かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

川崎重工業(株)岐阜工場事務所(岐阜県各務原市)

2011-11-12 | 岐阜市周辺の近代建築

岐阜市の東隣に位置する務原市は、航空自衛隊岐阜基地と川重(川崎重工業)の町として東海地方では知られています。
航空機の町としての歴史は大正6年の陸軍の飛行場の建設に始まりますが、陸軍の航空部隊の拠点の一つになった各務原に目を付けた神戸の川崎造船所が、大正12年陸軍の飛行場に隣接する当時の蘇原村三柿野に川崎造船飛行機部の各務原分工場を建設したことにより航空機産業が大きく発展しました。
その後昭和12年には川崎の飛行機生産部門が独立し、川崎航空機工業株式会社が設立され、その当時建てられた岐阜工場の事務所が現在は川崎重工の岐阜工場事務所として今も現役で使われています。
岐阜工場の建物は大規模な空襲を受け、当時の建物として現存するものはほとんど無く、戦前からの航空機産業の歴史を語る貴重な産業遺産です。

◆川崎重工業(株)岐阜工場事務所/岐阜県各務原市川崎町1
 竣工:昭和12年(1937)
 構造:RC造3階建
 撮影2011/09/23

 


軍靴の足音が近づく昭和12年竣工、外観は歴史様式を脱したほとんど装飾の無いインターナショナルスタイル

 


玄関車寄の部分だけ天然石を使用し石張り風に目地を切っている

 

屋上の国旗掲揚ポールの根元に唯一装飾が見られる