かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

日本橋(12)区立阪本小学校/中央区日本橋

2017-11-01 | 東京の近代建築

都内でも中央区には関東大震災後の復興小学校が多数現存しています。阪本小学校はアーチや曲線を多用した表現主義の泰明、常盤小学校とは異なり、縦長の窓が整然と並ぶ外観はどちらかというとインターナショナル・スタイルに近いデザインです。唯一外壁の3階分を通すピラスター(付け柱)に様式建築の面影を残しています。

昭和5年には震災で倒壊した東京市の復興小学校117校すべてが鉄筋コンクリートにより新築され、あわせて震災被害の少なかった木造校舎もコンクリート化されました。新設校を加えると実に205校がコンクリートにより耐震・不燃化され、すべて当時最先端のインターナショナル・スタイルが採用されたのですから、東京市の復興小学校事業は特筆に値します。


■白いコンクリートの壁にガラス窓が並ぶ外観は、戦後の校舎と見分けがつきません









■区立阪本小学校/中央区日本橋兜町15-18
 竣工:昭和3年(1928)
 設計:東京市
 施工:大倉組
 構造:RC造3階
 撮影:2017/08/11