かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

知多白木綿組合会館(愛知県半田市)

2012-07-15 | 失われた建物の記憶

今回訪れた半田市で取り壊された近代建築を確認しました。

知多半島は古くから木綿の産地で「知多木綿」の名で知られていましたが、電動力の利用が可能になった大正期に企業による大規模な織布工場が進出し、昭和初めには輸出量もイギリスを超え隆盛を極めました。
旧知多白木綿組合会館は、大正15年に新築された当時ではまだ珍しいRC造の建物で、正面中央に2階分の高さのある御影石の円柱を2本配した外観は、まさに白亜の殿堂、木綿で栄えた往時の姿を伝えていました。
戦後は半田市図書館→半田市立郷土資料館→中埜倶楽部(ミツカングループの社員厚生施設)として利用されてきましたが、数年前に取り壊され現在は蔵が建っています。


◆知多白木綿組合会館/愛知県半田市北末広6
 竣工:大正15年(1926)
 構造:RC造2階建
 撮影:2006/06/04
 取り壊し確認:2012/05/04






■取り壊された跡地には半田特有の黒色の蔵が建っています。
「蔵のまち半田」ならではの風景ですが、近代建築を知多木綿の歴史を語る産業遺産として活用する方法はなかったのでしょうか?非常に残念です。