「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

捜査よりも対人関係『隠蔽捜査 6 去就』by今野敏

2019年01月06日 | 小説レビュー
『隠蔽捜査 6 去就』by今野敏
~大森署管内で女性が姿を消した。
その後、交際相手とみられる男が殺害される。
容疑者はストーカーで猟銃所持の可能性が高く、対象女性を連れて逃走しているという。
指揮を執る署長・竜崎伸也は的確な指示を出し、謎を解明してゆく。
だが、ノンキャリアの弓削方面本部長が何かと横槍を入れてくる。
やがて竜崎のある命令が警視庁内で問われる事態に。
捜査と組織を描き切る、警察小説の最高峰。「BOOK」データベースより


毎回毎回、この『隠蔽捜査』シリーズは期待を裏切りませんね!
どんどんページを捲る手が止まりませんわ(^_^;)

いつもながら、警察組織の旧い慣習や体制を守ろうとする人たちとの対立や、難解な事件の捜査を竜崎が独特の「合理主義」で乗り越えていきます。

僕は、組織として動いていくときに大切なことは、周りとの調和だと思っています。

しかし、それに重きを置くばかりに、進むべき方向を見失っていては、元も子もありません。

最近の流行語でいえば忖度、そして人間同士の思いやりは、うまく作用すれば潤滑油となって推進力となりますが、慮り過ぎてもダメですよね。

竜崎の素晴らしいところは、明晰な頭脳に裏付けられた熟慮(その速度は速いですよ)の上での判断、そして「責任は俺がとる!」というところです。

簡単に「責任は俺がとる」と格好よくいう人がいますが、それだけではただの潔い人で終わります。

周囲が納得出来るだけの論理と、行動を共に出来る信頼感を持って進むことが出来れば、自ずと結果はついてくると思います。

竜崎とは立場も頭脳も責任も全く違いますが(^_^;)))、そういう心持ちで仕事に励みたいと思います。

さて、この『隠蔽捜査 6 去就』も、いつもながらオモしろいです。

★★★3つです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする