二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

子どもの体力低下・学力低下 ②

2009年04月11日 | 成長期の身体と心
近年、脳科学や神経科学の分野では研究が進み、脳機能、あるいは脳と体をを結ぶ様々な重要な発見が相次いでいて、ミクロの分野において、人を調整・制御する脳機能において様々な絵が描くことでできるようになっているようです。

「運動をすると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミン―思考や感情に関わる重要な神経伝達物質―が増えることはよく知られている。読者の皆さんも、セロトニンについては耳にされたことがあるんだろうし、その不足が抑うつに関係していることもご存じかもしれない。私が会ってきた多くの精神科医でさえ、それ以上のことはあまり知らないようだ。
強いストレスを受けると脳の何十億というニューロン(神経細胞)の結合が蝕まれることや、うつの状態が長引くと脳の一部が委縮してしまうこと、しかし運動をすれば※神経化学物質や成長因子がつぎつぎと放出されてこのプロセスを逆行させ、脳の基礎構造を物理的に強くできること、そういったことをほとんどの人は知らないのだ。実際のところ脳は筋肉と同じで、使えば育つし、使わなければ委縮してしまう。脳のニューロンは、枝先の「葉」を通じて互いに結びついている。運動をすると、これらの枝が成長し、新しい芽がたくさん出てきて、脳の機能がその根元から強化される」

 ※神経伝達物質の他、ニューロンの成長や機能調節などの様々な役割を担っている物質。

「神経科学者たちは、運動が脳細胞の内部―遺伝子そのもの―に及ぼす影響を研究し始めたところだ。生物の基礎である遺伝子レベルでも、体の活動が心に影響することを示す兆候がみつかっている。
また筋肉を動かすとタンパク質がつくり出され、血流によって脳にたどり着き、高次の思考メカニズムにおいて重要な役割を果たすことが分かってきた。そうしたタンパク質群にはインスリン様成長因子(IGF-1)や血管内皮成長因子(VEGF)などがあり、その発見により、心と体の結びつきを新たな角度から見られるようになった」

「神経科学者がこうした因子の機能に注目し始めたのはここ数年のことだが、続々と新しい発見がなされ、驚異的な事実が明らかにされている。脳のミクロの環境でなにが起きているかについては、わからないことの方がはるかに多いが、すでにわかっていることだけでも人々の生活は変えられる。そして、おそらく社会も変えることができるはずだ」

『脳を鍛えるには運動しかない』
  ジョンJ.レイティWithエリック・ヘイガーソン 著より


アメリカのイリノイ州ネーパーヴィル203学区では、新しい体育の取り組みとして「0時限授業」が行われて17年になるそうですが、意外な結果が出ているようです。「0時限」というのは、通常の授業が始まる前という意味であり、その前にグランドをそれぞれ目標を設定し走る(有酸素運動)というものです。

様々な効果を及ぼしたのですが、最たるものは、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)の結果でした。数学・理科など二つの大切な教科における生徒の知識レベルを国際比較するために作られたテストです。

このテストは1995年以来、4年ごとに実施されています。1999年には、38カ国から23万人の生徒が受験し、米国からは59000人が参加しました。ネーパーヴィルの生徒もまとまって参加し、生徒の成績を国際基準に沿って調べました。米国の生徒の平均が、理科18位、数学が19位で、ジャージーシティとマイアミの地域はそれぞれの教科で最下位だったそうです。

しかし、ネーパーヴィルの生徒はなんと理科のテストで1位(世界一)となり、数学では6位となり、その上にはシンガポール、韓国、台湾、香港、日本だけだったという、米国の教育水準からでは考えられない成績を残し、全米が注目することになったそうです。

全てが運動の効果とは言えないまでも、体力(運動)と学力(脳)は密接な関係があることが言えると思います。

皆さま、ご存じのように、運動ことに有酸素運動は脂肪を効率的に燃焼し、肥満予防になるばかりか、脳神経細胞に働きかけ、学力向上、心の安定に貢献するという事実があるのです。

学力を向上させたければ、30分から40分の有酸素運動を定期的にやってみてください。必ず頭がスッキリし、さらに記憶力が増すことでしょう。

さあ、運動をしよう

二葉鍼灸療院 田中良和

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2 コメント

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お久しぶりです (おむぅ)
2009-04-12 01:00:05
国立精神神経センター病院に入院しました。
担当の先生の言うところによると、19年間も薬を飲んでいるのにうつ病が治らないなんておかしいと言うのです。
そこで本当にうつ病かどうか調べるために脳の検査(CT・MRI・脳波・脳血流)をしました。
検査の結果、脳に器質的な異常はありませんでした。
担当の先生によると、今のところうつ病である可能性は低いそうです。
あと心理テスト(知能テストとロールシャッハテスト)も受けました。
心理テストはあと一つ受けます。
最終的には担当の先生に、こういう性格傾向があるのでこういう治療方針を取ってほしいという診断書と薬の処方を書いてもらって、もとの病院に戻ります。
これからは抗うつ剤を少しずつ減らして様子を見て、退院はゴールデンウイーク明けになります。
今日は外泊を取って、絵画塾で裸婦を描きました。
毎週週末には外泊を取らしてもらっています。
調子はだいぶ良くなりました。
たぶん19年間のうつ病生活にピリオドが打てるのではないかと思っています。

先生もお体に気をつけて患者さんの治療に励んでください。
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どうもです! (二葉院長)
2009-04-13 15:22:41
おむぅさん

お久しぶりです。どうしてるかな~と少し気になっていました。入院していたのですね。脳はわかっていないことの方がたくさんあります。

様々な検査を受け異常なしで良かったですね。もう目に見える原因探しはピリオドをうったほうがいいと思います。

しかし、今回のコメントを見て、安心しました!

今までは、文章から漂う”濃い霧”のようなものを感じましたが、今回の文章からは、すごくクリアーな空気が感じられました。おむぅさんの後ろにある富士山がハッキリ見える感じとでも言っておきますかね(笑)。

おむぅさんは、趣味も多く、いろんなことに興味がある人だと思います。ですから、19年間のぬかるみから這い上がって後は、すごく楽しい人生が待っていると思います。

そして、この泥沼で鍛えた19年間で培ったものが活きてくる、そんな人生が、もうすぐそこまで来ているんでしょう。

私も、おむぅさんに負けないように、患者様の治療を励みたいと思います。

コメント、ありがとうございます!!


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