塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 動物集合 金胎蒔絵箱 鹿柴

2017-07-18 05:36:58 | ミュージアム巡り_2017
 次の作品は、寺井直次(1912〜98)さんの「金胎蒔絵箱 鹿柴」
(1995年、漆・菌体・蒔絵・卵殻、Box、Rokusai、maki-e and rankaku
on metal base)。
 金胎漆器は、金属を素地に漆塗りを施した漆器のこと。金属に漆
を塗ることは防錆効果を施すもので、甲冑などにも施されている。
 寺井さんの作品は卵殻が使用されており、いつも感嘆させられる。
 作品のタイトル「鹿柴」(ろくさい)は、李白や杜甫と同じ時代に
活動した盛唐の詩人・王維の漢詩のタイトルでもあり、蓋に描かれ
た鹿に意味が隠されているようだ。
 空山不見人 但聞人語響 返景入深林 復照青苔上
 この漢詩・五言絶句の現代語訳は、“人気のない寂しい山には、
人の姿は見えず、ただどこからか人の声が響いてくるだけ。夕日の
光が深い林の中に差し込んできて、また青苔の上を照らしている」。
 また、鹿柴の意味は、“敵の侵入を防ぐため、先の尖った竹や枝
のある木などを鹿の角の形に立て並べた垣“のこと。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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