鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

梅雨の晴れ間に思う、はつらつサッカー・ユーロ2020と東京五輪のカオスの明暗…

2021-06-18 21:12:28 | 日記
思い起こせば昨年はじめから約1年半の長きにわたり、かの流行り病いのおかげで少々鬱々たる日々が続いています。東京都の緊急事態宣言や神奈川県のまん延防止等重点措置等の影響もあり、ウチの工房での陶芸教室も開講の機会がいささか減ってきています。そして工房併設のカフェは原則休業の日々が続いています。そのような中にあっても、5月半ばの「大人のワンピース展」&私の「日用雑器展」でオーダーいただいた作品制作は今真っ盛り。

ご注文いただいた作品の一部は今現在、生地成型から2週間の乾燥時間を経て、素焼きまでたどり着きました。

このあと、素焼きを終えた生地はうわぐすりをかけて本焼きとなりますが、梅雨の合間の陽射しを浴びてのうわぐすりかけは熱中症の前科のあるワタシにとってはいささか恐怖…。そして成型中の作品管理においてはエアコンがノーグッド。いずれにせよ、痩せっぽちの躰にはキツイ作業が続きます。

そのような中、散歩途中のご近所の知り合いや鎌倉散策ではるばる東京から足を運んでくれる友人知人との語らいはまさに「至極のひととき」。時節柄、真っ先に話題になるのはやっぱりコロナ。佐助の杜のちっちゃな工房の中で、ようやくシステマチックになってきたワクチン接種や、そもそもこのワクチンを打つか拒否するか、その他じつに多くの考え、疑問、意見が交わされています。

そしてこのたび、東京に発令されていた緊急事態宣言は6月21日からはまん延防止等重点措置に置き変わる模様。

しかしながら、お酒は午後5時から7時までの2時間で、しかもごく少人数での飲食が強いられそうで、ワタシのようなお酒飲みはもちろん、お店にとっても「なんの足しにもならない緩和措置」に他ならないのではないでしょうか。

昨17日の夜、菅総理は緊急事態宣言からまん延防止等重点措置へ移行する旨の記者会見を行ないましたが、これがまたいつものとおり「心に響かない」空虚な通過儀礼⁉…。ウチの黒猫ノワールも、つまらなさそうに聞いていました…。

会見に出席していた各メディアからは東京五輪について具体的な開催根拠を求める質問が相次ぎ、フランスの女性記者からは「開催に向けて『No』と言えないからですか。それともプライド? 経済の理由ですか?」とウイットに富んだ絶妙な質問も。この問いに対する菅総理の「痛いとこ、突かれたなぁ…」という感じの困ったような表情がなんとも印象に残ります。

実のところ、テレビやラジオをはじめ多くのマスメディアが伝えるように、政府は「何が何でも五輪を開催」と心に決めているのかもしれません。そしてここにきて、各マスコミの多くは「五輪を開いてホントに大丈夫なのか。感染爆発の心配はないのか」と、以前にも増して強いトーンで説いています。そこで現下の状況のもと、五輪のような大きなイベントを開くか否か、はたまたどのようにすれば適切に運営できるのかを考えるべく指標として格好の催しがヨーロッパで繰り広げられています。

日本では一般的にはほとんど話題になっていないサッカー・ユーロ2020という、サッカー・ワールドカップのヨーッロパ版…といったところでしょうか。

規模的にはワールドカップには及びませんが、五輪と同じ年に開催される、強豪ひしめくヨーロッパの予選を勝ち抜いた24か国ナショナルチームが欧州No.1を競う大会です。本来ならば昨年開かれる予定でしたが、東京五輪と同様に今年に延期され、見事に開催にこぎつけました。ワタシにとっては、ワールドカップの数倍、そして東京五輪の百倍くらい楽しみなスポーツイベントです。

ユーロは2016年大会までは単独一か国開催、そして2020年大会からは複数国共催とあらかじめ決まっていた幸運もありますが、このコロナ禍においても、ヨーロッパではユーロが粛々と行われています。

感染を避けるために観衆は満員にはしませんが、マスクをしていない人も相当数見受けられます。

ビデオ収録しておけばいつでも観ることができるのですが、やはりリアルタイムでの感染…ではなく、観戦がベストです。

このフランスVSドイツはもとより、イタリア、クロアチア、スペイン…、こちらのカラダがどこまで持つのか。7月12日未明の決勝戦まで長い闘いが続きます…。

そしてヨーロッパを舞台に毎日熱戦が繰り広げられているユーロ2020と東京五輪について、あらためて考えてみました。ヨーロッパ11か国で分散開催ということで選手、スタッフ、関係者や観衆が集中しない幸運もありますが、ユーロは開催へ向けて、国家や民族の垣根を超えた圧倒的熱量が感じられます。かたや東京五輪はIOCと菅総理周辺だけは熱量のほとばしりを感じますが、一般的にはいかがなものなのでしょうか。少なくとも、ワタシの周りではコロナの行方のほうが、熱量をもって語り合われている感があります。

さらには、ヨーロッパやアメリカは昨年以来コロナで甚大な影響をこおむってきたことから、感染予防へ向けて国の指導者が強い予防策を講じつつ、間違った施策を行った際には素直に国民に向けて謝る姿勢を示して結果的に信頼を高めていったように思います。ひるがえってこの国の責任者は「コロナに打ち勝つ」「安心安全な五輪を」と繰り返すばかりで、こちら側としてはその言葉を聞くたびに不安が募るばかりでもあります。

あと一か月と少々に迫った東京五輪に向けてはつい先ごろ、観客数は収容人員の50%、もしくはそれまでの収容許容数を大幅に絞って最大1万人までと急に決定しました。しかしながら、新国立競技場においては、最大で7万人弱の収容人数を予定し、五輪の人気種目ではすでに全席のチケットが完売しているもようです。外国人観客を受け入れない場合でも、日本人観客はゆうに1万人を超えることは確実です。仮に観客を1万人と規定した場合、入場者をどのように決めるのか関係各位誰も答えられないものと思われます。最終的にはIOCのごり押しで事が無理やり収まる構図でしょうか。ことほど左様に、この五輪の運営を巡っては、マクロ面でもミクロの観点からもすべてが「カオス」と化しているといっても過言ではないのでしょう。

「どうせなら、五輪開催に向けて上手い嘘で騙し続けてくれたほうがまだマシだ…」と思ったりもする中、折に触れて中島みゆきさんの楽曲「永遠の嘘をついてくれ 」が耳元に響いています。そしてもう一曲、サザンオールスターズの「栄光の男を」の中の♪信じたモノはみんなメッキが剥がれてく…というフレーズがアタマに絡みついて離れません…。

なんだかこのままでは「平和の祭典」ともいわれる五輪が「閉輪の災転」ともなりかねません。もう、あの人には菅れません!?。というか、もとから菅る気もありませんが…。

さあ、今宵も気を取り直して「ユーロでGo!」。


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