岐阜市と愛知県稲沢市を結ぶ県道14号岐阜稲沢線が笠松町と一宮市に架かる木曽川橋周辺を岐阜街道と呼びます。笠松町を通る岐阜街道が、木曽川橋に向かって上り坂になるあたりに柳原橋という小さな高架橋があります。
私はたまたま高架下を自転車で通ったのですが、上を見上げると小さいながらも戦前特有のモダンな親柱と連続アーチの高欄が目に入り、思わず自転車を止めて見入ってしまいました。親柱の表現主義風デザインから昭和初期の竣工と当たりをつけ、近くによって親柱の年号を見ると、「昭和十三年八月竣功」の銘がばっちり入っていました。
岐阜街道は古くから交通の要所で、木曽川橋の架橋以前は渡し船や木造の橋が設置されていました。木曽川橋竣工(昭和12年)の翌年に架けられた小さな柳原橋ですが、当時の人々の新しい橋と道路にかける思いが伝わってくる力の入ったデザインです。
◆柳原橋(やなぎはら)岐阜県羽島郡笠松町朝日町
竣工:昭和13年(1938)
撮影:2012/05/05