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ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

懲役五年の「自由刑」

2009年06月28日 | Weblog
「メトロミニッツ」2009.7月号より。

A4判で50ページのこのフリーペーパーは当然ながらスポンサーとなっている広告も多いが、読み物、情報記事にもかなりのページをさいている。一般にフリーパーパーが置かれている場所はコンビニの店内外、本屋の入口、駅の改札周辺や通路のラックだろう。

この「メトロミニッツ」も地下鉄改札の内外のラックに積まれている。人気があるらしく、2、3日ですべてはけてしまう。たまたま地下鉄を利用するタイミングで手にできる。

前置きが長くなってしまったが、写真家・作家でもある藤原新也氏が連載を依頼されたとき、とまどったという。それは都会の人々のための細切れ生活情報誌に自分の文章がなじむかどうかと思ったからだった。

ところが編集長は雑誌の性格は無視してもいいから、4ページを自由に使って何でもやってくださいと言ったらしい。筆者にとって、スペースは与えられても、“自由”ほどやっかいなものはなかったようだ。テーマもなく“何でもいい”はやはり困ることがあるだろう。しかも5年間という期間だった。

そこで藤原氏はそれを懲役五年の「自由刑」と面白く表現していた。結局そこでは「出会った小さな人間の物語」を書き続けていたのだった。しかし、それに気づくまでには試行錯誤したらしい。そのテーマを見つけたときに、自由という苦痛から解放されたと述べている。作家の表現は実にユニークだと思った次第。

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