アインシュタインのつながりコスモロジー

2010年02月26日 | 心の教育




 我が家の近所に一本だけある河津桜が満開です。

 この桜だけ見ていると、もう春爛漫という感じです。

 春休みになったら、少し休めるかなと期待していましたが、一つの仕事が終わると次の仕事、それが終わるとまた次の仕事……となかなかゆったりと休みをとることができません。

 それだけ、世の中から必要とされているのだと解釈すれば、有難いことではありますが……

 先日、サングラハ教育・心理研究所の木曜日の講座でキューブラー・ロスについて講義をするためにものすごく久しぶりに彼女の著書の一冊『子どもと死について』(現在は中公文庫)を読み直そうとして開いたら、扉の裏に次のようなアインシュタインの言葉が引用されていたことに改めて気づきました。

 これは、まさにアインシュタインのつながりコスモロジーが典型的に表現された言葉です。

 ここでアインシュタインは、宇宙と私、そして宇宙とすべてのものの一体性をはっきりと語っています。

 このブログ授業でお話してきた現代科学のコスモロジーに関して、決定的に重要な言葉なので、ここでみなさんにも引用―紹介しておきたいと思いながら、なかなかブログ記事を書く気持ちの余裕がなくて、遅くなりました(改行は筆者)。

 じっくりと読んでみてください。

 そしてその後で、「区分・区別はできるが分離していない宇宙」の記事も読み直してみてください。

 きっと、授業の学びが深まるでしょう。



 人間は、私たちが「宇宙」と呼ぶ完全体の一部、すなわち時間と空間を限定された一部である。

 人間は自分自身を、そして自分の思考や感情を、他と切り離されたものとして体験する。

 それは意識のうえで、いわば視覚的錯覚が起こっているからである。

 私たちはこの錯覚という監獄に閉じ込められているせいで、個人的な判断しかできなくなり、周りの少数の人間しか愛せなくなっている。

 この監獄を抜け出し、思いやりの輪を広げ、あらゆる生物と美しいままの自然を包み込んでいくこと、それが私たちに課せられた仕事である。

                              ――アルバート・アインシュタイン


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原点と到達目標としての十七条憲法

2010年02月12日 | 歴史教育

 私が『聖徳太子『十七条憲法』を読む』(大法輪閣)を出した時、前々回の学生のように、「十七条と聞いて、「えっ」と正直おも」った人が多いようです。

 私自身、戦後の進歩主義的な教育を受けてきて、正直、自分がやがて十七条憲法の本を書くことになろうとは夢にも思っていませんでした。

 それだけ日本の戦後教育は、日本の精神的伝統を「忘れさせられて忘れた」ものであり、日本人のアイデンティティを見失わせるものだったということでしょう。1) 2) 3)

 しかし、縁あってその意味を再発見することができ、それは忘れてはならない日本の原点であり到達目標・国家理想であると思うようになり 4)、そのことを次の世代にもぜひ伝えておくべきだと考え、H大学では1年間の最後の4分の1を使って講義をします。

 そうすると、以下の感想文のように若者たちもしっかりと理解をしてくれるようです。

 こういう感想文を読むと、日本もまだ大丈夫だと思います。

                    *

 日本に閉塞感があると言われて久しいが、政権交代をしても、やっぱり変わらなかった。

 私は失望したが、この本を読み希望が持てた。

 偉大な聖徳太子のような人が現代にもいて欲しいと思った。

 (筆者注:この本とはテキストとして使っている『聖徳太子『十七条憲法』を読む』のこと)

   社会学部1年男子


 この本を読んで、聖徳太子という人物を知るのももちろん、日本の国家は何を目指すべきなのかを学ぶことができた。

 十七条の憲法はまさに理想の国のあり方であると感じると同時に、実践するのは非常に難しいことでもあると感じた。

 しかし、諦めてはいけない。理想の国家に向かって希望をもち、前に進もうとする力が現代に生きる私たちには必要だと思った。

 そして、そのことを教えてもらった授業にとても感謝しています。ありがとうございました。

    社会学部1年女子


 昔にこんな立派な人物がいたというのは、やはり日本はすばらしい国だと思った。

 我々は宇宙と一体であるということを学び、かなり衝撃的でした。

 この十七条憲法には、今、我々がどういう方向に進んでいけばよいか書かれていると感じました。

 いろいろなことに気づくことができたのは先生の授業のおかげです。

 何のために生きるのか? それをずっと考えてきて、先生の授業に出会って答えがはっきりし、自分が何をなすべきかはっきりしました。

 もやもやがはれてすごくすっきりしました。

 これからの日本をつくるのは僕たちなので、その自覚をもち、自分がやるべきことをしっかりやりたいと思います。

 1年間ありがとうございました。

     社会学部1年男子


 以上で「十七条憲法」の第一条から第十七条の構造についてまとめてきたが、では聖徳太子は何を一番に考えてこの「十七条憲法」をつくり出したのだろうか。

 それは国民の幸せだと思う。

 聖徳太子は自分のことを二の次に考えて、国民たちを一番に考えだ。

 そして自分の権力にもかかわらず、国民と自分を平等に考えた。

 現在の日本、いや世界中探しても一人いるかいないかの理想のリーダー像であろう。

 今、上で書いたことはこのテストの題である「十七条憲法」の構造とはあまり関係のないことではあるが、聖徳太子の素晴らしさに思わす感銘して書いてしまった。

 この日本にこのような素晴らしい人がいたことを素直にうれしく思いながら、さらに、将来このような人が現れないか、いや自分がこのような他人を思える人間に成長するんだと思わずにはいられなかった。

    社会学部1年男子


*拙著にも書いたことですが、今日本史の学界では、聖徳太子は歴史的に実在しなかったという説が主流(代表的には大山誠一氏のように)になっていることは承知していますし、学生にも伝えています。

 しかし私は、いわゆる「聖徳太子」が歴史的に実在したかどうかよりも、「十七条憲法」のようなすばらしい国家理想を掲げた文章が残っているという歴史的事実のほうが重要だと考えている、と話すのです。

 たとえそれが聖徳太子に仮託した藤原不比等の作文だったとしても、です。

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コスモロジーの肯定的変容2

2010年02月09日 | 心の教育

 すでに2度お知らせしたとおり、ニヒリズムの話から始めて十七条憲法に到達するという講義は、多くの学生たちに希望と自分たちがやるんだという勇気を喚起することができていると思われます。

                     *

 1年間、現代社会と宗教を受けてきて、自分の視野というものが広がったのはとても大きく感じます。

 コスモスセラピーは、今まで考えた事もなく、この大学に来なければ聞けなかった話だと思います。

 コスモスセラピーの意見は、最初はとても漠然としたものに感じましたが、話を聞くにつれて、その意見に大きく納得することができました。

 何故、1億年生きた恐竜は滅んだのか。なぜ、1万年しか生きていない人類は滅びかけているのか。

 そういった、漠然とした疑問にしっくりとくる答えを導き出してくれる考えがこの授業にはありました。

 社会学としてとても貴重なお話を聞くとができました。

 1年間ありがとうございました。

     H大社会学部1年男子


 岡野先生が1年間かけて私達に教えて下さったことは、人が地球で生きるためのとても大切なことだと思います。

 ここで私は新しい発見をいくつもすることができ、とてもありがたく思っています。

 十七条憲法では理解するのが難しい所もいくつかありましたが、最後にコスモロジーの精神にいきつくことにとても驚き、改めて関心を持つことができました。

 岡野先生が言っていたように、私達が日本という国を建て直していかなければならないと強く思えるようになりました。

    H大社会学部男子


 私は“つながりコスモロジー”の心を一生忘れないと思います。

 ありがとうございました。

    H大社会学部1年女子


 一年間先生のお話を聞き、感じたことは、未来への希望です。

 一見単純なことだけど、だからこそ気づきにくい、そんなことの気づきの連続でした。

 また、授業外でも、先生の著書は書き方がやさしくわかりやすいのも魅力的でした。

 毎年受講者が多く大変ですが、これからも頑張って下さい!

     H大社会学部2年女子

                     *

 「私達が日本という国を建て直していかなければならないと強く思えるようになりました」「一生忘れないと思います」と言われ、「毎年受講者が多く大変ですが、これからも頑張って下さい!」とねぎらいと励ましをもらうと、新学期からもまた多人数授業でも頑張るほかないな、という気になります。

 欲をいえばさらに十七条憲法が目指したような持続可能な国づくりに向けて、「先生、一緒にやらせてください」という言葉も聞きたいんですけどね……まあ、それにはもう少し時が熟すのを待つほかなさそうです。

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コスモロジーの肯定的変容1

2010年02月08日 | 心の教育

 H大学社会学部・経済学部の前期の授業では、まず近代主義、特に近代の科学主義が行き過ぎると必然的にニヒリズム-エゴイズム-快楽主義に陥る傾向があり、日本も明治維新と敗戦のプロセスを経て近代化が進み、同様の状況にあることを指摘し、その後で現代科学のコスモロジー(の一つの解釈、つながり-かさなりコスモロジー)はニヒリズムを完全に克服する可能性を持っていることを伝えます。

 続いて後期には、仏教とりわけ唯識の全体像を伝え、「宇宙と私は一体」ということを語る点で、現代科学と調和することを示し、その後で、最後に聖徳太子「十七条憲法」をつながりコスモロジーによる理想国家の構想と解釈する講義をします。

 そうすると、よく聞いていた学生のなかから次のような感想が出てきます。

                    *

 前期、後期、想像していたものとは全く違くて、それでいて新しい発見がたくさんありました。

 今回も、十七条と聞いて、「えっ」と正直おもいましたが、天皇がどうの、ということではなく、ちゃんと前期のことがもとになっていたのは、びっくりしました。

 全て授業に出て、新しい視点で物事を見れるようになった気がします。
一年間ありがとうございました。

   H大社会学部1年女子


 最初は先生の意見に賛成することができませんでした。

 しかし最後まで聞いてみると、納得している自分がいました。

 とても理論的ですばらしく、この理念こそ、この先の未来を明るくしてくれると思いました。

 今までおせわになりました。この授業を通して物の見方がかわりました。

   H大社会学部1年男子


 当初授業を受けて、後悔していたが(コスモロジーや唯識がなぜ現代社会、日本の未来へと有効なのかわからなかった…)、十七条憲法の段階に到って、宗教観が国というものを形成し飽和状態の社会を変革するアプローチとして極めて確実で有効な手段だということがわかりました。

 マスメディアで叫ばれるえせ提言に比べ、先生の主張は現実的なものだとわかり、もっと授業に出れば良かったと思いました。

 先生の主張は右・左でもなく、ナショナリズムとも違い、カテゴライズには悩みますが、実践的である点においては両派よりも秀でていると思いました。

   H大社会学部1年女子


 やはり先生にはやられました。さいごにコレをもってくるとは……

 日本の最初の憲法を学べたのと同時に、今まで習ったことがこの中にぎゅっとあったので、すごく理解しやすかったです。(つながりコスモロジーとか仏性とか)

 今までに、価値観を相当変えさせられてきましたが、今回は価値観は変わったというより、今までに変わった価値観がさらに確信をもてるものになった気がします。

 何か頭の中で今までのことがすごくコンパクトに、かつ詳しく整理されています。

 すごくすごーくためになりました。

 そして、話が少し変わりますが、私は今年成人式でした。

 実家は鹿児島なので、成人式のあとこっちに帰ってきたのですが、成人式を終え、みんなと写真をとったりして家に帰ってきたとき、自然と涙が出てきました。

 その理由は、親や親戚、友達への感謝の気持ちが溢れてきたからです。

 この気持ちは、聖徳太子の述べている「関係的存在」「縁起的存在」を身をもって感じたからではないかと思っています。

 昔は「無宗教」だと思っていた私も、この授業を通し、「仏教・儒教」的な人間であったことにも気づけ、また、中身を知らないからこその「宗教」に対する偏見がなくなりました。

 人間的に成長することができたと思っています。

 本当にこの授業をとって正解でした。

 まさかここまで価値観が変わるとは当初思ってもいませんでした。

 お忙しいでしょうが、これからも私たちH大学生に「真の価値観」を説き続けていってください。

 本当にありがとうございました。

    H大経済学部1年男子

                    *

 先月末、ようやく厖大な数のレポートを読み終えました。

 こういうふうに、今年もたくさんの学生たちの心の中で世界観・価値観=コスモロジーの肯定的変容が起こったようです。

 毎年本当に大変なのですが、でもやはり苦労のしがいがあった、と実感しています。

 その後すぐに、2月の2、3日は、茨城大学農学部の大学院で持続可能な社会についての集中講義でした。

 その中でコスモロジー的な質問が出てきましたので、ダイジェスト版の話をしましたが、とても感動して聞いてくれたようです。

 コスモス・セラピー的な授業は大学1年生から大学院生、さらには社会人まで、適用範囲は広いことが実証された、と思っています。

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