明るい日と重い日

2007年06月25日 | 歴史教育

 おとといは、サングラハの関係者で、コスモス・セラピーのインストラクター資格を取得している若者の結婚式でした。

 二人は、長い長いそして誠実な付き合いの末の結婚でした。

 花嫁さんは清楚なマリア・ヴェールがよく似合ってほんとうにきれいでした。

 一番最初のスピーチをさせてもらいましたが、メッセージは「かけがえのない存在になりあうこと」でした。

 それぞれが137億年の歴史を担っていのちを与えられ、出会いを与えられて、繰り返しのきかない有限な人生で、愛を深め、無条件にかけがえのない存在になっていくチャンスを与えられた、というのが結婚ということだと思うのです。

 彼らはきっとそうなってくれる、と信じられるしとても楽しみにできるカップルです。

 親しい若者たちが幸せになっていくのを見させてもらえるのは、前の世代としてとても幸せなことです。

 心からおめでとう!

 二次会では、H大やM大の教え子、サングラハの仲間たちと、楽しく語り合いました。

 いい一日でした。

 かみさんと心から「いい結婚式だったね」と語り合いました。


 昨日は、おとといの結婚式で心は明るくてやや余裕があり、体のほうは少し疲れていたので、久しぶりにほとんど仕事をせず、ビデオに録ったままになっていた『男たちの大和』を見ました。

 小さい頃聞かされた太平洋戦争―大東亜戦争に従軍した方の体験談や、特に原爆映画の体験などが、私の思想的探究の原点になっているので、これは見るとまたとても重いものを感じるだろうと予想していて、なかなか見る気になれなかったのですが、ようやく見たわけです。

 予想どおり、簡単に言葉にすることのできない、重いものを感じました。

 ただ、今一言だけ言うとすると、「指導者が愚かか賢いかが無数の国民の幸不幸を決めてしまう」という思いが改めて強く強く湧いてきたことです。

 若い兵たちの心の美しさと、彼らの心の美しさをもっと生産的に活かすことのできなかった指導者たちの愚かさ……

 美化-理想化しないように気をつけているのですが、それにしても近代スウェーデンの指導者たちの賢さと比較してしまいます。この差はなんだろう?……と。



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目の前がパァッと明るくなるのを感じた

2007年06月24日 | 生きる意味

 5月10日の記事に以下のように書きました。

                      *

 言われてみるとみんな「当たり前」と思うようなことばかりなのですが、当たり前すぎて気づいていないということがあるのです。

 当たり前でありながら気づいていないことに気づいていくと、少しずつ世界観・コスモロジーが肯定的に変化していきます。

 コスモロジー教育の重要なポイントの1つが、当たり前のことに「気づく」お手伝いをするということです。

 この続きは後日書くことにして、ネット受講生のみなさんも、よかったら考えてみてください。

                       *

 以下のレポート(3年生女子)でも報告してくれているように、私たちは自分のいのちの基本的な条件でありながら、気づいていない、忘れていることがいろいろありますが、それに気づくと、私たちの心は、大きく、肯定的に変化します(統計的にいえば変化する人が非常に多い)。

 授業では、すでに宇宙カレンダーの全体が終わり、これから採点対象になるレポートを書いてもらうのですが、その前に途中段階ですでに大きく変化しつつあることがうかがわれる感想文を紹介しておきたくなりました。

 彼女は、授業を受けて「目の前がパァッと明るくなるのを感じた」と表現してくれました。

 今年度も、こういうすばらしい感想を書いてくれた学生がたくさんいます。これからもっと感動的なレポートを読ませてもらえるのではないか、ととても期待しているところです。

                       *             

 今回の授業でそれなしでは生きられないもの、人間の生存の基本的な条件を学んだ。水、空気、食物などはすぐに思いついたが、私たち今を生きる人間の原点である親・先祖はなかなか思いつかなかった。先祖や親がいなければ今の私たちはいないのに、忘れてしまっていた。10代前の先祖は1024人もおり、ずっと続いてきた先祖たちからの愛情の連鎖があったから私がいる。つまり、先祖の愛情の結晶が私たちなのだと学んだ。事実として愛されていない人間なんていないという言葉を聞いた時に目の前がパァッと明るくなるのを感じた。私は一人ではない。たくさんの愛情によって存在しているのだと感じることができた。

 次に、私たちに無償、無条件で与えてくれている空気や水の偉大さを学んだ。
 空気は胎児のころから死ぬまで24時間無休で私たちが生きていることを支えてくれている。水は飲むと細胞の一部となり、人間は水との交流の中で生きているといえる。私ではなかったものが私となって私を支えてくれている。あたり前すぎて気付くことができなかったが常に私のそばにいてくれた水や空気の存在。感謝しなければならないと強く感じた。大自然が私を愛してくれているのだから。

 食物の存在もかかせない。人間は自家発電ができないので植物や動物からエネルギーをもらっている。動物は植物からエネルギーをもらい、植物は光合成を行うことによって太陽エネルギーで生きている。太陽エネルギーは無差別・平等である。つまり太陽エネルギーは私たち全てのものを生かしてくれている命の源なのだ。だから昔の人は太陽を神として扱った。太陽は全てのものの母であり、私たち人間は太陽の子なのだと学んだ。

 また、私たちが今立っている大地・地球があるから私たちは存在している。地球は太陽系にあり、太陽系は天の川銀河の中にある。天の川銀河は宇宙に存在している。遠い存在だと思っていた宇宙と私たちはつながっており、宇宙が私たちの存在を肯定してくれている。ちっぽけな自分が存在していることは本当はすごいことなのだと思える。

 クォリティ・オブ・ライフ。人生を豊かにする考え方を学んだ。最初の授業でおっしゃっていた「この授業を受けると人生観が変わる」という意味が分かってきた。事実として愛されていない、何からも支援されていない人間はいない。そう思うと力がわいてくる。私たちはたくさんのものに支えられて生きている。決して一人じゃないのだと思える。存在することは肯定されることであり、一番スケールが大きいのは、宇宙が私を肯定してくれていることだ。宇宙があるから生きられる。もっと宇宙について知りたくなった。

 また、以前と変わったことがある。それは日常の中にたくさんの愛を感じられるようになったことだ。本当に心が豊かになる。自分も誰かに、何かに愛を伝えたくなってくる。私のまわりにあるのは尊い存在ばかりだからだ。


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オープンカレッジ 第23期講座案内

2007年06月24日 | 心の教育

 みなさんのご支持・ご支援のおかげで、サングラハ・オープンカレッジの学び・歩みはさらに一歩、一歩と進んでいます。心からお礼申し上げます。
第23期は、都合により2ヶ月という短い期間になりました。第22期から継続のコスモス・セラピーに加え、「スウェーデン・モデル」(集団の外面の象限について)、「正法眼蔵」(個の内面象限について)の短期集中講座を行ないます。
 従来、講座は東京に集中していましたが、ミーティング・ルームの開設に伴い、藤沢でも木曜日の夜講座を行なっています。神奈川県方面の方、どうぞご参加ください。
 今年度前半は主幹のスケジュールが多忙なため、まだ日程は未定ですが、1日、1泊2日のワークショップもできるだけ行なっていきたいと思っています。決まり次第、HPやサングラハ誌でお知らせします。


火曜講座「スウェーデンから学ぶこと――向かうべき未来のモデルとして」

                  於ヒューマン・ギルド(東西線神楽坂徒歩5分)
                  6/5, 19 7/3, 17 18:45-20:45 火曜日全4回


 異常気象・温暖化など、環境問題が目に見えるかたちで深刻化している中、スウェーデンは国を挙げて「エコロジカルに持続可能な社会」に向かって着実な歩を進めています。それは、日本など高度な産業社会になっている「先進諸国」にとって、「貧しかったけれども自然は豊かだった」時代への後戻りというほとんど不可能な理想ではなく、高度な産業社会を前提にした高度な「福祉国家」をベースにして「緑の福祉国家」へと前進するための、きわめて現実的で有望な「モデル」だと思われます。
 関係者のみなさんとぜひ共有したく、研究所主幹がここのところ集中的に学んだことの現時点でのまとめを行ないます。

*必要・可能な範囲でレジュメをお配りし、参考図書を随時ご紹介していきます。



木曜講座「コスモス・セラピー」(第22期より継続)

                  於サングラハ藤沢ミーティングルーム(JR、小田急藤沢徒歩3分)
                  4/5, 19 5/17 6/7, 21 7/5, 19 18:45-20:45 木曜日全7回


 なぜ生きているのか? なぜ楽しい時、幸せな時だけでなく、苦しい時、不幸な時にも生きなければならないのか? 現代の教育や身心の癒しの現場で問われている根源的な問いにどう答えればいいでしょう。それは、専門家だけの問題ではなく、子どもたちの真剣な問いに直面する大人すべての課題でもあります。
 この大きな問いへの答えの決定的なヒントを与えてくれるものとして、前期はフランクルのロゴセラピーと当研究所のオリジナル・プログラムであるコスモス・セラピーを紹介しました。今期藤沢では、引き続きコスモス・セラピーのよりくわしいコースを行います。

テキスト:『生きる自信の心理学』(PHP新書)
サブテキスト:『サングラハ』第73、79、85~7号
*どちらもミーティング・ルームでお頒けすることができます。


金曜講座「『正法眼蔵』を読む」 
                  於 不二禅堂(小田急線参宮橋徒歩5分)
                  6/15, 29 7/13, 27 18:30-20:30 金曜日全4回


 中級講座では、唯識と禅の古典を織り交ぜながら学んでいます。今期は、2ヶ月4回の短い期間なので、道元『正法眼蔵』の「看経(かんきん)」の巻一巻のみ集中的に学ぶことにしました。この巻は京都・宇治興聖寺時代、いくつもの巻が精力的に書かれた頃のもので、最終的には言葉で表現できない世界を言葉で表現した「お経」を読むとはどういうことかについて、禅的な理解が鮮やかに展開されています。
 初心の方も中・上級の方にも参考になるように、わかりやすくしかしポイントを押さえて解説していきます。
 なお講義の前に30分程度の坐禅を行ないますので、坐禅のできる服装をご用意下さい。
テキスト:コピーを配布します。


●受講料は、一回当たり、一般3、5千円、会員3千円、専業主婦・無職・フリーター2千円、学生1千円 それぞれに×回数分です。
都合で毎回出席が難しい方は、単発受講も可能です。

●申し込み、問い合わせは サングラハ教育・心理研究所・岡野へ、E-mail: okano@smgrh. gr. jp または Fax0466-86-1824で。
 住所・氏名・年齢・性別・職業・電話番号・メールアドレス(できるだけ自宅・携帯とも)を明記してください。

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奥入瀬・十和田湖の風景2

2007年06月22日 | 生きる意味

 昨日の大学の授業、藤沢のコスモス・セラピーの講座が終わり、今日は久しぶりにのんびり……するつもりでしたが、次の講演のレジュメの作成や明日の結婚式のスピーチの原稿を書くので、そこそこの用事はやはりありました。

 記事更新とシェアの意味をかねて、青森で撮れたすばらしい風景の写真を掲載します。
















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奥入瀬・十和田湖の風景1

2007年06月17日 | 生きる意味

 ネット受講生のみなさん、すっかりご無沙汰をして申し訳ありませんでした。久しぶりの記事更新です。

 「東奔西走」がようやく少し――少しですが――一段落しました。

 先日、青森の大学に集中講義に行ったついでに、また奥入瀬・十和田湖を訪ねました。

 今回もほんとうに美しい風景に出会うことができました。

 そのごく一部を写真でシェアします。














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宇宙と自分の存在理由

2007年06月01日 | 心の教育
 これから羽田を経って青森の大学の集中授業にむかいます。

 コスモロジーの授業です。


 「宇宙がなんであるかを知らぬ者は、自分がどこにいるかを知らない。宇宙がなんのために存在しているかを知らぬ者は、自分がなんであるかを知らず、宇宙がなんであるかををもしらない。しかるにこのような問題を一つでも等閑に付していた者は、自分がなんのために存在するかいえないであろう。…」(『自省録』8・52)


 今回も、受講してくれる学生たちは、自分が宇宙の中で存在していることの意味をしっかりと認識し、実感し始めるだろうと楽しみにしています。



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