前世紀の上海は手書きの看板が街に溢れていた。それが今世紀に入り激減し、今はほとんど見なくなった。それでも、上海万博前まで頑張って残していたのは、旧城内の修理屋と個人歯科医院など。二枚目の歯科医院の看板なんて、真っ赤なペンキで入歯が描かれていてサインとしてはとても分かりやすく優秀すぎる。この古ぼけた建物だからこそ、この手書きの看板が周囲の景観に溶け込んでいるのだ。
上海万博前に街の中心部の小さな個人商店すべてが店の看板を新調して一見きれいになったが、看板だけ新しすぎてとてもアンバランスだった。これは、街の景観を良く見せる為にお上から強制的に掛け替えさせられたので、資金は全部お上から出た。その当時、街の景観は看板のみ浮きに浮いていた。でも数年経つと、看板も汚れて馴染みすっかりと街に溶け込んでいる。
もうこんな、つげ義春的世界は上海にはない。
☆やっぱりねと思った記事 ↓
日本のすべての地域がそうでは無いとは思うが、ハーバービジネスオンラインの記事の地域おこし協力隊の記事を読んで、やっぱり前世紀と全然変わってねーと思った。前世紀に数年に渡ってUターンIターンの記事の写真担当だったので、それこそ北海道から九州まで様々なUIターンした人達を取材してきたが、特にIターンで成功している人はホント少なかった。ただ単に緑に囲まれた田舎暮らしという甘い幻想は捨てましょう。もし田舎暮らしがしたいなら、数年かけて住みたい場所を徹底的に調べる事をお勧めする。都会に生まれ都会に育った人は要注意。
★日本は他国に比べ住むにはすばらしい国だが、最近ちょっと息苦しい。