インドから帰って来ると行きつけの古本屋が無くなっていた。
それを確認した時「あぁ~ぁ・・」と楽しみにしていた花がしおれてしまったかのようなため息混じりの声が口から出た。
時間が空いた時に少し立ち寄り、その場所でたぶん遠藤氏の本を50冊以上は買ったと思う。
最近は遠藤氏の読んでいない本を見つけるのが難しく、一ヶ月置きぐらいに行っても見つからないことが続いていた。
しかし宝探しをするように、もしかして今度こそ何かあるのではないかと思い、立ち寄っていたが、その楽しみもとうとう無くなってしまい、これ以上遠藤氏の私の読んでいない本を発掘するのを半ば諦めかけていた。
だが、休肝日の夜、アマゾンで一冊のマザーの本を買い終えてから、ふとそうだ遠藤氏の本も探してみようと思った。
すでに100冊くらいは遠藤氏の本が家にある、それゆえ同じ本を買ってしまいそうになることを前もって踏まえ、もし持っている本を買ったとしても、題名すら覚えていないのならもう一度読み直したって良いと言う保険を私自身に掛けてみた。
「一・二・三!」「どっこいショ」「月光のドミナ」「人間のなかのX」を買ってみたがその保険は使わなくて済んでいるといまは思っている。
発送終えたその本たちがいま私の家に向かっている。