名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20180414今日の一手(その677);激しい順は読みの勝負

2018-04-14 | 今日の一手

20180414今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。左金の位置が違うので少し後手が堅いのかもしれません。
先手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。59飛もすぐに使えそうです。
後手の攻め駒は54飛53角と持ち駒銀で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

先手の右玉でしたが、中央での戦いになって飛車は5筋に移動していますから中飛車みたいなものです。銀交換から55同角とさばいたら、後手Aさんは84飛を54に回って間接的に73桂を守りました。
飛車が向かい合っていて、間に駒が一つある形です。通常はその間の駒の所有者が負担で、先手のピンチ。間にある駒が大きいほど負担が大きいです。
ただし角なので大きく移動できますね。素抜きの筋もありそうです。それが良いかどうか。

もし放置していたら後手から64銀があり、駒損になりそうです。その前に動くか、受け入れるか、避けるか、という三択で、それぞれの中でもいくつか候補があります。
動くならば、盤面を広く見て手を探したり、読みに落とし穴がないか確認したりする必要があります。
受け入れるなら中央からの反撃が利くかどうか。
避けるならまだまだ長い戦いでしょう。妥協しても悪くならないかどうか考えます。


○ 実戦は25桂で

銀を逃げてもらえれば、角を捨てて王手飛車の筋になります。それは先手がうますぎるでしょう。64銀に56歩

26角46角44歩37銀

後手Aさんは角を取らずに攻めようとしたのですが、これなら先手が指しやすいです。この後は激しい戦いになったのですが、先手Tさんが受け間違えて負けてしまいました。

後手としては64銀を打ったのですから、56歩には角を取るべきです。

55同歩74飛54歩75角

この角が好位置で、27角37玉48角成同玉49金という(少し無理な感じがしますが)強襲の筋もあります。単に48角成だけでも脅威なので、やや後手が指しやすいところでしょう。先手としては33桂成で桂馬を渡すのに気が引けます。

先手としては56歩では不満です。77角は58歩

飛車交換には応じてもらえず失敗です。

だとすれば56銀打として

55銀同銀74飛に75歩

75同飛でも同角でも64銀が決まります。取りにくいので84飛64銀打62角33桂成同桂

53歩か44歩か、一度落ち着いて46銀引か、角桂と銀銀の交換で駒損でもないですし、しっかり反撃していけば指せそうです。


○ 先手から64銀を打つのが面白い手で

64同角同角(王手)同飛52飛成

は竜を作った分は駒得で攻めていけます。

後手は64銀を取れず、42角に25桂

後手からの64銀を消して55角にひもを付けつつ、桂馬を跳ねればやはり飛車の素抜き筋があります。
後手としては58歩同飛69銀

というのが反撃の筋なのですが、普通に68飛と応じて飛車の縦利きが消えても、78銀成同飛64角同角同飛86角

銀を取られても王手飛車で返せます。(64飛同角同角ならば61飛で王手角取りです。)


△ 74歩と打つと

74同飛に64銀

このほうが見えやすいかもしれません。

後手は74歩を取らずに58歩

58同飛に69銀の筋で反撃があります。73角成58銀成同銀

飛と銀桂の二枚換えで駒得ではあるのですが、58同飛成同金69飛59飛57歩という強襲や、75角というのも不気味です。難しいですが怖い局面でしょう。

もちろん64銀もありまして

今度は56銀打では1歩損の1手パスです。56歩55銀73歩成

銀は取り返せるので瞬間は駒損でも互角でしょう。


△ 振り飛車らしく指すなら(元は右玉でしたが)56飛。

58歩同飛69銀の筋が消えています。64銀には同角56飛

の時に飛車を取り返せます。56同銀64角61飛

駒得になるので、後手からの飛車の打ちこみは厳しいものの少し指せるでしょう。

後手は51歩と打てば

25桂24歩33桂成同桂73角成56飛同銀59飛

これも駒得なので互角の展開です。


△ 57飛もあるか。

だいたいは56飛と同じようなことになるのですが、51歩に58歩

なんていう渋い歩の打ちあいがあるかもしれません。

後手から75角は気になりますが、64角

が王手で飛車を素抜けます。(角飛の交換だけですが、飛車を渡さないので指しやすい。)


× 58飛もひもを付けていますが69銀があるので

ちょっとばからしいでしょう。


△ 79金は58歩同飛69銀の筋は消えているのですが、64銀で

56銀55銀同銀74飛64銀打42角53歩

勢いは良いのですが。53同金同銀成同角44銀同銀同歩

きれいに攻めているのですが、駒損なのでちょっと悪いです。実戦的にはまあまあ勝負になりそうなのですが。


△ おとなしく指すなら56歩か



△ 56銀打か

これからの将棋です。銀を打つか歩を打つかはお好みです。ただその後(後手は74飛か62金)に狙いがないのでちょっと損でしょう。


☆ まとめ

互いに駒得を狙う激しい展開は、いろいろ読んでみるしかありません。残念ながら感覚だけでは対応できません。一つの筋を読んで、だめなら早めに違う順を考えます。たまたま見えた筋が当たっているように祈るのではギャンブルです。(ギャンブルのようにアドレナリンが出るので楽しいのかもしれませんが。)

64銀が有力で、後手玉の位置が悪いので先手が良くなるようです。
実戦の25桂は自然な手に見えるのですが、先手玉が薄くなっているという要素を見逃してはいけません。角銀交換でもしっかり反撃が利く、というところまで読めればよい手だったと言えます。

先手玉が飛車の打ち込みに弱いので、56飛や57飛は考えにくいのですが、振り飛車党なら考えるのかも。58歩同飛69銀の筋を避けて、飛車交換でさばきます。ちょっと駒得になるけれど後手から飛車を打ち込まれた時に自信があるかどうか。

おとなしい56歩や56銀打も一局です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋問題集 20180413 | トップ | 大山将棋研究(854);三間飛... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事