Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

韓国現代戯曲ドラマリーディング開催中

2015-01-18 | Weblog
韓国現代戯曲ドラマリーディング、シアタートラムにて絶賛開催中。
最終日の本1月18日(日)は14時から「アリバイ年代記」。これは日本ではなかなかお目にかかれないスタイルの戯曲だ。ぜひ未見の方はお見逃しなく。
そして17時よりシンポジウム「女性が世界を変える」出演=金明和、金潤美、永井愛、小林七緒、 大笹吉雄。

写真は一昨日の夜、「アリバイ年代記」初日を終えて。
左より中津留章仁、私、「アリバイ年代記」の作者キム・ジェヨプ、 大笹吉雄日韓演劇センター会長。
昨年、中津留作『背水の孤島』をキム・ジェヨプがソウルで演出している。私を挟んでむさ苦しい三人男揃い踏みで、記念にか魔除けかということらしく撮られてしまったという写真。
もちろんキム・カンボも来ていて逆の向かい側に座っている。今回参加できなかった木村典子さんから電話がかかる。私はここ十数年、日韓関係で何かあるとたいていカンボ・典子と遊んでいる。

既に上演の終わった二作品も力作、上演にも熱が籠もっていて、今回の開催もとりあえず成功と言えるだろう。
昨日は午前中から今後のことを話し合う日韓の事務局会議だったが、議論百出、意義のある会議だった。

キム・ユンミ作『五重奏』は鬼頭典子さん初の翻訳、薔薇をあしらった保木本佳子演出、女優陣の正面切った押し出しで、「女」の迫力全開だった。小山萌子の暴れん坊ぶりが楽しく、都築香弥子の口跡がひときわ鮮やか。もう少しユーモアが見えてきていいはずだとは思う。

キム・ウンソンの『木蘭姉さん』は、石川樹里さん翻訳の北朝鮮方言を創作する(みごとだ!)恐るべき馬力、さすがの松本祐子演出、適材適所の俳優たち大奮闘で、圧巻。立ち見の大盛況で観客にもどかんどかんと受けていた。キム・ウンソン自身に「坂手作『屋根裏』の影響を受けている」と事前に言われていたとおり、随所に親近感を憶える世界。家族の話と大文字の天下国家の世界が並行する構成は、拙作ではどちらかというと『だるまさんがころんだ』に近い。終演後に話をしてみると、作者はソウルで私が演出した韓国版『屋根裏』を観て、その時に引きこもりの息子を演じたユン・サンファをそのまま『木蘭姉さん』でも引きこもりの長男役にキャスティングしたという。今回リーディングでその役を演じているのは『カウラの班長会議』等でおなじみ櫻井麻樹。

久しぶりにどっぷり三軒茶屋と韓国演劇に浸かったのであった。
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