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さすがの手腕!『第三の時効』by横山秀夫

2019年07月03日 | 小説レビュー
さすがの手腕!『第三の時効』by横山秀夫

~犯人か。刑事か。追われているのはどっちだ。男たちの矜りがぶつかりあう。
これぞ警察小説の白眉。「BOOK」データベースより


相変わらずスゴい!横山秀夫氏の真骨頂とも言える警察小説のお手本のような作品です。『第三の時効』というタイトルはとても有名で、前から読んでみたかった作品でした。

いつもの通り、先入観ナシで読み始めたところ、短編集で少しガッカリしたのですが、読み始めてビックリするほど、どの作品も最高に仕上がっていました

『沈黙のアリバイ』、『第三の時効』、『密室の抜け穴』、『ペルソナの微笑』、『囚人のジレンマ』、『モノクロームの反転』の六編から構成されています。

F県警が舞台となっており、県警本部の捜査一課強行犯捜査係の第一班~第三班の面々が主人公です。

とても短編とは思えない、素晴らしく内容が濃いストーリーと、後半にかけて上っていくクライマックス感、そして大どんでん返しが、どの短編の中にも凝縮されています。さらに警察内部の非常に細かい描写と、それぞれのキャラクターの設定と立て方が抜群ですね!

どの作品にも共通していえることですが、セリフや情景描写に臨場感が溢れていて、グイグイと引き込まれます。それでいて、最期にはズバッとオチが効いていて、本当に素晴らしいです。

さすがにこれは映像化しなければならない作品だということで『横山秀夫サスペンス』と題して、2002年~2005年にかけて『月曜ミステリー劇場』でテレビドラマ化されたようです。

横山秀夫氏の作品は、『ノースライト』、『ルパンの消息』、『64(ロクヨン)』、『クライマーズハイ』、『出口のない海』、『半落ち』と、それなりに読んできましたが、この作品はかなり上位に入りますよ!

★★★★4つです。

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