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2019年12月31日 | Weblog




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「いのちの意味の授業1:コスモロジー」 目次

「いのちの意味の授業2:自信のワーク」 目次

「つながりコスモロジーとしての仏教1:ブッダと部派仏教」 目次

「つながりコスモロジーとしての仏教2:空と唯識」 目次

「つながりコスモロジーとしての仏教2:空と唯識」目次 2 善

「つながりコスモロジーとしての仏教2:空と唯識」目次 3 意識上の根本煩悩

「つながりコスモロジーとしての仏教2:空と唯識」目次 4 随煩悩

「つながりコスモロジーとしての仏教2:空と唯識」目次 5 四智、六波羅蜜、涅槃

般若経の学び:目次

平和と調和の国へ:聖徳太子・十七条憲法 他 目次

「持続可能な社会の条件―自然成長型文明に向けて」 目次

持続可能な国づくりとスウェーデン・モデル 目次

環境問題と心の成長 目次

メンタル・タフネス関連記事 目次
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台風について

2019年10月13日 | 持続可能な社会

 またしても記録的な台風でした。

 型どおりの言葉になってしまいますが、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 今のところ、親族、友人、知人には被災した人はいないようで、たくさんの「無事でした」という知らせをいただいています。

 その一つに次のような返事をしました。

 「こんばんは。 

 無事でよかったですね。

 それにしても、あまりにも広域の激甚災害で心が痛みます。復興に時間がかかりそうです。

 そして、こういう被害が今後ますます増えるかと思うと、非常に心配です。 

 地球全体が後戻りできないところまで行く前に、意識と行動と社会システムの根本的変容が起こることを祈らずにはいられません。 

 特に日本人にとって、この二連続の大型台風が心に響く警告になれば、まだ亡くなった方も報われるのではないでしょうか。」

 地球環境はこの十年が正念場だと科学者は言っています。

 耳を傾け、危機感をもって理解し、そして適切な行動をしたいものです。

 

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『大法輪』11月号に原稿を書きました

2019年10月10日 | 広報

 

 『大法輪』11月号、特集「心」を探る――仏教と心理学からのアプローチ」に、「アドラー、ユングの心理学と仏教」という原稿を書きました。

 タイトルに沿って、重要なポイントをできるだけわかりやすく、簡略に書きました。

 拙著をお読みいただいている方にも、まだの方にも、参考にしていただけると思います。

 また、他の著者の方々の記事も、それぞれ興味深いものがあり、テーマに関心のある方にはお勧めできるものです。

 どうぞご覧ください。

 

大法輪 2019年 11 月号 [雑誌]
大法輪閣
大法輪閣

  

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『聖徳太子『十七条憲法』を読む』新装版のお知らせ

2019年10月03日 | 広報

 

 しばらく品切れになっていた拙著『聖徳太子『十七条憲法』を読む―日本の理想』(大法輪閣)が新装版になって再版されました。

 2003年に出したものですが、憲法改正――むしろ改悪になることを惧れていますが――が日程に上ろうとしている今こそ、日本初の「憲法」にどれほど高い国家理想が書かれていたか、できるだけ多くの方に確認―共有していただきたいと思います。

 そこには、人間と人間の平和、人間と自然の調和こそもっとも大切な、これから実現していくべき「国のかたち」であるという、「和の国日本」の創成に向けた強いメッセージが語られていて、いわば「持続可能な日本」のヴィジョンがはっきりと示されている、と筆者は理解しています。

 そこには右左の対立を超えて今、一度立ち返り、そこから再出発し、そこに描かれた国のかたちの実現に向かうべきだという意味での、「日本の原点」があると思われます。

 ぜひ、お読みいただき、ご意見をいただけると幸いです。

 

〈新装版〉聖徳太子『十七条憲法』を読む―日本の理想
岡野 守也
大法輪閣

 

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10月〜12月高松講座 案内

2019年10月02日 | 広報

 

 高松講座の10月から12月まで内容と日程が決まりましたので、お知らせします。

 奮ってお出かけください

 

【高松】水曜講座「『正法眼蔵』とやさしい瞑想によるやすらぎの時間➃」

 講義の前にイス瞑想を行ない、『正法眼蔵』その他の道元の著作を学び味わいます。今回は食事を作るという日常の働きがそのまま修行であることを語った『典座教訓』を学びます。学びと瞑想が深いやすらぎをもたらしてくれる時間です。

▼講師:研究所主幹▼テキスト:随時配布。

▼時間:19時半―21時▼参加費:一般7千5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方6千円、学生3千円

▼会場:サンポートホール高松67会議室

10月16日 11月20日 12月18日

 

【高松】日曜講座(会場以外は各講座共通)

 *10月20日 特別講座「160分で唯識心理学を学ぶ」

 心の仕組みがわかると自分がわかり、人間がわかります。大乗仏教の深層心理学・唯識の現代化「唯識心理学」の入門講座。

▼会場:サンポートホール高松65会議室

 

*11月17日 特別講座「160分でコスモロジーセラピーを学ぶ」

 現代科学の宇宙論を学ぶと、「すべては物」「死んだら終わり」「結局空しい」という思い込みがひっくり返り、「すべては宇宙エネルギー」「いのちは続いていく」「人生は意味体験のチャンス」と思えてきます。

 空しさ、淋しさ、苛立ち、不安…に悩む現代人の心を根っ子から癒すセラピーです。

▼会場:サンポートホール高松67会議室

 

*12月15日 特別講座「160分で般若経典を学ぶ」

 最短の『般若心経』から最長の『大般若経』六百巻までさまざまな「般若経典」が伝えたいことは何か? 空、無、縁起、如、慈悲、菩薩という言葉は私たちにとって、どんな意味があるのか? 短い瞑想も合わせて学んでいきます。

▼会場:サンポートホール高松7F和室

▼講師:研究所主幹・岡野守也▼テキスト:随時配布。▼時間:13時半―16時半▼参加費:一般=3千5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方=2千5百円

 

●問合せ、申込みはこちらで。

 

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『サングラハ』第167号が出ました

2019年10月02日 | 広報

 お待たせしました。『サングラハ』第167号が出ました。

 充実の連載が続いています。どうぞお読みください。

 

 目 次

 

■ 近況と所感 ……………………………………………………… 2

■『唯識三十頌』を学ぶ(8) …………………………… 岡野守也… 6

■ コスモロジー心理学入門(3) ……………………… 岡野守也… 20

■ 新・ゴータマ・ブッダのことば(19) ……………………羽矢辰夫… 31

■「意識」と「感覚・情動・思考」の分離(3) …………… 増田満…… 33

■ ベラー『徳川時代の宗教』を巡って(14) …………… 三谷真介… 42

■ 講座・研究所案内 ………………………………………………… 46

■ 私の名詩選(66) 良寛詩「心水何澄澄」……………………………48

 

 ●お申込み、お問合せはこちらから。

 

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猛暑と豪雨にふれて

2019年08月29日 | 持続可能な社会

 去年、埼玉県熊谷市で摂氏41.1度を記録。2013年に高知県四万十市で記録された41度を上回り、観測史上最高気温となりました。 

 今年も暑い夏でしたが、最高気温は今のところ去年よりは少し低い新潟県上越市で観測された40.0度のようです。 

 温度はほんの少しとはいえ去年よりはましだったので、雨についても西日本豪雨のようなことがなければと願っていましたが、非常に残念なことに北九州の豪雨が起こってしまい、まだ進行中です。 

 亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げます。これ以上被害が広がらないことを、切に祈っています。 

 素人が改めて言うまでもありませんが、これは気候変動・温暖化の顕著な現われで、憂うべきことにたまたま不運にも去年だけ、今年だけということとは思われません( 過去記事:温暖化はこのままではとまりそうもない(再録)暑い夏と持続可能な社会(再録)参照)。 

 まずは、自分がどうしたらエコロジカルに持続可能な生き方ができるかということから始めるとしても、さらにどうしたらエコロジカルに持続可能な国づくりができるのか、さらにどうしたらエコロジカルに持続可能な世界にできるのかというところまで、考え行動していく必要があるのだが……と改めて思う日々です。

 

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『発達』「自然と子ども」特集への寄稿のお知らせ

2019年08月24日 | 広報

 

 ミネルヴァ書房の『発達』という雑誌の「自然と子ども」という特集号に、「無邪気と邪気の先へ」という原稿を寄稿しました。

 すこし前にすでに発行されています。

 筆者の原稿もさることながら、なかなか興味深い論文が並んでいて、テーマに関心のある方には一読の価値があると思います。

 よろしければ、ぜひご覧ください。

 

発達159:自然と子ども
ミネルヴァ書房
ミネルヴァ書房

 

 

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『サングラハ』第166号が出ました

2019年08月10日 | 広報

 会報誌『サングラハ』の第166号が出ました。

 読者のみなさんのお手元にはすでに届いていると思います。

 内容は以下のとおりです。



   目 次

 ■ 近況と所感………………………………………………… 2

 ■『唯識三十頌』を学ぶ(7) ……………………岡野守也…… 5

 ■ コスモロジー心理学入門(2)………………岡野守也…… 19

 ■ 新・ゴータマ・ブッダのことば(18)…………羽矢辰夫…… 30

 ■「意識」と「感覚・情動・思考」の分離(2)………増田 満…… 32

 ■ ベラー『徳川時代の宗教』を巡って(13) ……三谷真介…… 43

 ■ 講座・研究所案内…………………………………………… 46

 ■ 私の名詩選(65)良寛詩「我従住此中」…………………… 48



*購読をご希望の方は、研究所のHPのフォームでお問合せください。
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東京講座が近づきました

2019年07月17日 | 広報

 東京の講座まであと10日、両講座とも定員に近づいていますが、まだ若干空いていますので、再度お知らせすることにしました。

 参加ご希望で申込みがまだの方、お急ぎください。



【東京】土曜講座「唯識心理学を学ぶ―煩悩・ストレスとその緩和」

 大好評だった5月の特別講座に続く唯識心理学の第二ステップ。
 今回は、煩悩―悩み―ストレスの分類、分析、原因の解明、緩和・解消の方法について、具体的にわかりやすく日々の生活に役立つようにお話しします。

 併せて、気軽にできストレス緩和にとても効果のある瞑想法もお伝えします。

 イントロダクションの講義から入りますので、初心の方も参加していただけます。

 7月27日 9月28日 11月30日 3回

▼講師:研究所主幹・岡野守也
▼テキスト:随時配布。
▼時間:13時―17時
▼会場:フォーラムミカサ・エコ(JR神田駅西口4分、内神田1―18―12 内神田東誠ビル8F)
▼参加費:一般=2万1千円、会員=1万8千円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方=1万2千円、学生3千円(原則振込)


*7月28日(日)特別講座「180分でコスモロジーセラピーを学ぶ」

 現代科学の宇宙論・コスモロジーを総合的に、しかも単なる知識としてでなく自分のこととして学ぶと、「すべては物」「死んだら終わり」「結局空しい」というニヒリズム的な思い込みがひっくり返り、「すべては宇宙エネルギー」「いのちは続いていく」「人生は意味体験のチャンス」と思えてきます。

 空虚感、孤独感、不安感、焦燥感、絶望感といったネガティブな感情は、状況によって誘発されはしても、実は根本的にはネガティブな宇宙観・コスモロジーから発生しているものです。

 ネガティブからポジティブへ、科学的根拠によってコスモロジーの根本的転換を促し、ニヒリズムに脅かされている現代人の心を根っ子から癒すセラピーを体験してみてください。

▼講師:研究所主幹・岡野守也
▼テキスト:随時配布。
▼時間:13時―17時▼会場:東京マインドルフルネスセンター(赤坂3
―9―18 BIC赤坂ビル8F)
▼参加費:一般=7千円、会員=6千円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方=4千円、学生=1千円(原則振込)


○受講申込方法
 氏名、住所、性別、連絡用の電話番号、メールアドレスを明記して、HPの問合せフォームか、研究所あてFAX087‐899‐8178、またはメール okano*smgrh.gr.jp(*を@に換えてください) へ


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高松講座7月〜9月のお知らせ

2019年07月09日 | 広報

●水曜講座参加費一回分を全回分と誤って表記していましたので、お詫びして訂正します(初回は終わりましたが、2回目からの参加も可能です。)


 【高松】日曜講座「心を大きくする心理学―コスモロジーセラピー」

 コスモロジーセラピーは、現代科学の宇宙論・コスモロジーと臨床心理学・セラピーを融合した他にはない理論と方法で、大きくてやわらかでしかもしっかりとした心を育ててくれます。宇宙スケールのポジティブシンキングといってもいいでしょう。
 心が大きくなると、当然・自然に、日ごろ抱えている自分の不安や不満、孤独感やむなしさがごくちっぽけなものに思えてきて、まちがいなく元気が出てきます(本ブログ掲載の参加者の方々の感想をご参照ください 1)2)。ぜひ、体験してみてください。

 ▼講師:研究所主幹
 ▼テキスト:随時配布。
 ▼時間:13時半―16時半
 ▼参加費(3回分):一般1万5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方7千5百円、学生3千円(原則振込)
 ▼会場:サンポートホール高松7月14日、8月25日53会議室、9月22日65会議室

 7月14日、8月25日、9月22日(3回)


 【高松】水曜講座「『正法眼蔵』とやさしい瞑想によるやすらぎの時間③」

 前回に引き続き、講義の前にやさしいイス瞑想を行ない、それから『正法眼蔵』を学び味わっています。今回はまず「菩提薩埵四摂法」(覚りを求める人が人々のために行なうべき4つのこと)から。
 これまで参加した方には確実に、悩みの多い日常をいったん離れ、深いやすらぎを感じる時間になっています。初心の方も、どうぞお気軽にご参加・ご体験ください。

 ▼講師:研究所主幹
 ▼テキスト:随時配布。
 ▼時間:19時半―21時
 ▼参加費(1回):一般2千5百円、年金生活・非正規雇用・専業主婦の方2千円、学生千円(原則振込)
 ▼会場:サンポートホール高松67会議室

 8月7日 9月18日(残り2回、途中参加可、初回分はDVD学習もできます)


○問合せ・申込みは、研究所HPのフォーム、または
氏名、住所、性別、連絡用の電話番号、メールアドレスを明記して、研究所あて
FAX087‐899‐8178、またはメールokano*smgrh.gr.jp(*を@に換えてください) へ
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新刊『マインドフルネスを極める』のお知らせ

2019年06月27日 | 仏教・宗教

 「東京マインドフルネスセンター」で行なわれた連続ワークショップの記録が出版されました。
 
 同センターは、サングラハ教育・心理研究所の東京日曜講座の会場をお借りしているところでもあり、筆者も唯識心理学のワークショップをさせていただきました。

 本をお読みいただいているだけで、ワークショップに参加したことのない方にも、どんなことをしているのか、様子がわかっていただけると思います。ぜひ、ご覧ください。


 『マインドフルネスを極める』(サンガ)、定価(2500円+税)

   目 次

 伊藤義徳(琉球大学准教授、臨床心理士)
 「瞑想にたよらないマインドフルネス・トレーニング」

 川野泰周(精神科医・臨済宗林香寺住職)
 「禅とマインドフルネス――思いやりと慈しみの科学」

 岡野守也(著述家・仏教心理学者)
 「瞑想の深層心理学としての唯識」

 大井 玄(東京大学名誉教授・医学博士)
 「老耄とやすらぎ――苦しみは識別作用に縁って起こる」

 中野東禅(京都市・竜宝寺前住職)
 「講話と実践――ブッダの禅は人間性回復の道」


 

マインドフルネスを極める (東京マインドフルネスセンター ワークショップ集2)
貝谷久宣,長谷川洋介
サンガ
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現代科学はどうニヒリズムを超えるか 4

2019年06月15日 | コスモロジー





 宇宙即神?


 以上1―3の記事で述べたポイントで、ニヒリズムの克服はほぼ完了したと言ってもいいのですが、あえて②の「神(精神的で絶対な存在)はいない」というポイントについても一言だけ付け加えておきます。

 かつて筆者のコスモロジーの授業を受けた学生たちが、レポートの感想に「宇宙ってまるで神みたいですね」といった言葉を書いてくることがよくありました。

 それに対して筆者は、「まるで……みたい」ではなく、「宇宙はそのまま神だと言ってもいいんじゃないかな」と答えたものです。

 エネルギーから物質を、物質から生命を、生命から心を、心からさらに覚り・霊性を創発し続けている「全体としての宇宙」は、キリスト教の「万物の創造主」である「神」とまるでそっくり――神話的表現を丸呑みにせず象徴的に解釈すれば――いや、そのままそうだと言ってもいい、と筆者は考えています。

 近代的理性・科学が殺した、というより見失った神=絶対なるものを、現代的理性・科学は復活させようとしている、というより再発見しようとしている、と思われます。

 (もちろん神学的・哲学的・宗教学的に言えば、より詳しく厳密にいろいろ論じることができるのですが、ここではそういう必要以上に複雑になりがちな専門的議論は避けておきたいと思います。)


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現代科学はどうニヒリズムを超えるか 3

2019年06月14日 | コスモロジー




 克服のポイント4――「心は脳の働きにすぎない」から「心は宇宙進化の最高段階」へ

 これまで述べた3つのポイントは、特にニヒリズムのポイント①と③b、③cを克服するものですが、さらに現代科学の重要な五つの学説すべてを総合的に捉えると、③a「人生の絶対的な意味はない」という考え方も克服されます。

 近代科学の視点からすると、「心は脳(という物質の複雑な組み合わせである器官)の働きにすぎない」ということになり、愛、感動、喜び、創造性……など人生に意味を感じさせてくれる心の働きも、きわめて複雑ではあるが所詮脳という物質の働きにすぎない、ということになります。

 ところが、現代科学のコスモロジーを自分のこととして「主客融合的解釈」をすると、まったく違って見えてきます。

 複雑度をものさしとして見ると、「脳は宇宙進化の最高段階」であり、しかも「宇宙は一三八億年かけて、脳をベースとしてより複雑な高次な心というものを創発させた」ということになるのです。

 「物とは何か」、「宇宙とは何か」、「心とは何か」、「人間とは何か」、「私とは何か」といった反省的な思考は、コンピューターにたとえると、いわば「ソフト」の働きであって、脳という「ハード」には還元できません。

 それは、名画がキャンバスや絵の具に還元できないのに似ています。作品は材料に還元できないより高次の創発的・創造的な存在です。

 そして、心もまた宇宙の外に出来た宇宙以外のものではなく宇宙が生み出した宇宙の一部というほかありません。

 では、私たち人間の意識的な心は何をやっているでしょうか。

 心という宇宙の一部のもっとも基本的でもっとも重要な働きは、それ以外の自然・宇宙を対象として認識することです。

その場合、心も宇宙、心以外も宇宙なので、つづめて言えば「心において宇宙が宇宙を認識している」ということになります。

 だとすれば、「脳-心は宇宙の自己認識器官である」ということになるのではないでしょうか。

 しかも、人間の脳-心は、認識機能だけでなく、進化の過程ですでに感情機能を獲得していますから、大自然・宇宙のさまざまな創造を見た時、クールに認識するだけでなく、そのすばらしさに感動するのです。

その場合も、感動される対象も感動している心も宇宙の一部ですから、つづめると、「宇宙が宇宙に感動している」ということになります。

 だとすれば、「脳-心は宇宙の自己感動器官である」ということにもなるのではないでしょうか。

 しかも、宇宙には自己組織化・複雑化という進化の方向があるのですから、偶然そうなったというより、宇宙は自己認識と自己感動に向って進化してきた、と結果論から言ったほうが妥当だと思われます。

 「宇宙はきわめて多様で複雑な組織を生み出し、その創造のすばらしさを認識し、それに感動することを目的として進化してきた」のではないかという推測も、ほとんどまちがいないくらいの確率で成り立つのではないか、と私は考えています。

 以下は『コスモロジーの心理学』(青土社)などで詳しく述べてきたことですが、ここでも簡略に繰り返しておきます。

 そもそも「意味」とは「意識的な心が肯定的に味わう体験」のことだと思われます。

 つまり、宇宙は意識的な心を生み出すことによって、宇宙の一部・人間の心で意味体験が起こるということを生み出したのです。

 それこそ、宇宙的・絶対的な意味(体験)の創発と言うことができるのではないでしょうか。

 こう考えると、ニヒリズムのポイントの③c「人生には絶対的な意味はない」も克服されます。

 宇宙の一部としての人間の心が認識し感動することにおいて、宇宙的・絶対的な意味が創発し続けているのですから。

 さらに言うと、宇宙はその一部であるゴータマ・ブッダなどの覚者の心において、「私は宇宙と一体である」、「私は宇宙である」という、いわば「宇宙の自己覚醒」に到っている、と筆者は捉えています。

 宇宙の一部であるブッダが宇宙と一体であると自覚したということは、つづめて言えば、「宇宙が自らが宇宙であることに目覚めた」ということです。

 「自分という存在は、宇宙の自己認識―自己感動器官であり、自己覚醒器官になる可能性も秘めている」と自覚したら、そこにはもはや空しさ・無意味感・ニヒリズムは存在しえない、と筆者には思えます。
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現代科学はどうニヒリズムを超えるか 2

2019年06月13日 | コスモロジー




 克服のポイント2――「死んだら終わり」から「生命は生き続ける」へ

 相対性理論と散逸構造論とビッグ・バン仮説と、ワトソンとクリック以降の遺伝子研究・分子生物学などを総合して「生命」を考えると、

 「生命も複雑ではあるが物質の組み合わせにすぎず、死んだら元のばらばらの物質に解体して終わり、相対的意味もなくなる」ということではなく、

 「生命は宇宙の自己複雑化・自己進化の成果であり、確かに個体は死ぬが、それですべてが終わりではなく、DNAによって生命そのものは引き継がれ、生き続けている。

 地球上の生命は、誕生してから約4〇億年生き続けているし、今後も(当分、数十億年は)生き続けるだろう」ということになったのです。

 ある生物学者は、「バス、電車、新幹線、飛行機などなど、どんなに乗り物を乗り換えても乗客はおなじ人であるように、さまざまな個体という乗り物を乗り換えながら、おなじいのちが生き続けているのだ」という意味のことを言っています。

 しかも、宇宙エネルギー・レベルで見ると、個体・個人もまた、宇宙エネルギーから生まれ、今も宇宙エネルギーの一つのかたちとして生きており、死んでも宇宙エネルギーであるまま、あるいは「宇宙エネルギーの世界に還るだけ」なのですから、「死んだら終わり」ではなく「死んだら宇宙という故郷に還る」と言ってもいいのです。


 克服のポイント3――「生存闘争」から「エコ・システム―相互依存」へ

 ダーウィン以来――というより、スペンサーらの「社会ダーウィニズム」による過度の一般化の強い影響により――

 「生物の世界は、弱肉強食、優勝劣敗の生存闘争の世界であり、個体同士も種同士も基本的には敵であり、勝ったものが生き残り、負けたものは滅びていく。それは自然法則なので、当然というか仕方ないことだ。

 だから人間の世界でも生存闘争は仕方ないのだ」と考えが横行していました。

 これは、社会的には強い国が弱い国を征服・侵略・植民地化する「帝国主義」と個人的には「エゴイズム」の自己弁護の根拠とされてきました。

 しかし、ワトソンとクリック以来のDNA研究の積み重ねによって、「地球上のすべての生命のDNAはたった一匹の単細胞微生物に遡る」、つまり「すべての生命がある意味で一つの家族である」ことが明らかになりました。

 加えて、ヘッケルが「エコロジー」を提唱してから一〇〇年あまりの研究の積み重ねによって、

 「地球上では、非生命・環境とすべての生命(微生物と植物と動物)が一つのエコ・システム(生態系)を成している」ことが明らかになっています。

 確かに一見「弱肉強食」や「生存闘争」に見える現象はあるのですが、それを全体のシステムの中で見ると、「食物連鎖」つまり微生物と植物と動物(草食動物と肉食動物)の間に食べて―食べられて―食べて……という関係があることがわかり、「競争的共存・共存的競争」がなされており、一つのエコ・システムの中では「相互依存」の関係が成り立っていることが、反論の余地のないほど明らかになってきました。

 エコ・システムが宇宙の自己組織化の成果だとすると、エコ・システムを維持・発展させることが宇宙の進化の方向に沿っているという意味で「善」、汚染、破壊することが「悪」というエコロジカルな倫理が成り立ちます。

 それは、硬直した絶対性ではありませんが、宇宙の方向性というかなり柔軟な幅のある、しかしある意味で絶対――宇宙に相対(あいたい)するものはありませんから――的な倫理だといえるでしょう。

 にもかかわらず、日本も含む世界のリーダーたちの大多数がいまだに社会ダーウィニズム的な偏見を持ち続けているのは、驚くべきというか、あきれてしまうというか、はなはだ人迷惑というか人類迷惑なことです。

 そろそろ目を覚ましてもらうか、でなければ、目の覚めたリーダーに交代してほしいものです。

 さらにエコ・システムに限らず、人間の営むあらゆることに関して、「宇宙進化の方向に沿うことが『善』、進化の方向から逸れることが『悪』という、宇宙的という意味である種絶対的な倫理が成り立つ」と言っていいと思われます。

 これで、ニヒリズムの3b「(絶対的な)倫理もない」というポイントも決定的に克服されることになるのではないか、と筆者は考えています。
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