塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 書状 新兵衛尉殿宛

2024-07-31 04:29:45 | ミュージアム巡り_2024
 続いて、「書状 新兵衛尉殿宛」(江戸時代、本阿弥光悦筆、紙本墨書、
28.8/4.1cm、一幅、奈良・大和文華館所蔵)は、光悦の漆工制作に関す
る数少ない手紙。その内容は、
 “金具ができたのでお目にかけます。ミトリの部分を金子にしてはど
うか、葉が少ないので加えてはどうか、金具の葉が長ければ墨で修正
していただければ切ります。我らも弥四のところにおります。お待ち
しております”。
 光悦は漆工品の意匠や技法について意見を具申している。ここでは
特に未完成の金具に墨を入れて修正し、形を整える重要な役割を依頼
しており、光悦は金具を切るという実作業を請け負う算段が伺える。
 複数の漆工職人に対し、ここにも光悦の独創的な作品のバランスや
技法まで注文を出していることがわかる。

 そして「書状 御硯箱弍」(江戸時代、本阿弥光悦筆、紙本墨書、23
/33.8cm、一幅、静岡・MOA美術館所蔵)で、“硯箱二合を持参します。
蒔絵師に見せまして、まもなくそちらへ参ります”という内容の光悦
晩年の手紙。
 光悦が蒔絵を施した高級品の硯箱を、作業を受け持つ蒔絵師に指示
した後、持参する旨を注文主に伝えた手紙で、職人との間を仲介して
いたことがわかる。
TNM(台東区上野公園13-9)
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