Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』

2015-01-09 | Weblog
オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』の稽古が始まっている。
ベルトルト・ブレヒト作品をもとにしたものをやるのは初めて。(台本・広渡常敏)
こんにゃく座さんとのお仕事も初めて。
もちろんオペラも初めて。
美術 島次郎、衣裳 宮本宣子、振付 矢内原美邦、舞台監督 森下紀彦、演出助手 城田美樹といった皆さんは、私はいつもお世話になっている人たちなのだが、彼らはみんなこんにゃく座さんと仕事をしている。
私と照明の竹林功だけが初めての参加である。
何しろ初めてづくしなので緊張もするし、楽しくもある。

作曲は林光さん。美しい曲ばかりだ。
音楽監督・萩京子さんの細やかさ、こんにゃく座メンバーの熱心さとプロ意識、音楽愛に感嘆しつつ、稽古を進めている。

宣材のために美しいイラストを描いてくださったのは、沢野ひとしさん。

以下、公演情報より。

こんにゃく座は、座付き作曲家、芸術監督であった林光が他界したのち、これまでに林光の代表作といえる3作品、『森は生きている』『セロ弾きのゴーシュ』『吾輩は猫である』を再演してまいりましたが、いよいよ次は、『白墨の輪』です! 林光オペラの上演を楽しみにして下さっている皆さま、また、こんにゃく座の次なる挑戦に期待して下さっている皆さまに向けて、満を持してオペラ『白墨の輪』をお届けいたします。
1978年に初演されたオペラ『白墨の輪』は、こんにゃく座が創立時より掲げている〈新しい日本のオペラの創造と普及〉という理念を、多くの方々に知っていただくきっかけとなったオペラです。創立当初より、民話オペラを中心に活動を成してきたこんにゃく座にとって、また林光の創作活動にとっても、ブレヒト原作による『白墨の輪』は新しい地平を切り拓く一作でした。再演を重ねた本作は1990年を最後にこんにゃく座では上演しておりませんが、林光とこんにゃく座の活動は、この作品が礎となって、『変身』『イヌの仇討あるいは吉良の決断』等の作品へと引き継がれ、日本オペラの可能性を問い続けてきました。
初演から38年、また再演としても25年ぶりとなる今公演の演出には、劇作家、演出家として活躍されている坂手洋二さんを迎えます。社会を鋭く切り取る手腕名高い坂手さんが、人間の普遍的真理、社会と個人、所有の問題を描いた「白墨の輪」をどのようにとらえ、私たちが今生きているこの社会とどう照らしあわせて描くのか、ご期待ください。また、林光の「書き方」を熟知する、萩京子、吉川和夫、寺嶋陸也、3人の作曲家が、ピアノオペラとして生まれた本作を、木管アンサンブルを加えた編成に編曲し、作品に新しい息吹を吹き込みます。
このたびの『白墨の輪』新演出公演、林光が著書「日本オペラの夢」で語り実践してきたオペラの楽しさの探究を、さらに一歩踏み込んだものとして、皆さまにご披露したいと思います。

○ものがたり
都で反乱が起こり領主が首を切られた夜、女中のグルシェは奥方が置き去りにした赤ん坊のミヘルを連れて逃げる。世継ぎの命をねらい追っ手は迫る。ついうっかり〈人間らしさ〉への誘惑に負け、領主の遺児を道連れにしてしまったグルシェは、苦労と危険を重ねるごとに愛情が深まり、ついにミヘルを自分の養子とする。
やがて反乱は平定され、奥方は亡き夫の領地と財産を手にいれるため見捨てた子どもが必要になる。自分こそ母親であると主張する二人の女。裁くは怪判事アツダク。地面に描いた白墨の輪の真ん中にミヘルを立たせ、二人に両方から引っ張れと命ずる。世に名高い白墨の輪の裁判の成りゆきは……。

○林光・はやし ひかる /作曲家
1931年東京生まれ。長年オペラシアターこんにゃく座芸術監督兼座付作曲家をつとめる。
1941年から尾高尚忠氏に作曲を学ぶ。東京芸術大学作曲科に入学。1953年同校を中退、同年、間宮芳生・外山雄三氏とともに作曲家グループ「山羊の会」を結成し、次々と作品を発表しはじめる。
1953年に『交響曲ト調』により〈芸術祭賞〉を受賞、1961年映画「裸の島」(新藤兼人監督)の音楽にたいし〈第2回モスクワ映画祭作曲賞〉を、1995年「ヴィオラ協奏曲《悲歌》」により〈第44回尾高賞〉を、1998年にはオペラの作曲活動全般にたいし〈第30回サントリー音楽賞〉を受賞。
こんにゃく座が初演した主なオペラ作品は、『セロ弾きのゴーシュ』(86)、『吾輩は猫である』(98)、『三人姉妹』(01)、『イヌの仇討あるいは吉良の決断』(02)、『ねこのくにのおきゃくさま』(11)など多数。
『第三交響曲〈八月の正午に太陽は…〉』(90)をはじめ多くの室内楽、ピアノ曲などの器楽曲群がある。そして「ソング」と呼ばれる個性的な歌の数々と合唱曲などの声楽曲は、親しみやすさとわかりやすさ、その上的確なテキストの「読み」に裏付けられた本質に迫る「林ソング」の魅力で、声楽家・評論家ばかりでなく、教室の子どもたちからも大歓迎されている。
60年に及ぶ活動の集大成として、2008年7月小学館より『林光の音楽』(CD20枚+書籍1巻)が発売された。
2012年1月5日没。

2015年2月6日(金)~8日(日)
・6日(金)18:30~
・7日(土)13:00~ 18:30~
・8日(日)11:00~ 16:00~
*開場は開演の30分前

世田谷パブリックシアター TEL.03-5432-1526
東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー
三軒茶屋駅[東急田園都市線(渋谷駅より2駅・5分)・世田谷線]直結

○チケット料金
*全席指定 *当日は一人500円増し *税込金額
A席(1F・2F中央1列目)一般:6,000円 ペア:11,000円 学生:4,000円
B席(2F)一般:5,000円 ペア:9,000円 学生:3,000円
C席(3F)一般:3,500円 学生:2,000円
【世田谷パブリックシアターチケットセンター、オンラインチケットでの取扱】
〈劇場友の会〉 *1 A席:5,500円 B席:4,500円
〈アーツカード〉*1 A席:5,700円 B席:4,700円
〈U24〉    *2 A席:4,000円 B席:3,000円 C席:2,000円

託児サービス・車椅子スペースあり。

http://www.konnyakuza.com/syusai_b.html
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