やぁ、みんな。サカタだよ。温厚で思慮深く、口が悪いだけで根っからのヒューマニストだから「長くつきあうほど毒と薬の加減に魅了される」って人からよく言われるよ。「サカタは敵を作らないよね」って、複数の人から聞かされて「そうかもな」と本人も思いかけてた……でも違ったんだ。
まったく正反対の意見を耳にすることもあった。「サカタは会社の雰囲気を悪くしている」と身に覚えのない批判めいたことを誰かさんが言ってるとか、風の噂に聞いても真に受けることが全然なく「なんだそのデマは？」ぐらいに思って忘れてた。でもデマじゃなかったんだ。批判があったんだよ。
最近、ごく最近、どんな批判を受けているか教えてくれる人が何人かいた。ちょっとずつ違う話だけど、共通してるのは現在21歳の我が子がうまれたとき、男性としては会社で初めて育児休業をほぼ１年間とってオムツ替えたりミルクやったりして過ごした先例が一部の人たちの印象を悪くしてること。
いつの時代のできごとで批判されなきゃいけないのか。しかし、それから20年ほどの間に数人の男性が育児休業制度を利用しており、よからぬ前例を作った男としての認識が一部にあるという。制度を作ったのは自分ではなく先達なので、批判するなら考案者だろうに利用者の露払いがなぜ槍玉に？
まさかそんな時代錯誤な……優れた制度を誇るならともかく、余計な真似をした迷惑者として白眼視していたとは！ 根っからのヒューマニストとしては少なくともウラを取る必要があると思い、ここ１年ぐらい何人かの人に「ぼく育休をとった最初の男性なんで会社から睨まれてるじゃないですか」と水を向けてみると、なんということでしょう……だれもが当然のように首肯します。
知らなかったのは本人だけ。とある同期は20年以上前「あんたの同期（＝サカタ）育児休業とってるらしいね」と犯罪者の仲間みたいに言われて返答に困ったって、「いまだから話せるけど」的に明かした。そんなことがあったとは露知らず、温厚で思慮深く、口が悪いけど敵を作らない人物かもと自分のことを思いかけてたなんて、これぞ「天然」ではないか。それにしても本人に直接伝えないとは、奥ゆかしいこと奥ゆかしいこと。
もちろん悪い意味で。
