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爽やかに泣かせます「銀二貫」by高田郁

2015年04月14日 | 小説レビュー
~大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。
大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。
料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。「BOOK」データベースより


時代物はあまり読まないんですが、この作品はテレビドラマ化されていますし、題名は知っていました。

職場の同僚が「読みます?」ってオススメしてくれたので、借りて読んでみたところ、想像をはるか超える素晴らしい作品でした。

単なる「お涙頂戴~浪花人情物語」ではなく、江戸時代の誇り高き浪花の商人達の生きざまと、奥ゆかしくも儚い恋物語、そして様々な形(師弟、親子、夫婦、同僚、信仰心など)の愛情に包まれた傑作です。

そして、江戸時代の火事の恐ろしさを改めて感じます。
((((;゜Д゜)))

大変な苦難困難に見舞われる主人公ですが、押し付けがましくなく、本当にうまく物語が編成されています。読み終えたあとに清々しい気持ちになりました。
中学校の国語の教科書に取り上げても十分な作品だと思いました。

★★★☆3.5です。


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