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つらくて深い「出口のない海」by横山秀夫

2015年03月29日 | 小説レビュー
~人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。
ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。
命の重みとは、青春の哀しみとは―。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。「BOOK」データベースより


第二次世界大戦末期に開発された、人間魚雷「回天」のお話です。

戦争末期には「何でこんな作戦を?」と、首を傾げたくなるような作戦が展開され、多くの若者が命を散らしました。

特攻隊は、その最たるもので、行きの燃料だけ積んで飛行機ごと敵艦に突っ込むというのが有名ですが、「回天」は、潜水艦から発射されて自分で方向を見定めながら、一気に海中を突き進み、敵艦の横っ腹に激突する海中特攻兵器です。

飛行機の場合は、飛び立った後で、不具合が出て、途中で不時着したりして、生き残る可能性もわずかながらありました。実際に生きて帰ってこられた方もおられます。

しかし、回天は発射されたが最期、脱出装置がないため、敵艦を捉え撃沈せしめるか、外れた場合、そのまま海底に沈んでいき、酸欠で死に至るという、絶体絶命の恐ろしい兵器です。

その回天隊員に志願し、日本のため、家族を守るために命を散らしていった若者の悲劇の物語です。

市川海老蔵が主演で映画化されています。

今年は、終戦から70年を迎える節目の年です。私たちの祖父の時代に、本当にこんなことがあったんだということを今一度噛みしめ、平和の有り難さ、二度と戦争を引き起こしてはならないという誓いをあらたにしたいと思います。

★★★3つです。


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