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記事紹介~日曜日最終回ATARU 中居君ってやっぱり違うな~ exciteレビュー

2012年06月22日 16時13分02秒 | 中居正広

 興味深く、楽しい記事なので、ご紹介 

【日曜日最終回「ATARU」。中居く んってやっぱり違うな 】

エキサイトレビュー  2012年06月22日 11時06分 ~引用~

コチラexcite レビュー http://a.excite.co.jp/News/review/20120622/E1340300128389.html


「ATARU」(TBS日曜21時?)の登場に よって、警察ドラマがいよいよ爛熟期を迎えた ことを感じている。

毎クール、必ずといっていいほど警察ドラマ (探偵ドラマも含む)が放送されるが、ここの ところ特に増加している気がするのは気のせい ではないはず。 そのうちドラマと警察ドラマが同義語になって しまうのではないだろうかと余計な心配すらし てしまう。

いっそのこと終日警察ドラマをやっ ている警察チャンネルなどを作ってはどうだろ うか。どうでもないか。

そんな調子だから、ふつうの警官や刑事や探偵 に「じっちゃんの名にかけて」とか「よし!わ かったぞ!」とか「うちのカミさんが」(古 い)「承知ししました」(警察モノじゃね え!)などの決め台詞を、手を変え品を変えて 言わせていくだけでは、当然限界もあろう。

だからなのか、一般にはあまり知られていない 検視官やら公安外事警察などの特殊なお仕事が 次々と掘り起こされていく。ついには、超能力 者を取り締まる仕事や大人がコドモになってしまう、なんていう漫画みたいな設定のドラ
マも 登場した。
今度はきっと似顔絵捜査官だなと予想したら、 既にやってた。ぎゃふん。

で、「ATARU」の工夫はこうだ。

「ATARU」は、特殊能力をもった主人公 に、FBIまで絡んでくる国際的警察ドラマと いう作りになっている。
アメリカからやってきた主人公アタル(猪口 在、あだ名はチョコザイ)は、映画「レインマ ン」で幅広く認知されたサヴァン症候群という 症状をもっている。感情表現やコミュニケー ション能力の代わりにものすごく発達した記憶 力をもっていて、それを生かして事件を次々と 鮮やかに解決していく。

通常だと警察ドラマの主人公は、たくさんしゃ べったり、たくさん動き回ったりするアクティ ブなものが多い。ところが、アタルは驚くほど 寡黙。人の話にもあまり反応しないで内向して いる。ほとんど寝ているだけの回もあった。
チャレンジなドラマだ。

その彼の目覚ましい能力は、シャボン玉が無数 に舞うという美しいCGを使って表現という工 夫が凝らされている。手間がかかったドラマ だ。

主役がおとなしい分、他の登場人物たちが過剰 に濃いキャラクターで奮闘する。下睫毛が銭形 警部、もみあげ?あごひげが次元大介みたいな 北村一輝、大食いな美人刑事を全力で演じる栗 山千明、へんな語尾でアタックをかける田中哲 司、とぼけた感じがチャーミングな中村靖日、 途中でキャラが変貌しても誠実に取り組む平岡 祐太、ジャニーズから玉森裕太、AKB48から 光宗薫などが、これでもかこれでもかと個性や ギャグを振りまいていく。

こんなだから、台詞を聞いてるだけのながら見 なんか許されない。トイレタイムすら許さな い。
意外と手厳しいドラマでもある。 脚本を手掛ける櫻井武晴は「相棒」の主要ライ ターのひとりなので、一話完結推理ドラマとしての体も十分。さらにはアタルに隠された秘密 を、全話通して描いていくことに腐心もしてい る。盤石なドラマなのだ。

アタルのもっているネ
ズミのぬいぐるみ、ケ チャップとハニーマスタードのがぶ飲み、花好 き、「アップデートしました」という決め台詞 などさまざまな行為がただの釣りオプションで はなく、のちのち意味が明かされていく手際に もワクワクさせられた。

また、アタルが欠かさず見ていた海外ドラマ 「シンクロナイズドスイミング刑事」は、警察 ドラマの中に警察ドラマ。アタルがパーカー2 枚重ねしているが、何かと重ねるのが好きなド ラマである。 「シンクロ刑事」はこれだけでも独立して成立 しそうなコンテンツだが、惜しげもなく番組内 ドラマにした上に、さらに至極全うな機能を付 加していて、たまげた。
作家の意地を見せられた気分だ。それも、テレ ビを使った催眠ネタを堂々とやってしまうなんて、あわあわ、あっぱれでござす。

そんなガヤガヤした中のひとつに、ほかの刑事 ドラマのパロディーが出てくる遊びもある。警 視庁の中には「ATARU」世界も「相棒」世 界も「SPEC」世界もあるような、いわばパ ラレルを統合したかのようなドリームが広がる わけだ。

もっとも、ほかの刑事ドラマのパロをやるな ら、各作品の出演俳優はあまりかぶらせないほ うがいいと思うがいかがだろうか。漫画だった ら手塚治虫のようなオールスターシステム(作 品をまたいでおなじみのキャラが登場する)が 通用するが、同じ俳優が違う役を演じている別 作品を、同一世界のように描こうとする遊び は、いささか高度過ぎるかもしれませんぜ。 こんなふうに、いいところ、気になるところ、 あらゆる要素がごった煮されて、混沌とした世 界に溺れてしまいそうな「ATARU」。

しかし、大丈夫。それを解消する救世主がいるのである。

それはもちろん、主演の中居正広だ。

どんどんと内容がカオス(混沌を英語にしただ け)になればなるほど、中居の演じるアタルの 無垢さや透明感が際立ってくるところが、この ドラマのマジカルなところ。

なんかめちゃくちゃに荒れた試合で観客が大騒 ぎしている中に、ある男がピッチャーマウンド に立つと、たちまち場内が水を打ったような静 けさに、 みたいな感じが、中居くんにはありますでしょ う。

バラエティーでハゲ親父を演じたり手練な司 会っぷりを見せたり、へんな私服を発表した り、歌では音程を外したりしているにも関わら ず、中居くんの体幹は不思議と真っすぐに感じ られ、アスリートのもつ求道者的な空気に似た ものを漂わせている。

そもそも中居くんの瞳は、奈良美智の描く少女 の瞳のような、世界のあらゆるものを見つめているようなところがあるわけで。

それが、アタ ルにピッタリなわけで。 「ATARU」の存在意義って、そこに尽きる と思うのだ。
正義や悪をすっぱり切り分けることも、真実を 確実にキャッチすることも、今の世の中、俗に まみれて濁ってしまって、悲しいかな、フツー の人間にはできそうにないものじゃあないです か。 と、絶望してみるものの、でも、もしかした ら、そういうものとかけ離れたアタルになら、 それを託せるんではないかしらん。

そんな新し い希望を「ATARU」は毎週日曜日の夜に感 じさせてくれている。
ピアソラのアルゼンチンタンゴみたいな、南米 の混沌の中から立ちのぼる切ない美しさのある テーマ曲も、一層、
中居くんの浄化能力を高め ていく。

しかしながら、ここまで警察ドラマを突き詰め てしまうと、この後、どうするんだろう? やっぱり 世紀末ウイーン芸術か 元禄文化か、みたいなことになってきていませんか、警 察ドラマ。
助けて、中居くん!

(木俣冬)

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