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「こいつは将来すごく悪くなるぞ」

2009年08月28日 | Weblog
「朝日新聞」夕刊2009.8.24付けより。

これは“人生の贈りもの”というコラムのなかで、俳優の仲代達矢さん(76)が父親が亡くなる直前に言われた言葉だった。それにしてもインパクトがある言葉だ。その時仲代さんは7歳だったという。

ふつうこれほど幼い頃の父親の言葉などそうそう後まで覚えているものではないだろう。幼い頃父親を亡くし、さらに母親も病弱だったこともあり戦前戦後を通じて困窮を極めたと語っている。

終戦を迎えた時は中学1年で、周囲の大人たちが8月15日を境に、「鬼畜米兵」から「親米派」に変わったのを見て、「人間は信じられない、特に大人は信じられない」と子ども心に思ったという。

そして、絶望と困窮でやくざになった人もいたそうだが、仲代さんは父の言葉があったので、そうはならなかったと述懐する。「おれは絶対悪くならないぞ」と子ども心に誓ったことが大きかったらしい。

後に俳優になった際に、演技をけなされても「何をいっているんだ」と思える強さも培われたという。その意味では、父は偉大な教育者だったかもしれないと語るが、よほど父親の言葉が身にしみていたのだろう。

私自身は幼い頃の親の言葉はすぐには思い出せないが、この機会に戦前戦後を通じてかなり苦労が多かったにも関わらず、何不自由なく育ててくれた両親に感謝せねばと思った次第。