2021年4月〜7月講座案内

2021年03月20日 | 広報

  講座案内

 

●ようやくワクチン接種は始まりましたが、まだコロナウィルス感染症の本格的終息の見通しはなかなか立たず、さらにしばらく忍辱の時が続きそうですが、厳しい状況にある今こそ、ハウツー的な知恵ではなく、どう考えどう生き死にするか、根源的な智慧を学ぶことが必要なのだと思われます。

 東京も高松もまさにそうした智慧=般若の学びを持続しています。ご一緒に学びを進めていきましょう。

 東京は、感染者数の下げ止まりでまだ終息の見通しが立ちませんので、引き続きリモート講座です。

 リモートですから、幸い日本全国どこにお住まいの方も参加していただけます。これまで、距離的に参加が難しかったみなさん、この機会にぜひご参加下さい。

 高松については、香川県は感染がやや少なくなってきていますが、まだ続いていますので、状況の推移を見ながら対応していきます(状況次第でDVD代用とすることがあります。予めご了承ください)。

 

【リモート講座】「『仁王般若経』全講義」 第四期

 

 護国の経典とされてきた『仁王般若経』の「護国」は、単に現状の権力と秩序を護持し自国中心主義的に国益を護持することを正当化するものではありません。

 菩薩的指導者が空=一如の智慧・般若から生まれる慈悲・仁を基に、生きとし生けるもの・衆生すべてが幸せであるような仏国土の実現を目指せば――当然ながら指導者と人々の間に信頼と連帯が生まれ――どんな危機にあっても国を護ることができると説く、大乗仏教の指導者論・政治論です。

 古代日本の指導者たちが高い国家理想を抱き、時代の制約はあるにせよ精一杯の努力をしていたことを知ることは、現代の日本人にとって、右左の対立を統合した揺るぎないアイデンティティの再発見・再確立の基礎になり、日本の向かうべき未来への大きな指針になると思われます。危機の時代であるからこそ、今この経典を学ぶ意義があると感じ講義を始めましたが、進むにつれいっそうその感を深くしています。

 途中からでも学んでいただく価値が十分ありますし、これまでの講義をDVDまたはCDで学ぶことも可能です。

 

▼講師:研究所主幹・岡野守也▼テキスト:随時送付。▼時間:13時〜17時▼参加費:一般1万4千円、会員1万2千円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方8千円、学生2千円

 

 5月29日、7月31日 (2回)

 

【高松】水曜講座「『正法眼蔵』とやさしい瞑想によるやすらぎの時間 続」

 

 やさしい瞑想と道元禅師『正法眼蔵』の学びを続けています。

 悩みの多い日常を離れ、深いやすらぎを感じることのできる時間です。

 

▼講師:研究所主幹・岡野守也▼テキスト:随時配布。▼時間:19時半〜21時▼参加費:一般7千5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方6千円、学生3千円

▼会場:サンポートホール高松会議室

 

 4月28日 5月19日 6月16日(3回)

 

【高松】日曜講座「般若経典を学ぶ 続」

 

 最短の『般若心経』から最長の『大般若経』六百巻までさまざまな「般若経典」は、飛鳥以来、日本人の心を深いところで育み支えてきたもので、その教えは現代の日本人にとっても大きな意味があります。

 短い瞑想も合わせて、『金剛般若経』を学んでいきます。

 

▼講師:研究所主幹▼テキスト:随時配布。

▼時間:13時半―16時半▼参加費:一般1万5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方7千5百円、学生3千円

▼会場:サンポートホール高松会議室

 

 4月18日 5月9日 6月27日(3回)

 

⁂上記の講座は一回分「コスモロジーセラピー」講座に変更することがあります。予めご了承の上、お申込み下さい。

 

○受講申込方法(各講座共通)

 氏名、住所、連絡用の電話番号、メールアドレスを明記して、研究所あて

FAX087‐899‐8178、メール okano*smgrh.gr.jp(*を@に換えてください) またはHPのフォームでお申込みください。

 

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日本再生は可能なのだろうか? 再録

2021年03月12日 | 持続可能な社会

 昨日は東日本大震災から10年の節目でした。

 ここのところ何人もの方から、「最近の危機的状況について、どう考えているんですか」とコメントを求められていることも併せて、一言書いておこうと思いました。

 といっても、筆者はこれまで繰り返し基本的には同じことを言ってきましたので、新しい話はありません。

 3・11の震災の後、6月に『日本再生の指針』(太陽出版)という本を出し、そこでまさにこれが震災後の日本再生の指針だと考えていることについて述べました。

 ゲラ刷りの段階で、元国立環境研究所所長の大井玄先生に読んでいただいて、光栄なことに「本書は、私がこれまでに見てきたものの中で、本当の『日本再生』に向けたもっとも的を射た指針である。」という推薦の言葉をいただきました。

 にもかかわらず残念ながら、これまでそれほど多くの読者に読んでいただくことはできていませんが、筆者としては、10年前にも「今こそ読んでほしい・読む必要のあること」を書いたつもりでしたし、今も変わらずそう思っています。

 そこで、10年経った今、新しい文章を書くより、もう一度「はじめに」を掲載して、読んでいただいたほうがいいと考えました。




 『日本再生の指針――聖徳太子『十七条憲法』と「緑の福祉国家」』 はじめに

 三・一一の大地震―津波―原発事故以前も、これから日本はどうなるのだろう、どうしたらいいのだろう、自分には何ができるのだろう、と不安・とまどい・問いをもっていた心ある市民・国民はたくさんいたのだと思う。しかし、とはいってもとりあえずしばらくは何とかこの日常が続くだろう・続いてほしいと思ってきたのではないだろうか。大震災以降も、被災地以外では元どおりの日常が戻ってきているかのような空気(実は錯覚だと思う)もある。

 しかし少していねいに情報を収集―分析していれば、このままでは日本という国が衰退―崩壊していく可能性は決して小さくないことに深い危惧の念を抱くことになったのではないか。それは、真実を知れば知るほど絶望に近い恐怖にまでに高まるはずだ、と筆者は考えている。

 リーマン・ショック、ドバイ・ショックの後、景気の低迷、政治の混迷は続いていて、三・一一以前も、実は日本の政治・経済・社会システムはそのままでは続かない、つまり持続不可能であることは、わかる人にはわかっていたのではないだろうか。自然資源の大量使用―大量生産―大量消費―大量廃棄―自然環境の大規模汚染・荒廃という近代の産業・社会システムがエコロジカル(生態学的)に持続不可能であることは、すでに多くの識者が指摘してきたとおりである。

 大地震―津波―原発事故、とりわけ放射能による環境汚染は、日本という国のそういう持続不可能性をあまりにも悲惨で明らかなかたちで私たちの目に突きつけたのだ、と筆者は解している。今までどおりではもうやっていけないのだ、と。

 震災以前から筆者は、日本をいかにしてすべての国民が安心・安全に暮らせる「持続可能な国」にするか、その道筋・大筋を明らかにするための探究を行なってきた。自分で言うのもなんだが、いわば「渾身の力を注いで」きた。本書は、その成果の主要なしかし一部である。

 日本という国の原点・出発点は日本初の憲法つまり国のかたちである聖徳太子「十七条憲法」にある。そこには、日本がどうすれば人間と人間の平和と自然と人間の調和に満ちた永続しうる国になれるか、国家建設の理念・理想と実現のための基本的方法が示されていた。

 しかしそれはもちろん古代のものであるから、現代に適用するには現代の産業・経済・政治・社会システムを具体的にどうするかのビジョンを加える必要がある。そして、国際自然保護連盟やOECDなど信頼しうる諸機関の国際的評価を見れば、「持続可能な国づくり」を計画的に着々と進めていて世界の先頭を切っているのがスウェーデンであることは定評だと言っていい。

 ならば、「十七条憲法」の「和の国・日本」という原点からスウェーデンの「エコロジカルに持続可能な国家・緑の福祉国家」というモデルの到達点へ、いわばぐいと直線を引けば、その延長線上に、これからの日本をどう再生・復興し、持続可能な国にしていくか方向が明らかになるはずである。本書は、そのことを七回にわたって述べた講義録である。

 元の講義および雑誌連載は、三・一一以前のものなので、原発のこと、復興のためのアイデアなどは十分書き込まれていない。しかしそれらをも含む「日本再生」の大筋を示す指針としてはこれで十分だと思う。そして、確かに絶望に近い状況ではあるが、こうした指針に沿って日本人が本気で行動すれば、まちがいなく希望も見えてくるはずである。

 ……と大上段に振りかぶった筆者の構えをどう受け止めてくださるかは、もちろん読者にお任せするほかない。

 (後略)



「日本再生」の指針―聖徳太子『十七条憲法』と「緑の福祉国家」
クリエーター情報なし
太陽出版



コメント (2)
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