Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

東京は暖かいが

2013-01-22 | Weblog
麻生太郎副総理の、社会保障制度改革国民会議に於ける高齢者などの終末期医療に関する発言。「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃかなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」。医療費問題に関連して、患者を「チューブの人間」と表現した上である。彼は議事録から該当部分を削除するよう申し入れ、言い訳のつもりでか「公の場で発言したことは適当でない面もあった」「(自分ならどうかという文脈で)私見のつもり」というが、公の場でなければ言ってもいい、本音はもちろん今もその通りだ、と言っているわけだ。「政府の金で」というのも、どう考えてもおかしい。……大阪市立桜宮高校の体罰理由の自殺問題で、市教委は橋下市長の言いなりに、同校で2月に実施予定だった体育系2科の募集と入試の中止を決めた。試験科目や配点、日程が2科と同じ普通科(同120人)の入試を、3月に実施する従来の普通科(同160人)とは別に実施することも決めた。定員を振り替えるその普通科は府内全域から募集するうえ、スポーツに特色のあるカリキュラムを組むことにしており、体育系2科に近いという。さらに、入学後に体罰の実態調査や教育方針の見直しなどが終われば、2科への編入も検討するとしているので、市教委としては、世論等の動き次第では早期に「体育系2科に戻せる」と考えた上でのぎりぎりの選択かもしれない。しかし「体育系2科に戻せる」という確実な保証はない。橋下市長は会議に先立つ21日午前、同校を訪れ、全校生徒約840人に「クラブで勝つより大事なことがある。立ち止まって考えてほしい」などと入試中止への理解を求めたというが、それを受けて同校運動部の元主将ら同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が会見。「市長は(一方的に話しただけで)私たちの話を十分に聞いてくれなかった」「具体的な理由がなく、(橋下市長は)『生徒、受験生のことを考えて』と何度も繰り返したが、在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」「何の関係もない中学生が巻き込まれることに納得できない」「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。普通科に回されるのは、在校生の私たちは納得がいかない」とした。また、橋下市長が体罰の背景に「生徒たちも容認していた」「勝利至上主義」などと発言していたのに対し、女子生徒は「容認していないし、勝つことだけが目標ではなく、礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」と反論。自殺問題について「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」として「教諭の総入れ替え」にも反対、「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」「このまま自分たちの大切な後輩を残して卒業できない」「今回の結果が覆せるんじゃないかと、強い思いを持ってきた」という。生徒の死の責任が顧問教員だけにあるはずはない。詳細と原因はきちんと解明されるべきであるし、責任も問われねばならないとは思う。だが、一部教員が問題を起こすたびに高校が新入生の募集停止をしなくてはならないほどの「誤った体制」があるとしたら、それはその学校のみで収まらない「覆しがたい強度と構造を持った誤った体制の問題」であると受け止めるべきである。市長が体罰容認発言をしてきた事実がある以上、教育委員会や市も責を負うべきであるし、改革の対象とならねば筋が通らない。そうではない、現状に対応しながら改善していくというなら、今からでも2科としての入試を実施すべきだ。……この世界、殊にこの国に、自分に都合の良い論理のすり替えとごり押しが横行しているという印象が、日々、増している。……アルジェリアでの人質事件、これが欧米主導の「テロとの戦い」文脈でまとめられていくことを警戒する。安倍晋三首相は「企業戦士として世界で戦っていた人が命を落とし、痛恨の極みだ。テロは許されない」と言うが、なぜここで「企業戦士」なのか。「戦士」に評価のニュアンスが入っている以上、一般語としてのみ言っているつもりではないだろう。……期限が切れて更新したパスポートを受け取りに行く。ビザのスタンプ欄は大半のページが真っ黒に埋まっている。いろんな所に行ったのだなあと思う。もうこれからは見ることのない十年前の写真(添付したもの)は、今とどう違うのか。髭が黒いなあとは思う。日本人と思われなかったこともあった。……東京は暖かいが、しばらくは、雪のない道を足下を気にせず平気で歩ける幸せを、大事に感じたいと思う。
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