Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

想像力

2010-09-15 | Weblog
事務的なことを片付けている間に、劇場入りの時間となる。2日目。「二日落ち」というコトバが嫌いだ。だから今日は2日目ではなく「スーパー初日」と考えるのだ、と皆に言う。笑ってください。真剣なんだがね。……観客の拍手が止まず、予定外のダブルコール。ありがたい。……菅首相続投とのこと。なんの感想も湧いてこない。新しい世代のキチンとした政治家が出てこないのはなぜか。それは、政治の世界が面白そうに思えないこと、政治の当事者になることによって、世界と歴史、現在そのものに触れるという「手応え」が感じにくいということに尽きるであろう。……問題は、想像力の貧困、その一言で終わる。現実であろうが夢であろうが、人間の力とは、どれだけ豊かでリアルな想像力を持ちうるか、というところにある。
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初日、そして、さようなら

2010-09-14 | Weblog
初日。今回の芝居は、メタシアターであり、演劇・劇場論も含まれるゆえ、お客様がいるところで初めて成立するともいえる。予定調和を排するため、あえてそのように現場では言ってこなかったが。観客と共に創られた時空間は、劇の内容そのものをしっかりと立ちあがらせた。さらに精進したい。……谷啓さん、昨日の山元清多さんに続いて、今日は加藤一也さんの訃報が届く。……山元さんと初めてお会いしたのは二十年以上前。シナリオ書きのためテレビ局の缶詰になっておられた時に呼ばれ、局の地下の食堂でカレーライスをご馳走になった。十数年前、マニラでいっぱい話をした。目的なくマーケットを歩きながら、話題が尽きなかった事を思い出す。その後『サザンアイランズ』公演も含め、本当にお世話になりました。……加藤さんはぜんそくの発作だったと聞きます。本当にくるしかったことでしょう。……ご冥福をお祈りいたします。
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いよいよ幕開き

2010-09-13 | Weblog
初日前日。昼は部分稽古。夜はゲネプロ。「作る」ことはもちろんだが、俳優自身によって「成る」ことをも主眼に作っていくことの難しさ厳しさ、自由さ。現実と舞台を突き通す開放感を渇望せよ。最後に詰めてゆく作業。剣幸さん、円城寺あやさん、小山萌子さん、それぞれの魅力、初顔合わせの楽しさ。劇団員も新境地を目指し頑張る。長いつきあいのスタッフ陣の、正しい突っ張りと相互受容。あと一歩で全てが噛み合う。これがチェーホフ? もちろんチェーホフ。そして、そうではない。ここにいるのは過去の恩恵と逃れられぬ現実に挟まれた、「私たち」である。……夜にまた、哀しい報せ。初日をしっかりやることが、私たちのお返し。私たちは常に、舞台という触媒によって繋がっているのだから。
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「坂手さん、『ガチョーン』は押すのではなくて、引くのです」

2010-09-12 | Weblog
終日、劇場。夜は通し。……谷啓さんが亡くなられた。二十年前から五年間、某ホテルのミステリーイベントの仕事をご一緒した。私たち二人だけがほぼレギュラーだったのだ。谷さん青春時代のこと、「ガチョーン」誕生秘話を芝居に入れたりした。茅ヶ崎の進駐軍クラブでのジャズバンドの面々を描いた『青空のある限り』(1996)執筆にあたっては、実体験者の谷さんにあらためてお話をうかがった。谷さんが梅ヶ丘の我が稽古場にいらした時の感激は忘れられない。いろいろなこと、ほんとうにありがとうございました。……廣木隆一監督・荒井晴彦脚色の映画『やわらかい生活』脚本活字化についての裁判が敗訴。私も「脚色」の仕事をして苦汁を飲んだことは多々。必ずしも不幸ではないけれど実現しなかった廣木監督との仕事でも脚色ものが何点かあった。海外の場合はほとんど「契約条件の問題」となってしまうことらしいが、脚色者のオリジナリティは認められるべき。……9.11。それ以前の、錯覚としか思えない「のどかなアメリカ」は、ほんとうに過去のものだ。
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池袋の日々

2010-09-11 | Weblog
場当たり。強行軍。途中駆け足だが、ケースバイケースの行程計算切り替えで、終わりまで。……池袋の劇場。この町は、最近は東京芸術劇場で何度か公演している。最初は21年半前、柱が邪魔だが雰囲気のあった今はなき〈文芸坐ル・ピリエ〉で一ヶ月ロングラン。『さすらい』。ドストエフスキイ『白痴』をもとに、私はムイシュキン公爵にあたる役、観てくださった石橋蓮司さんに「座長がこういう役をやってはいけない」と言われた。猪熊恒和は、渋い狛犬の役であった! ……厚生労働省・村木元局長、無罪判決後の会見は、確かにいい笑顔。……深夜、11月座高円寺でオープンの新作『3分間の女の一生』チラシデザイン案、届く。もともとぶっ飛んだ内容なのだが、これはインパクトあるぞ。
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歴史と今この時

2010-09-10 | Weblog
小屋入り。初めての劇場なので、少しどきどき。……夜、照明シュートの途中で抜けさせてもらい、来年の仕事との絡みもあり、開演に間に合わなかったが、青年劇場『島』。半世紀以上前の堀田清美作品。上演苦労が偲ばれる。「被害者の視点」で一貫しているのは、書かれたご時世故か。……東京医科歯科大学の徳永氏が、必要あって作品リストを作ってくたのだが、公演数も数えてくれて、「燐光群は今回の公演が107本目のようです」とのこと。うーむ。
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久しぶりの雨

2010-09-09 | Weblog
稽古場最終日。後半あたって、頭から通す。さすがに疲労。こういう時に集中力を持たせるのは難しいが、とにかく少しでもコマを進めたい。しかしチェーホフの四大戯曲を一挙にやってしまうというのは、ある意味、暴挙だな。いやいや、「快挙」にしましょう。……衣裳の細部もいよいよ詰めきらなければならない。コクーン『シダの群れ』、ルテ銀『イリアス』と、美術担当の初日がほぼ重なり状態で、こちらでは美術・衣裳兼任の伊藤雅子さんも、かなりたいへんそうである。……久しぶりの雨。台風の影響。四谷や渋谷ではかなり水が出た所もあったとか。夜になって、湿度もあるが、風があるのでやや涼しくはある。
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悪女

2010-09-08 | Weblog
一部原稿を仕上げて、午後から夜はひたすら稽古。……現在発売中の雑誌〈東京人〉最新号、「悪女」特集に、ジョン・ダール監督の映画を振り出しに、主に阿部定について書いている。私は「いい女」という意味で受け取っているが、考えてみると「悪女」というカテゴライズもビミョーなものではある。「オノ・ヨーコ」を「悪女」という人もいるのだな。ふーむ。興味ある方はどうぞ。
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テニアンの集団自決

2010-09-07 | Weblog
稽古場とは無関係に、読まなければならない、書かなければならない書類・原稿、山のように。なかなか進まない。締切というか期限が次々迫るが、なんとも、ぎりぎり勝負を重ねる日々。……江森盛夫さんが朝日新聞掲載の拙文についてブログで触れてくださる。演劇内外を常にシビアな目で見つめておられる氏の言葉だけに、励まされる。……同じ文について初代反戦自衛官・小西誠さんからも連絡あり。文中「テニアンは多くのウチナンチュウが死を選ばされた、玉砕の島」と触れているのだが、小西さんは先週、そのテニアンに調査・研究で行ったばかり。現地の「沖縄の碑」の写真も送って下さった。当時の在留日本人の7割がウチナンチュウ。小西さんは、沖縄での「集団自決」と並ぶ、テニアン・サイパンでの「ウチナンチュウの自決」に関する資料・書籍を捜しておられるそうで、私自身、資料の少なさを痛感していることもあり、もしもご存じの方がおられましたら、そうした資料・書籍等をお教えいただけると幸いです。
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世間は日曜日

2010-09-06 | Weblog
『ワーニャ』『桜の園』をしつこく。夜は『かもめ』。今やこの劇の基準の時間軸を作ってくださっているというべき剣幸さんはじめ、出ずっぱりの俳優諸氏には過剰な労働を強いてしまうが、申し訳ない。今やっておかないと。……雑にやってはいけない、演劇をばかにしていることになる、と、人に言ったりもするのだけれど、自分にも返ってくる言葉。……帰りの接続駅・吉祥寺で、えらく久しぶりに居酒屋、一時間だけ。円城寺あやさんと、あれこれ話す。あやさんがこの「チェーホフ」で何を演じるか、早くみんなに言いたいなあ。
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思っているより速く時が経つ

2010-09-05 | Weblog
午後は『桜の園』をしつこく。夜は『三人姉妹』、あえて温度を下げて深める。俳優どうし互いの言葉が聞こえてくる領域が広がってくると、戯曲の狙いと、その俳優でなければならない「何か」が、相乗効果を持って、たちあがってくる。……観たかった知人の映画の試写が、もうすぐ終わってしまう。ちょっと予定に組みこめそうにない。残念。……悲劇喜劇最新号届く。つかこうへいさん追悼、表紙にそう記してあることが、苦い。
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『徳之島少年と旅人』

2010-09-04 | Weblog
4日づけ朝日新聞朝刊オピニオン欄に、『徳之島少年と旅人』が載る。新聞社側が〈論劇〉という枠名をつけているが、ともあれ、対話形式で書くことを依頼されたものである。論説文形式で書く方がよほど楽だということは、言っておく。こっ恥ずかしいけれど、「徳之島の自然と平和を守る会」の椛山幸栄会長にいちおう「明日、載るんで」と電話。小沢氏の普天間基地移設見直しについての無責任発言、秋の沖縄知事選についても少し話す。……まあ、今回は「予告編」である。徳之島については、来年、きちんと演劇を作りたい。四日間滞在しただけだが、私はあの島が好きだ。
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とりとめもない一日

2010-09-03 | Weblog
午後『ワーニャ』集中稽古。別班は倉庫に行き積み込み等、梅ヶ丘では部分集中自主稽古など。……夜、あうるすぽっと、流山児★事務所『桜の園』。同じフェスティバルに参加なので劇場機構視察やら含め偵察?的に観劇。開演前に演出=千葉哲也氏が「フツーのチェーホフ」と言っていたが、四幕では今の日本の人間の空気を反映していて、没落をわかっていて見過ごす確信犯のラネフスカヤたち。……政治情勢の変化により紙面変更も考えられるので確定ではないが、早ければこの4日土曜日、あるいはそれ以降に、朝日新聞朝刊オピニオン欄に、新聞史上画期的であるともいえる、拙文が載る予定。
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さて

2010-09-02 | Weblog
午前中、来日中のベルリンの演出家・渡邊和子さんと話。こちらが忙しく駆け足なので申し訳ない。……実のところ、私はベルリンが好きだ。歴史に対する意識が明確にある街、演劇があんなに愛されている街は、世界中他にないのではないか。もう三年以上行っていない。かなしい。……稽古は、『三人姉妹』『桜の園』、できる限り粘る。若い劇団員よ、頑張れ。恥をかけ。……民主党代表選、無投票になるかもという噂は露と消え、菅・小沢対決となるようだ。かっこわるいし、気が重い。大人の無様さを、十代の子供たちも見ているんだぞ。……シビアな締切に追われていない日は、珍しい。すぐにでもやるべき仕事が山積はしているのだが、今日は泡盛を飲んで寝る。第一、眠い。
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これで8月はおしまい

2010-09-01 | Weblog
朝から歯医者、日韓演劇交流センター会議、ラジオの取材、そして稽古。照明の竹林功、稽古場に来る。あれこれ相談。彼は中学の同級生で、劇団ではずっと一緒にやってきたのである。たまには飲みたいが、二人とも後に用事があるので、稽古場の帰り道に缶ビールを買い、駅のホームで飲む。私は梅ヶ丘へ向かう途中の下北沢駅ホームで、お世話になっているF弁護士夫妻とばったり。捨て場所のなかった空の缶ビール片手だったのでアル中と思われたかもしれない。
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