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老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

認知バイアス  その①  ~認知バイアスとは~

2019年06月24日 20時31分37秒 | 法則/心理効果・現象など
 <今年の4月13日並びに15日のこのブログでも“認知バイアス”を取り上げていますが、今回は少し観点を変えて、“心理効果・現象など”に関連してこの認知バイアに触れて見たいと思います。但し、一部重複する所があるかと思いますし、先に触れた“心理効果・現象など”などとも重複する事が多いと思いますが、ご容赦下さい。>

 私はこのブログを始めてから、普段は非常に冷静な判断を行う人たちが、いざ自分に直接関わる事柄についての判断を迫られた場合に、往々にして日頃の冷静な判断からは想像できない様な選択をすることの多さに改めて気付きました。

 即ち、私達はあらゆる物事に対して、常に自らの考えや経験に基づいて、公正に判断しているように信じていますが、実際には無意識な思い込みや先入観により、誤解や勘違いが非常に多いのです

 思い込みや勘違いには、先に述べた「〇〇効果」とか「〇〇現象」と呼ばれる心理学的な要因の他にも、人がよく陥る「思考の誤り」や、「思い込み」があります。


 これに拠って、人はある対象を評価する際に、自分の利害や希望に沿った方向に考えが歪められたり、対象の目立ちやすい特徴に引きずられて、ほかの特徴についての評価が歪められることが多いのですが、これらの現象には一定の傾向があり、『認知バイアス(Cognitive bias)』と呼ばれています。

 要するに、認知バイアスとは、人が物事を判断する場合において、個人の常識や周囲の環境などの種々の要因によって非合理的な判断を行ってしまうことを指します。


 因みに、バイアス(Bias)とは、偏り、かさ上げ、または斜めのことを指す言葉で、洋裁などに親しんでおられる方には、生地を斜めに裁つ「バイアス裁ち」という言葉は馴染みが深いかと思います。


 この認知バイアスは、認知心理学や社会心理学の理論として研究されていますが、経済の分野でも当てはまり、この傾向などを研究しているのが行動経済学とよばれています。


 このような認知バイアスが起こる原因としては、“人は情報の取得を省略し、容易に意思決定をする”癖があるからとされています。
即ち、脳には処理量の限界があるので、入ってくる情報をすべて受け取り、全て使って全ての決断をしている余裕はありません。 そこで、脳は情報や意思決定の取捨選択を行うのです。 必要な情報だけを受け取り、本当に判断が必要なものだけに頭を使うということです。

 このように、情報と決断を取捨選択する過程で、私たちは考えるのを放棄して偏った情報を取得したり、意思決定をその偏った情報にすぐ委ねることで、様々なバイアスが生まれると言われています。

 更に厄介なことには、最近ではこの“認知バイアス”の研究が進み、政治家がこの種々のバイアスを、自己が目指す政治を有利に展開するために意識的に利用している事です。

 これから、これらの認知バイアスのいくつをグループごとに分けて見て見たいと思います。(まさ)

※ この項は、下記などを参照させていただきました。
・「認知バイアスとは?意思決定を歪める20の心理学を徹底解説」(https://mindhack-media.Jp/articles/56)
・「お金についての判断を誤る6つの心理学的な罠」 
(https://www.lifehacker.jp/2014/05/140509we_fool_ourselves_about_money.html
・WIKIPEDIA

心理効果・現象など  その⑥  ~人の心理は複雑です~

2019年06月14日 19時10分54秒 | 法則/心理効果・現象など
 色々なパターンを見てきましたが、一筋縄でいかないのが人間の心理。
ヒネクレや、思い上がり、更に時間の経過などが色々な作用を及ぼすようです。

<傍観者効果(Bystander effect)>
 ある事件に対して自分以外に傍観者(目撃者)がいる場合、率先して行動を起こさない心理である。傍観者が多いほど、その効果は高いとされています。

 他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考えたり、他者と同調することで責任や非難が分散されると考えるようです。


<アンダーマイニング効果(Underminging effect)>
 自発的にやり始めた行動に対し、後付けで報酬を与えられると、とたんにやる気が出なくなってしまうという現象


<気分一致効果>
 気分が良い時は思考がポジティブになり、気分が悪い時は思考がネガティブになるという現象


<エスカレータ効果(Escalator effect)>
 脳内に記憶されている情報とは異なる出来事が発生した場合に、違和感を覚える現象をいいます。

 違和感の1つで、止まっているエスカレータを降りるときの足が重くなったような感覚をいいます。即ち、自分自身では制御できない深層心理が「エスカレータは動くもの」と認識しているため、普段エスカレータを乗り降りするときに“これはこういう物だ”という思い込みに反するときに起こる違和感の事です。


<バーナム効果(Barnum effect)>
 占いなど個人の性格を診断するかのような準備行動が伴うことで、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。

 つまり、誰にでも当てはまりそうな曖昧な内容を、さも自分だけに当てはまっていると錯覚してしまう現象をいいます。


<スリーパー効果(Sleeper effect)>
 時間の経過と共に、初めは「信用できない」と思っていた情報のことを「信用できる」と思ってしまう現象。

 信頼性が低い情報源から得られた情報であっても、時間の経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナスの効果が消えて、コミュニケーション効果(意見変容、態度変容など)が時間の経過とともに大きくなる現象をいいます。

 情報源の信頼性の忘却のほうが、情報内容の忘却より速いためにこのような現象が起きるようで、仮眠効果、居眠り効果などと訳されることもあります。
情報源の信頼性が眠ってしまうという意味でこの名が付けられたようです。


<プライミング効果(Priming effect)>
 予め経験した刺激によって、後の判断が左右されるという現象。
即ち、先に受けた刺激(プライマー)の処理が、後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のことを指します。
(まさ)

心理効果・現象など  その⑤  ~人の期待には沿う~

2019年06月13日 21時20分58秒 | 法則/心理効果・現象など
<ピグマリオン効果(Pygmalion effect)>
 アメリカの教育心理学者、ローゼンタールが発表した心理学用語。
実験では、教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒では成績の伸びに明らかな違いが見られたという。

 このことから、他者への期待値がその後の成長を決定づける大きな要因のひとつになると考えられていて、「人は期待された通りに成果を出す傾向がある」という現象をさします。

 尚、「ピグマリオン」はギリシャ神話の登場人物で、自分の作った彫刻に恋をしたピグマリオンが、神に祈りを捧げて彫刻を人間にしてもらい、幸せに暮らしたという神話に由来しています。


<ホーソン効果(Hawthorne effect)>
 治療を受ける者が信頼する治療者(医師など)に期待されていると感じることで、行動の変化を起すなどして、結果的に病気が良くなる(良くなったように感じる、良くなったと治療者に告げる)現象


<プラセボ効果(Placebo effect)>
 偽薬効果或いは、プラシーボ効果(placebo effect)とも言われますが、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言います。

 現在の医学の治験では、比較対照試験でとして、開発中の薬と、偽薬が用いられる事が多いのですが、この偽物の薬の事をプラセボと呼んでいます。

 本物の薬のように見える外見をしていますが、薬として効く成分は入っておらず、多くの場合は人に対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖や乳糖が使われることが多いようです。
但し最近では偽薬を処方することに対する倫理的な批判もあるため、現在の治験においては類似薬効薬が用いられているようです。

(注)
1)プラセボ(フランス語: placebo)、プラシーボ(英語: placebo)は、いずれもラテン語: placēbō [plakeːboː] プラケーボー(「私は喜ばせる」の意)に由来するようです。
何とも皮肉な名前ですね。

2)治験: 「薬の候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さんの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要で、この種の比較対照試験が行われています。(まさ)

心理効果・現象など  その④  ~他の人と同調はイヤ~  

2019年06月10日 19時37分51秒 | 法則/心理効果・現象など
 その③ ~他の人に同調が楽~とは逆により困難な状況に挑んだり、社会的な大多数には反発を感じる立場を採る人達も結構います。

<カリギュラ効果 (Caligula  effect)>
 禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいいます

<アンダードッグ効果(Underdog effect)>
「負け犬効果」とも呼ばれますが、不利な状況にあるものに手を差し伸べたくなる人間の心理の表れです。
日本で古くから「判官贔屓」という言われ方もします。

 その②恋愛関係などで触れた、「ロミオとジュリエット効果」もこの範疇に入るでしょう。(まさ)



心理効果・現象など  その③  ~他の人に同調が楽~ 

2019年06月09日 20時20分33秒 | 法則/心理効果・現象など
 色々な結論を迫られたり行動を起こす場合に、やはり無難なのは多勢に同調することでしょうし、これに乗っかる方が楽なのでしょう。

<バンドワゴン効果(Bandwagon effect)>
 「バンドワゴン」とは行列先頭に居る楽隊車のことですが、複数の選択肢がある場合に、ある選択肢(人・物・思想)が大勢の人々に受け入れられているという情報を受け取った場合に、その選択肢を選択する者を更に増大させる現象を言います。

 選挙で、優勢な人を押す人が増えるという現象ですが、自分の選択結果を効果あるものにしたいという心理が働く様です。

 従って、“バンドワゴンに乗る”という言葉は、時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗るという意味で、使用されます。対義表現は「アンダードッグ効果」です。

<リンゲルマン効果(Ringelmann effect>
 社会的手抜き、或いは社会的怠惰とも呼ばれる現象で、集団で共同作業を行う時に一人当たりの課題遂行量が人数の増加に伴って低下する現象。

 「自分がやらなくても」「誰かがやるだろう」「自分だけ頑張ってもバカらしい」「頑張っても 報われない」というような心理が働くのでしょう。

 大きな組織における非効率化や、責任所在の曖昧さなどの多くはこれに由来すると言われています。(まさ)