二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

不育症について ②

2010年04月19日 | 不妊症
不育症について簡単に説明します。

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◎不育症とは:妊娠はするが、流産・死産を繰り返し、元気な赤ちゃんが得ることができない状態のこと。

 病的でない流産(自然流産)は、全妊娠中の10~15%の割合で発生する。

 流産の原因:胎児にある場合と母体にある場合があり、大部分は胎児の側に原因がある(調査報告によると、流産・死産した胎児の60~80%に染色体異常があった)。

 受精時には、胎児の40%近くに染色体異常がみられるが、分娩時には0.6%ほどに減少する。それは、ほとんどが自然流産してしまうということ。

 反復流産;2回連続しての流産 習慣流産;3回以上連続する流産
 3回以上流産を繰り返すと、赤ちゃんを得る確率は減少するというデータもある。

◎不育症の原因

 ①子宮異常:子宮奇形・子宮筋腫・頸管無力症・子宮腔癒着症
 ②内分泌異常:高プロラクチン血症・甲状腺機能異常・糖尿病・黄体機能不全
 ③免疫異常:抗リン脂質抗体症候群・自己免疫疾患・同種免疫異常
 ④夫婦染色体異常
 ⑤感染症
 ⑥血液凝固異常:胎盤で血栓が形成されてしまう。
 ⑦原因不明 
 ※ストレス:米国や欧州において、ストレスと不育症の関連が報告されている。
       不安やうつ、悲観的思考、不満などの精神状態にある時は流産率は高い。

◎不育症の治療

 ・子宮奇形がある場合は、腹腔鏡下あるいは子宮鏡下での内視鏡的治療
 ・低用量アスピリン療法
 ・へパリン療法
 ・副腎皮質ホルモン
 ・ガンマグロブリン療法
 ・漢方治療…柴苓湯
 ・夫リンパ球免疫療法

≪夫リンパ球免疫療法について≫
 妊娠中は免疫能が抑制された状態(免疫寛容状態)になります。習慣流産の患者さんでは、これがうまく働いていないと考え、流産を夫の遺伝子に対する拒絶反応と考える。
 臓器移植において、ドナーの血液をあらかじめ輸血しておくと生着率が上昇するという事実にヒントを得て、1981年にBeer、Taylorらによってはじめられたのが、夫リンパ球免疫療法。夫の遺伝子に対する拒絶反応を抑えるために奥さんに夫のリンパ球を数回皮下注射する。最初は拒絶反応が生じるが、次第に反応も落ち着き、妊娠と同じ免疫寛容状態となり、流産を防ぐことができるという原理。

 手順は、ご主人から採血→比重遠心法でリンパ球分離→リンパ球に放射線を当て免疫学的副作用を防止→奥様の前腕内側の数ヶ所に皮下注射する。

対象となった不育症の患者さんの出産率は高いようですが、なぜ、この治療に効果があるのか分かっておらず、国際的には、安全性、有効性ともに不確かであるとして、米国では当分これを行なわない方針。
日本でも対象を厳選して、輸血療法であることを確認し、リンパ球の放射線照射を怠らないようになどの指導を強めている。

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不育症に関して、簡単にみてきました。

妊娠しても流産してしまう時のショックは、本当の辛いところは妊婦であるご本人しか分からないでしょう。体験した人でないと分からないと思います。

でも、多くの場合は自然淘汰であり、ご本人やご主人の責任でないことが分かります。これだけでも少し気持ちが楽になりますね

そして習慣流産などで様々な治療方法や健康食品などを試している人も多いかもしれません。どんな時にでも言えるのは、その経験すべてに意味があるということです。いい結果が出ても、そうでなくても、その瞬間、自分の考えで歩み体験した経験すべてが自分の人生の肥しとなります。

無駄な努力なんてものは存在しません。

試練は結果がどうであれ、乗り越えられる人にしか与えられません。
試練は自分が生まれる前に、自分の人生への宿題として設定してくるとも言われています。

その出来事に心をコントロールされるのではなく、
その出来事に支配されないように、自己で心を操縦することが大切です。

「可能性」や「奇蹟」とは、そんな自分を信じる心、人生の出来事すべてに価値や意味を見出すことのできる心から生じるのかなと思いますね

本当に患者さまとの日々の出逢いで、勉強させて頂いてばかりです 

二葉鍼灸療院 田中良和

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (おむぅ)
2010-04-23 17:54:46
いつもお返事ありがとうございます。

本当に流産をされた妊娠さんの心の痛み、その痛みの痛さは同じ経験をされた方にしか分からないと思います。

もうこの話は田中先生のブログに書くのはやめようと思っていたのですが、例の医師のことがいまだに忘れられません。
毎日何回も思い出して頭の中で殴り殺しています。
私が受けた侮辱と屈辱によってできた心の傷がどれほど痛かったか、それによる恨みがどれほど深いものか、それは私にしか分からないと思います。
先日、デイケアのスタッフの看護師さんにこの件を相談したら

忘れることはできないと思います。思い出してもそれを怒りにもっていかない方法を何か見つけてください。

とアドバイスをいただきました。
でも残念ながら無理です。
思い出すことが怒りに直結してしまいます。
気の休まることをすると余計考えてしまいます。
思い出さないように絵を描いたり何かに集中する気力も今はありません。
恨み骨髄に徹するという言葉がありますね。
正に私にぴったりの言葉だと思います。
日々の憤怒は一生背負ってゆかざるを得ない我が身の業だと諦念するしかないと思っています。
返信する
変態するということ (二葉院長)
2010-04-24 09:17:06
おむぅさん

コメントありがとうございます。

流産や死産をされた妊婦さんの辛さは本当にご本人しか分かりません。そして、その他の病気も同様です。

しかしながら、共感することはできます。そして、そこから相手を思いやる心も生まれます。

おむぅさん、一つお願いがあります。確かに看護婦さんが言われるように、一度受けた怒りは忘れることはできません。そして、なかなか吹っ切れることも、その程度によっては難しいこともあります。

私は思います。私たちの人生における課題は「愛すること」「ゆるす」ことだと思っています。

そこで、おむぅさんの心の隅でもいいですから、「ゆるす心」をほんの少しでもいいから置いて頂き、意識して欲しいのです。これは、その医師を赦すのではなく、おむぅさんの怒りに満ちてしまう心をゆるすためのものです。

蝶は青虫からサナギになり、そこから変態し蝶となり、地に這っての生活から、自由に空に飛び立ち、美しく舞います。
蝶はサナギまでは青虫の細胞がびっしりですが、「蝶になろう!」というきっかけで、蝶になる細胞が生じます。その細胞は、はじめ青虫の細胞の免疫機能により排除されますが、何度も、何度も生まれることにより、徐々に体は蝶の細胞に変化してくるようです。
そして、体の中が蝶の細胞びっしりとなった時に、空への旅立ちの時となります。

何気ない変化の中でも体内では大きな変化を遂げているのですね。

人間にもできると思いませんか。「ゆるす心」を少し意識して頂くだけでいいのです。すぐに変わろうとは思わず、少しずつ少しずつ変化すていってください。

不可能なことはありませんよ!!

応援してます!!
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