老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

「長いお別れ」(Long Goodbye) 

2020年06月28日 19時24分05秒 | ツレアイのこと
 この前に書き込んだ、ツレアイのトイレットペーパー持ち出しは一向に改まる気配はありませんが、ケアマネさんや知人の何人かからこの癖は認知症を発症した女性に多く見られる事例であることとを聞いて納得すると共に、この件に関するツレアイへの否定的発言も減らすようにしました。

 一方の、「帰りますので・・・」と称する、荷物づくりについては、タンスに鍵を付けることで一段落。
最初は、“こんなことまでせにゃならんのか?”と自己嫌悪もありましたが、案ずるより産むがやすし・・・。
いざ、鍵を取り付けると、ツレアイはタンスの引き出しを開けることを諦めたのか、、荷造りも「帰りますので・・・」という口癖も全くなくなり、今ではタンスに鍵がかっていることにも気付かないような素振りです。(因みに、タンスのカギは引き出しの取っ手に鎖を通して簡単なカギを取り付ける方法を採りました)

 また、今月の8日から始めた週2回のデイケアーについては、気持ちよく通っていることもあり、私の方も随分と余裕が出来て、気持ちよく家事に専念しています。


 昨日は夕方からTVが映らなくなり、電子機器に弱い私がいくら汗を流しながら挑戦しても結果はだめでした。 しかし、幸いにもビデオは見ることができたので、昨夜は以前から観てみたいと思って録画しておいた映画「長いお別れ」をゆっくりと鑑賞しました。

 この映画は、監督が中野量太で、原作は中島京子さん。
中島京子さん自身が、2004年にアルツハイマー型の認知症と診断され2013年に亡くなった父を見送った経験がもとになっているらしいのです。

 認知能力を低下させて、記憶を失っていく夫であり父でもある山崎勉を、あたたかい眼差しで見守っていく妻(松原智恵子)、次女(蒼井優)、そして夫の仕事の関係で遠く離れた米国に住む長女(竹内結子)の優しさをユーモアたっぷりに描かれた作品です。


 映画の題名である「長いお別れ」については、この映画の最後の部分で、“少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”という意味で、アルツハイマー型認知症のことを、アメリカでは「Long Goodbye(長いお別れ)」とも表現されることを知りました。


 悪人が一人も出てこないほのぼのとした映画で、アルツハイマー型認知症を理解する上でも非常に役立ちましたが、自分が正にこの「長いお別れ」に向き合っている最中の当事者だと思うと、少し複雑な気持ちです。

 確かに現時点では有効な治療薬もなく結果としてはLong Goodbyeになるのでしょうが、当事者としてはもう少し寄り添うという気持ちと本人への敬意が感じられるような表現があれば・・・と思います。


 尚、我が家のTVに関しては、今朝一番にメーカーのサービス部門と連絡が付き、30日(火)に来てくれることになりましたが、今日/明日はTVのない日となりますので、ビデオの在庫分や、パソコンで音楽などを楽しむつもりです。(まさ)