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やぁ、みんな。サカタだよ。

猫の陰謀

2020年05月06日 | サカタだよ

うちには犬と猫がいる。犬は1匹、猫は2匹……犬はだいたい猫ぐらいの大きさで、犬より猫たちの

ほうが先にいたので犬はそれらを兄のように慕いつつ、見習いつつ成犬になったから仕草が猫っぽい。

キャットフードを食べてるせいかもしれない。いつも猫たちと行動を共にし、猫たちに嫌がられても

ついていく。犬は身体能力が低いから、猫たちが高いところに上るとやむをえず下で過ごす。

犬がしつこいと猫はテーブルの上や棚の上、窓辺などに飛びうつって身をかわす。いつも犬を避けるか

というとそうでもなく、床で一緒に丸まっていることもある。そんな様子を見慣れていると、犬と猫は

どちらも人間の膝に乗るぐらいの、ちょうどよい大きさと勘違いしそうになるけど、猫と違って犬には

超小型犬から超大型犬までサイズのバリエーションがある。猫にはない。

猫はせいぜい、超小型犬か小型犬ぐらいのサイズに収まる。もし中型犬ぐらいの猫が飛びついてきたら

ギョッとして人間は身をかわすし、中型犬ぐらいの猫があの身体能力でかかってきたら人間はおそらく

勝ち目がない。いわんや大型犬や超大型犬をや。地を這いまわるだけの犬であればセントバーナードや

ドーベルマンやシベリアンハスキーが走ってきても飼い主にはかわいく見えるだろう。しかし大型の猫

とか超大型の猫(例・セントバーナードぐらい)があの跳躍力で、音もなく空中殺法を仕掛けてきたら

命がいくつあっても足りない。人間はひとり残らず狩られてしまう。

そこに猫の陰謀がある。犬科の生物はサイズがどんなに違おうと、「犬です」という顔をして人間に

近づいてくるけれども、猫科の生物は小さいやつだけ「猫です」という声で鳴いて中型以上の猫族を

野生に追いやってしまった。ライオンや、トラや、ヒョウや、チーターたちも本来は同じ種族なのに

小さいやつらがニャーとかミューとか声色をつかって人間に「猫です」と信じさせることに成功した。

その証拠に猫どうし鳴き声でコミュニケーションをとることは稀で、あれは人間に聞かせるための声

だと多くの猫本に書いてある。

犬は犬どうし吠え合って何かを伝え合うが、猫は猫どうしジェスチャーで何かを伝え合うばかりだと

どの猫本にも書いてある。人間に対しても、犬と違って猫はむやみに鳴かないしまっすぐ見つめない。

むしろ目をそらす。あれは自分がライオンやトラやヒョウやチーターとは違う「猫です」と偽装して、

正々堂々としていない後ろめたさの表れだった。猫はみんな嘘ついてる。

そのことに気づいたのは、博物館にある犬の骨格はサイズがまちまちなのに猫の骨格はサイズが同じ

であることに疑問を感じ、あの生物に疑惑の目を向けて観察した結果である。猫の陰謀はもうひとつ。

どんな猫本にも、猫を撫でたり抱いたり膝の上に乗せたり腹の上に乗せたりしたときゴロゴロゴロと

喉を鳴らすのは「甘えてる」のだと書いてある。どうやってあの音を鳴らしてるのか誰もわからない

とも書いてある。そうやって油断しているといい。あのゴロゴロゴロゴロは、ライオンやトラの咆哮

そのものだと気づかないのは迂闊である。ガルルルルルル……とゴロゴロゴロ……。

猫の気持ちも知らないで、ゴロゴロゴロと喉を鳴らす猫をかわいがり、猫なで声で話しかけていると

犬歯をむき出しにした猫が急に喉笛に噛みつき、野生の本性を顕わにして鋭い爪で目を攻撃してくる。

なにしろライオンやトラやヒョウやチーターと同種の生物なのだから、甘えているなんて勘違いして

相手に腹を見せた無防備さを悔いても遅すぎた。猫の陰謀にまんまとハマったのである。

 

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