サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

穴の奥

2017年01月18日 | サカタだよ
穴の奥から見つかったヴィーナスです。どこの穴かというとフランスのラスコー洞窟です。フランス人は
これをヴィーナスと思うみたいですが、美の女神というより豊穣の女神という感じ。または縄文っぽい。
股じゃなくて、またはですよ。


こんな穴の奥で見つかったらしい

よく入りましたね、真っ暗で不気味な洞窟に。灯をともしたら天井や壁に絵が描いてあってビックリした
に違いありません。ラスコーの洞窟壁画、わざわざフランスまで見にいったわけではなく、壁画のほうが
わざわざ日本まで来ています。上野の科学博物館で開催中の「ラスコー展」を取材しました。


この石器、ランプなんだそうです

館長の海部さんによると、とても貴重なものだそうです。フランスから借りられると思わなかったみたい。
みなさん壁画を見にきているのに、ランプの話のときテンション最高だったかも……。穴の奥のさらに奥、
いちばん深いところで見つかったランプ。これがないと真っ暗で絵なんか描けません。


クロマニョン人たち

道具を使って、火を使って、芸術的な表現をして……クロマニョン人は原始人のわりに頭いいと思ったら、
なんと現生人類とおなじホモ・サピエンスだった。縄文人も一緒。どうりで作るモノが似てる!


ホモ・サピエンスのお仲間ちゃん

ホモ仲間……じゃないホモ・サピエンス仲間のクロマニョン人は洞窟の壁にいったいどうして絵を描いた?
いちいち絵の具をこしらえて、ランプで火をともして、暗い洞窟の壁や天井に石器で刻みを入れて色を塗り、
写真もないのに動物の動きをリアルに表現したわけは?


馬や牛の蹄の数まで描き分けた

フランスつながりでいうと写真時代のドガが踊り子の動きをリアルに描くのと、どこか似ている気がします。
それまでの絵画では動きが理想化されて、計算された構図によって描かれてたのを、写真を助けを借りて
近代の画家がやっと壊した。それに似たものを写真のない大昔の人間が壁に描いていた……。


ブラックライトを当てると面白い

博物館では照明を落としてブラックライトを当てて見せてくれます。それを自分のデジタルカメラで撮ると
真っ暗で何も写りませんが、クロマニョン人が石器で刻みつけた線を見ることができます。面白いので、
ぜひ科学博物館で見てください。2月17日までやってます。


鳥の顔した人間が穴の奥の奥に

写実的な動物の絵に囲まれて、鳥みたいな顔をした人間があおむけに描かれているのがわかりますか?
祭祀なのか何なのか、わからないそうです。


骨で作った縫い針

こんな精巧な道具があれば動物の革を縫い合わせて衣服を作ることもできたであろうということで、展示に
着飾ったクロマニョン人が登場します。


ゴージャス!! (顔にペイント)

ホモ・サピエンスであるクロマニョン人は頭がいい。それ以前のネアンデルタール人やハイデルベルク人が
単純な石器で狩猟採集を何十万年も続けたのに対し、短期間でさまざまな工夫を編み出したようです。


馬を刻んだ投槍器

かわいいだけじゃありません。石の矢じりがついた槍を、この投槍器で遠くまで飛ばすことができるから
ホモ・サピエンスは大型動物に接近しないで、危険を冒さず倒すことができたのです。


こうやって使います

いまの人間よりも頭いいかも? 絵も上手だし、クロマニョン人に負けてるかも……内心そんなことを
思いながら、イラストレーターのスソアキコさんと博物館をめぐってページを作りました。1月25日に
本屋さんに並びます。また違った視点の記事なので、よかったら見てみてください。
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