです。

 ところが、人間の被曝についてもっとも充実したデータを提供してきた広島・長崎の原爆被爆者データは……むしろ低線量になるにしたがって単位線量あたりの被曝の危険度が高くなる傾向を示しています。

 保健物理学の父と呼ばれ、ICRP委員などを歴任したK・Z・モーガンさんが、「非常に低線量の被曝では高線量での被曝に比べて一レムあたりのガン発生率が高くなることを示す信頼性のある証拠すらあり、それは超直線仮説と呼ばれる」と述べているのも、そうした証拠を踏まえているからです。

 そして、特に最近の科学の進歩によってバイスタンダー効果(被曝した細胞から隣接している細胞に被曝情報が伝えられること)、遺伝子(ゲノム)不安定性と呼ばれる継世代影響などの生物影響が発見され、低線量での被曝は高線量での被曝に比べて、単位線量あたりの危険度がむしろ高いというデータが、分子生物学的にも裏づけられてきました。
              *

 小出氏の文章は学術的権威のある(と思われる)情報源からの報告やデータに基づいており、そういう意味で信頼性は高いと考えてよさそうです。

 まず、国際放射線防護委員会」は、若干値切ってはいるけれども、放射能は「低線量だから(まったく)心配ない」とは言えないことを認めているわけです(しかし今日もまた日本の報道では「健康に影響のある量ではない」といったセリフを聞きました)。

 ところが、より強く危険を警告する説では、「むしろ低線量になるにしたがって単位線量あたりの被曝の危険度が高くなる傾向を示しています」とのことです。

 「直線・しきい値なし」仮説でさえきわめて怖いと思いますが、もしこちらのほうが正しいとしたらもっと怖い話です。

 これは、説の出所からしても無視できるようなものではありませんし、予防原則から言えばまずこうしたもっとも強く危険を警告している説から検討すべきですし、一般市民に知らせるべきではないでしょうか。

 さらに、細胞と細胞の間や遺伝子についても、「低線量での被曝は高線量での被曝に比べて、単位線量あたりの危険度がむしろ高いというデータ」があると小出氏は言っています(これについては注に説の出所が書かれていないのが残念です)。

 放射能の影響が直接被曝した本人にとどまらず、遺伝子不安定性というかたちで後の世代にまで及ぶというのが本当だとしたら(素人目にもありうることだと推測できます)、これは絶望的なほどの危険ではないでしょうか(遺伝子の自己修復能力ができるだけ大きいことを祈るしかありません)。

 最初に返ると、私たちの体の中で、ほんの数電子ボルトのエネルギーでつながっていのちを維持している分子同士の間に、数百万~数千万電子ボルトのエネルギーを持った放射能が飛び込んできてつながりを切ってしまうのですから、危険がないわけはない、たとえ微量でも、と私には思えてなりません。

 原発を推進してきた(まだ推進しようとしている)政治家や経済人や学者の諸氏は、こうした放射能についての諸説を高い危険度を指摘するものから順に――つごうのいい「だいじょうぶ」を先に鵜呑みにして「きわめて危ない」を付け足しに「聞き置く」のではなく――ちゃんとご存知なのでしょうか。

 もし知らなくて推進しているのなら、それはあまりに危険であまりに無責任です。

 頭で知っていてしかし危険の実感・危機感がないとしたら、それは致命的な危機不感症・感性が壊れているのではないか、と私には思えます。

 危機認識と危機感が欠如しているリーダーに、国民の安全・安心を任せることはできません。

 ぜひとも一日も早く危機認識と危機感をしっかりもっていただくか、さもなければ引退―交代していただきたい、と強く希望します。



隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ
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だから放射能・原発は危険だったんだ! 基本の基本から2

2011年05月23日 | 原発と放射能

 前回、「放射線が分子結合を切断・破壊するという現象は、被曝量が多いか少ないかには関係なく起こります。」というところまで紹介しました。
 続いて、次のような文章があります(ポイントを明確にするために改行、番号を加えた箇所があります)。

                   *
 被曝量が多くて、細胞が死んでしまったり、組織の機能が奪われたりすれば、やけど、嘔吐、脱毛、著しい場合には死などの急性障害が現れます。こうした障害の場合には、被曝量が少なければ症状自体が出ませんし、症状が出る最低の被曝量を「しきい値」と呼びます。

 ただ、この「しきい値」以下の被曝であっても、分子結合がダメージを受けること自体は避けられず、それが実際に人体に悪影響となって現れることを、人類は知ることになりました。
 広島・長崎に原爆が落とされ……米国は一九五〇年に、被爆者の健康影響を調べる寿命調査(LSS)を開始し、広島・長崎の近距離被爆者約五万人、遠距離被爆者約四万人、ならびに原爆炸裂時に両市にいなかった人(非被爆対象者)約三万人を囲い込んで被爆影響の調査を進めました。
 ……それらの人々を半世紀にわたって調査してきた今、五〇ミリシーベルトという被曝量に至るまで、がんや白血病になる確率が高くなることが統計学的にも明らかになってきました。

 そのため、確率的影響と呼ばれるこれらの障害については、それ以下であれば影響が生じないという「しきい値」がなく、かつどんなに低い被曝量であっても被曝量に比例した影響が出ると考えるようになりました。この考え方を「直線・しきい値なし」(LNT)仮説と呼びます。

 低レベル放射線の生物影響を長年にわたって調べてきた米国科学アカデミーの委員会は、二〇〇五年六月三〇日……一連の報告の七番目の報告を公表……一番大切な結論として、以下のように書かれています。

 「利用できる生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。被曝のリスクは低線量に至るまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。こうした仮定は「直線、しきい値なし」モデルと呼ばれる」

 それでも、原子力を推進する人たちは、「直線、しきい値なし」仮説すら認めようとせず、五〇ミリシーベルト以下の被曝領域では被曝の影響がないかのように主張しています。

 ①生物には放射線被曝で生じる傷を修復する機能が備わっている(修復効果)、

 ②あるいは放射線被曝すると免疫効果が活性化される(ホルミシス)から、量が少ない被爆の場合には安全あるいはむしろ有益だ

というような主張すらあります。
                      *

 ここで注意しておきたいのは、私たちが原発事故以降、特に政府関係者やNHKや自治体関係者から聞かされてきたのは、私の記憶では、推進派の主張だけだったということです。

 ①と②のような話は、実にあちこちで耳にしました。たぶん①や②も部分的には正しいのでしょう。

 特に生命体に修復効果=自己修復能力=自己治癒力がある程度まであるからこそ(ただし無限ではない)、これまでの原爆の実験や原発の事故などで放出され残留しているものも加えて、世界中の人が日常的に受けている――すべてが「自然界にある」と言い換えられていると思いますが――微量の放射能被曝があるにもかかわらず、ただちにすべての人に顕著な症状が出るわけではないのでしょう。

 しかし、それは「分子結合が切断されない」ということでもなければ、「危険を及ぼす可能性がゼロ」ということでもないのではないでしょうか。

 しかも、米国科学アカデミーというかなり信頼してもいい(かもしれない)機関の、長年にわたる研究の科学的結論である「被曝のリスクは低線量に至るまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。」という説を、「こういう説もある」という程度にさえ、知らされてこなかった、今でも知らされていないのではないでしょうか。

 それは、関係者が①私たち同様無知だったのか、②パニックを恐れて隠蔽したのか、③善意に解釈すればよけいな心配をしないよう心遣いをしてくれたのか、どうなのでしょうか。

 どれでもあっても、「情報操作」であることはまちがいありませんし、①なら無責任、②なら犯罪的、③ならまさによけいなお世話であり、たとえ善意であっても、一方的でない公平な情報を知る権利の侵害だ、というほかありません。

 そして、知ってみて、素人目には「どんなに低い被曝量であっても被曝量に比例した影響が出る」という説のほうが正しそうに思えました。

 さらに私は、大きな危険に対しては、起こった後で対処する「治療志向」ではなく、予めありうる危険はできるだけ避ける「予防志向」を採用すべきだ、と考えていますので、そういう意味で危険の可能性を警告してくれる「直線・しきい値なし」仮説に耳を傾けるべきだと思います。

 ともかく、「(○○以下なら)放射線は安全だ」は「原発は安全だ」という神話と同類の神話ではないかと疑われてなりません。



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だから放射能・原発は危険だったんだ! 基本の基本から1

2011年05月22日 | 原発と放射能

 ここのところ、いろいろな集まりで必ずといっていいくらい原発事故や放射能が話題になります。

 話していて、多くの方も最近までの私と同様、いろいろご存知なかったのだとわかってきました。

 それで、にわか勉強ながら、これは確実だと思えるポイントについては、しっかりとお伝えしようと努力しています。

 もちろん、「鵜呑みにしないで、自分でも調べてから判断してください。できたら、私のネタ本・資料も読んでみてください」というコメント付きです。

 いくつかの基本的ポイントについて、すでに学んでいる方には無用でも、まだご存知ない方も多いようで、知っておいていただいたほうがいいと思いますので、シェアします。

 今回はまず、もっとも基本的だと思うポイントです(小出裕章『隠される原子力 核の真実――原子力の専門家が原発に反対するわけ』より引用、改行の変更・強調は筆者)。

                  *
 なぜ、ほんのわずかなエネルギーでも、放射線に被曝すると人間が死んでしまうのかといえば、生命体を構成している分子結合のエネルギーレベルと、放射線の持つエネルギーレベルが一〇万倍も一〇〇万倍も異なっているからです。

 私たちのDNA(デオキシリボ核酸)を含めた身体、さらにはこの世のほとんどすべての物質は分子で構成されています。

 分子とは、原子が結合してできているものですが、お互いが結びつくために使われているエネルギーは数電子ボルト程度です。しかし、放射線のエネルギーは,数十万から数百万、場合によっては数千万電子ボルトに達します。

 そのようなものが、身体に飛び込んでくれば、DNAを含め多数の分子の結合が切断されてしまいます。……

 放射線が分子結合を切断・破壊するという現象は、被曝量が多いか少ないかには関係なく起こります。
                   *

 この文章によって、私は放射線の危険性を「電撃的に了解した」という感じでした。

 身体が分子の結合によって成り立っていることは議論の余地がない(でしょう)。

 放射線のエネルギー量が分子結合のエネルギー量よりもはるかに大きいことも疑いの余地がない(でしょう)。

 だとしたら、「そのようなものが、身体に飛び込んでくれば、DNAを含め多数の分子の結合が切断されてしまいます。」というのも、まちがいなさそうです。

 身体・生命体の分子結合が切断されることは、多かれ少なかれ、生命に危険をもたらすことも確かそうだ、というのが私の判断ですが、読者のみなさんはどうお考えでしょうか。

 そして、もし「放射線が分子結合を切断・破壊するという現象は、被曝量が多いか少ないかには関係なく起こります。」というのが正しいとすれば、フクシマ以降、私たちは恐ろしいほど危険な状態に置かれているのかもしれません。

 放射線量=被曝量が少ないので、「(ただちに)健康に被害をもたらす量ではない」という報道ははたして信用していいのだろうか、根本的に疑問に思わされる文章がこの後に続きますが、それは次回、ご紹介したいと思っています。



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『大乗仏教の深層心理学』新装重版

2011年05月19日 | 広報

 長い間品切れになっていた拙著『大乗仏教の深層心理学』が新装重版で再刊されることになりました。今月23日配本予定です。

 新装重版に際して次のようなあとがきを書きました。

                 *

 新装版によせて

 東日本大震災から一ヶ月という状況の中、お知らせがあり、新装版として刊行していただけることになった。品切れで読者に不便をおかけしていたので、とても喜んでいる。

 初版は一九九九年だから、振り返れば暦が一巡りしたことになる。

 この間大きく変わったことの一つは、筆者も呼びかけ人の一人となり多数の賛同者を得て、二〇〇九年十二月、「日本仏教心理学会」が設立されたことである。刊行当時、アカデミックな世界では仏教と心理学の「対話」や「比較研究」はありえても「統合」はありえないという空気が漂っていたが、いまや相当数の両分野の専門家がその方向に向いつつある。それは、現代人の心の癒し・救い・成長・変容は仏教・東洋だけでも心理学・西洋だけでも実現できない、両者の英知の統合にこそ可能性があるという気づきがアカデミズムにも広がりつつあることの現われと捉えてまちがいないだろう。

 もう一つそれと重なり、近代的な自我意識とそれに基づく社会システムの限界が明確になったことである。とりわけ地震―津波の激甚被害、中でも原発事故は、「人間は近代的な理性・科学・技術によって自然を人間の都合に沿うようコントロールし無限の経済的成長を遂げていくことができる」という思い込みの不可能性を、悲惨なかたちで目に見えるものにした。日本人は大自然への畏怖と畏敬の念をみごとなまでに忘れ切っていたのではないか。

 近代的自我と社会システムは不可分な相互関係にあり、両者が共に超えられることなしには、現代社会の諸問題が根本的に解決されることはないと、長年、筆者は主張してきた。
 本書も「仏教書」というより、近代的意識を超えてその先に進むための決定的に重要なヒントとして、大乗仏教の深層心理学ともいうべき唯識――その代表的古典である『摂大乗論』を読み解くことを試みた、いわば「思想の書」であり、そういう意味で、この状況の中で再刊される意味は大きいと自分では思っているが、もちろん評価は読者に委ねたい。

  二〇一一年四月
                                 著 者

                 *


 お待ちいただいていた読者のみなさん、ほんとうにお待たせしました。どうぞお買い求めください。下の画面から予約もできます。



大乗仏教の深層心理学 『摂大乗論』を読む
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原子力神話からの解放

2011年05月18日 | 原発と放射能

 ここのところ、原発の資料を読むことにかなり集中しています。

 40年以上前の学生時代から名前は知っており、気になりながら、私にとってまだそのテーマに取りかかる時期ではないと思って読まないままで来た、高木仁三郎さん(1938年生れ-2000年10月没)の本を読み始めました(いまさらながら……もっと早く読んでおいたらよかった!)。

 高木さんは知る人ぞ知る、世界一級の原子力研究者であり、脱原発運動の学問的支柱ともいうべき人でした。

 亡くなる2ヶ月前に『原子力神話からの解放――日本を滅ぼす9つの呪縛』という最後の著書を出しておられました。

 私は、カッパブックス版を図書館で借りて読み、手元に置いておきたいと思ったのですが、残念なことに絶版になっていました。幸い、今月末、文庫本になって再刊されるとのことで、早速予約注文したところです。

 内容目次は以下のとおりで、私たちがいつの間にか信じ込まされていた「神話」の呪縛からみごとに解放してくれます。

 原発賛成の方も反対の方も、一度は読んでおくといい必読文献の1つだと思います。


 第1章 原子力発電の本質と困難さ
 第2章 「原子力は無限のエネルギー源」という神話
 第3章 「原子力は石油危機を克服する」という神話
 第4章 「原子力の平和利用」という神話
 第5章 「原子力は安全」という神話
 第6章 「原子力は安い電力を提供する」という神話
 第7章 「原発は地域振興に寄与する」という神話
 第8章 「原子力はクリーンなエネルギー」という神話
 第9章 「核燃料はリサイクルできる」という神話
 第10章 「日本の原子力技術は優秀」という神話
 第11章 原子力問題の現在とこれから



原子力神話からの解放 日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社+α文庫)
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 なお、これも知る人ぞ知る、1995年にすでに出されていた警告の論文「核施設と非常事態――地震対策の検証を中心に――」が公開されています。
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脱原発についてあれこれ

2011年05月17日 | 原発と放射能

 続けて、「持続可能な国づくりの会」のブログに記事を書いています。ぜひ、お読みください。


 11日:「脱原発へ向う「空気」?」

 13日:「いいニュースと悪いニュース」

 15日:「「空気」は再生可能エネルギーへ、しかし」

 16日:「政治に関心・関わりを!」

 17日:「スウェーデンは段階的脱原発の方針に変更なし」



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知れば知るほど原発はあまりにも危険

2011年05月11日 | 原発と放射能

ここのところ、持続可能な国づくりの会のブログ記事を書くことに時間を使っていて、こちらをあまり更新できていませんが、今はそちらに集中したい・したほうがいいと思っていますので、よろしければ、ぜひ、ご覧いただきたいと思います。

 いのちを守ること、いのちの意味を実現すること、持続可能な国をつくり、持続可能な世界をつくること、すべて1つにつながったことですから。


 9日は「市民運動を含んで超える必要?」


 10日は「『原子炉時限爆弾』の信憑性の確認 続々」



 それにしても、知れば知るほど原発はあまりにも危険です。


完全シミュレーション 原発事故の恐怖 (風媒社ブックレット)
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もんじゅ事故の行きつく先は? (岩波ブックレット (No.401))
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持続可能な国・持続不可能な原発

2011年05月08日 | 原発と放射能



 ベランダの月見草が2輪ずつ咲くようになりました。日本の初夏の夕暮れの風情です。

 なんとしてでも、こういう平和な風情がいつまでも続く日本にしたいと思います。

 また、がんばって持続可能な国づくりの会のブログに2つの記事を書きましたので、ぜひ、そちらで読んでみてください。


 『原子炉時限爆弾』の信憑性の確認 続


 なぜ持続可能な「社会」ではなく持続可能な「国」づくりなのか

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浜岡原発、当面、最悪の事態だけは回避?

2011年05月06日 | 原発と放射能

 以下、持続可能な国づくりの会のブログ記事を転載します。


 運営委員長の岡野です。


 昨日の海江田大臣の浜岡原発視察の後、ほとんど期待していなかったのですが、うれしい予想外のニュースで、先ほど、菅総理が会見を行ない、浜岡の原発すべてを停止するよう要請するとのことです。

 言うまでもなく、停止しても完全に安心ではありませんが、それでも稼働中よりはましです。

 とりあえず、最悪の事態は避けられる可能性が出てきました。よかったですね。ずっと脱原発運動をしてきた親しい方からも、ひとまずよかったですねと連絡がありました。

 これは、最近の菅総理の言動の中でもっとも評価できるものだと思います。私も、少しだけ見直しました。俗に言うと、これで菅さん、やっと株が上がりそうですね。

 しかし、完全な安全対策が取られるまでの停止ということですから、まだ先があります。廃炉にまで漕ぎつけなければ、本格的に安心ではないと思われます。

 今日も、いろいろネット検索―学習をしていたところでした。すでにご存知の方も多いと思いますが、念のため、ご紹介します。


「浜岡原発が危険です」

「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文)2005年2月23日

「ここがヘンだよ中部電力!~石橋教授の大反論」

「東北地方太平洋沖地震を踏まえた浜岡原子力発電所の対応」(中部電力HPより)


 さらに、できる発言、行動を続けたいと思っています。

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『原子炉時限爆弾』の信憑性の確認

2011年05月06日 | 原発と放射能

 昨日、持続可能な国づくりの会のブログに書いた記事を、以下転載します。

 
 前々回の記事でご紹介した広瀬隆『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)をきっかけに、なぜ筆者があえて鉄則を破って即断即決的に原発の問題が緊急事態にあると判断して記事を書いたか、その理由についてある程度述べました。

 加えて、著者の「そこで、読者はだまされたと思って、一度この話を最後まで聞いて、それから私の話を充分に疑っていただきたい。自ら調べられることばかりであるから、自らの手で調べて事実を確認し、考え始めていただきたい。そして否定するなら否定していただきたい。」(6頁)といった言葉も信用できると感じた理由の一つでした。

 そして、その後急いで、京都大学原子炉実験所の小出裕章氏の『隠される原子力 核の真実――原子力の専門家が原発に反対するわけ』(創史社、八月書館発売)、地震学者の石橋克彦氏の『大地動乱の時代――地震学者は警告する』(岩波新書、1994年)、田中三彦氏の『原発はなぜ危険か――元設計技師の証言』(岩波新書、1990年)などを読んでみました(田中氏のはなんと21年ぶりの再読)。

隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ
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大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書)
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原発はなぜ危険か―元設計技師の証言 (岩波新書)
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 さらに、念のため政府の地震調査研究推進本部のHPも見てみました。

 これからも自分の手で調べていくつもりですが、この段階ですでに、少なくとも例えば以下のような広瀬隆氏の警告は、表現はセンセーショナル(扇情的)――というより、行動へと駆り立てるという意味でアジテーション的――であっても、内容はきわめて妥当だという確証を得ました。


 いよいよ迫る東海大地震と、予期される浜岡原発震災
 日本列島のちょうどど真ん中、静岡県の駿河湾に面した御前崎というところに、トヨタ自動車などの名古屋経済圏のために建設された、中部電力の原子力発電所がある。この浜岡原発には現在、三基の原子炉が稼働している……。
 その運転開始からわずか五ヶ月後の八月二三日に、当時東京大学医学部助手だった石橋克彦氏が地震予知連絡会で「駿河湾でマグニチュード八クラスの巨大地震が起こる」と、東海地震説に基づく重大な警告を発した。マグニチュード八・〇とは、一〇万人を超える死者を出した関東大震災(地震名・関東地震)の、さらに一・四倍の破壊力をもった大地震ということになる……。
 一二〇年ほど前の一八九一年(明治二四年)に、ここ浜岡の北西部、岐阜県一帯を震源として起こった濃尾地震が、ちょうどマグニチュード八・〇であった。これが、内陸で発生した直下型地震として我が国で史上最大の地震である。……私たちの記憶にある大震災では、阪神高速道路ひっくり返し、神戸市を一瞬で火の海の廃虚にした、あの阪神大震災(地震名・兵庫県南部地震)がマグニチュード七・三であったから、その一一・二倍という猛烈な破壊力が、マグニチュード八・〇である。これほどの大地震になると、今生きている私たち日本人には、誰一人まだ体験がないので、想像することができない
 つまり、石橋説は、それまで漠然と、浜岡原発の沖にある遠州灘で大地震が起こるという日本の地震学の観念を打ち壊して、浜岡原発の至近の距離にある駿河湾の境界断層が大地震を引き起こす原因である、として重大な警戒を呼びかける衝撃的なものであった。
 こうして、石橋氏の警告は、後年に確立されるプレート運動の理論によってその正しさが、次々と実証されてきた。ところが、その警告が発せられて以来すでにこの三四年間にわたって、浜岡原発はこのとてつもない巨大地震の危険性と同居しながら、綱渡りの原子炉運転を続けてきた。石橋は東京大学理学部で地球物理学科を学んだ屈指の地震学者であり、神戸大学の教授として、浜岡原発の危険性を裁判で訴え続けてきた。
 石橋氏だけではなく、遠くの地震学者、地質学者、変動地形学者が、浜岡にある原発は、いつ末期的な大事故を起こすかもしれないと、警告を発している。二〇〇四年には、浜岡原発を止めるために起こされた「原発震災を防ぐ全国署名」の賛同人に、京セラ創業者の稲盛和夫氏が名を連ねた。「東海地震が今後三〇年間に起こる確率は八七%」というのが、政府の地震調査研究推進本部の判断である。これは、三〇年後に起こるということではない。三〇年後かそれとも明日か、確率は発生時期を教えてくれない。しかし八七%なのだから、必ず起こる、ということが断言できる。
 なぜなら、石橋の予言的警告には、確たる根拠があった。私たちが乗っている地球の表面が、プレートという岩盤でできていて、それが毎日少しずつではあるが、動いているからである。……(28~30頁)

 浜岡原発に危機感を持つ人たちが、そのおそれを確信しているのは、【図8】のように、日本の太平洋側では、巨大地震の「東海地震」と「南海地震」がほぼ一〇〇年から二五〇年の間隔で、必ず周期的に起こってきた歴史が必然性を知っているからである。(32頁)





*政府の地震調査研究推進本部のHPの静岡県の頁を見ると、「想定東海地震」はマグニチュード8、87%(参考値)となっており、「全国地震動予測地図」の更新について(平成22 年5月20 日)、12頁の「表2 都道府県庁所在地の市役所(東京は都庁)及び北海道の総合振興局・振興局庁舎付近において、今後30 年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を見ると、静岡は89.8%でした。


 ニュースで、今日(5日)、海江田経済産業大臣が浜岡原発を視察したといっていました。彼が緊急性を理解して適切な判断―対処をしてくれることを切に祈りますが、率直に言えばあまり期待はできないと思っています。ともかく、結果を見ていきましょう。


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