サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

ページがとんだ2

2018年01月17日 | サカタだよ
もう次の号も出たし時効なので書きますが、年末の特集でページがとびました。不倫についての記事で、
初めに企画書を窓口部署に送り、検討の上で話が進んだので取材に行って2ページ記事を書きました。
全10ページの中で最後を飾る2ページです。

内容確認のための校正刷りを、また窓口部署の担当さんに送って、翌々日の夕方までに戻してほしいと
お願いしました。窓口の担当さんがとりまとめて戻してくれるだろうと思っていたら本人から翌日、意外な
メールが届いたのです。

お世話になっております。
原稿を拝見させていただきました。

残念ながら、先日お伝えした内容と意図が異なる箇所が複数あり、
読者の方に誤解を生みかねない恐れがございますので、
現在、当方にて原稿を一から作成をいたしております。

つきましては、明日17時までのお戻しが難しく、
期限をご相談させていただけますか。

タイムリミットをお教えくださいませ。


間違いがあれば訂正するし、言い回しが気になるなら表現をあらためるのですが、原稿を一から作成と
いうのはどういうことだろう? 文章の意味で原稿という言葉を使うことが一般の方によくあるので、そこ
の間合いを測りつつタイムリミットをのばす返信をしました。

お世話になっております。

書き起こしていただいたテキストは、
お戻しとして反映いたします。

月曜日の15時までにメールにて
いただければ幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが、
よろしくお願いいたします。


穏便な内容だと思います。どんなテキストがきても、もし本当に一から丸ごと書いた「原稿」が届いても、
編集して記事に反映させることはできるので、ともかく進めてもらおうと……すると直後に、大きな字の
メールが返ってきました。

お話しした趣旨が伝わっておらず、読者に不快感を与える内容となっております。
0から2P作成分作成することになり、こちらの手間を考えたら、時間的にも金銭的にも割りがあっておりません。
どうしたらよろしいでしょうか


さっきは「一から作成」でしたが、「0から2P作成分作成」という言い方に変わって、感情的になっている
のがわかります。「原稿」は文字通り、新規の原稿のつもりらしい。電話ができる状況ではなかったので、
つぎのように返信しました。

お世話になっております。

どの点がどう違うか伺わないと
こちらもお答えしにくいのですが、
箇条書きにしてお送りいただけますか。

お手数ですが、それがいちばん
間違いないと思います。


すでに日も暮れているし、しばらく返信がなかったので、今日はここまでにして明日いちど電話をかけて
みよう……なんて思いつつ別の打ち合わせをしていると、2時間ぐらいしてまた大きな文字のメールが
返ってきました。

あの打ち合わせを経て、あの記事になっているので、箇条書きで伝えても、再度お会いして伝えても、趣旨が伝わらないと思います。

1度で理解して記事にできる方もたくさんいますのですが、正直なところ、ちょっと難しいと思います。

今回は、0から書き直しになってしまうと思いますが、まずはそれでよろしいのでしょうか。
そしてその場合の原稿料や期限はどうなるのでしょうか。

条件によっては、こちらで引き取ることができないので、記事を丸ごと取りやめることも検討された方がよろしいと思います。


なんだか、ずいぶん失礼なことをいわれている気がしましたが、これ以上メールのやりとりをしても不毛
なので、次の日に窓口の担当さんに電話しました。本人がどんな対応をしているか知っているか確認。
メールを共有しているから把握しているという話なので、取材には立ち会っていない窓口の担当さんに
こう話しました。

・企画書を検討いただいて受けていただいた内容通りに取材しているので、話の趣旨が違うことはない

・取材を録音して文字に起こしたものを記事にしているので、すべてが間違いということはありえない

・誤解が複数ある可能性はあるので、そこは指摘してほしい

・ニュアンスについて違和感があれば、そこも検討するので伝えてほしい

・具体的な指摘がなければ訂正も修正もできないから、全否定ではなく具体的な話をしたい


窓口の担当さんは話を聞いて、「では本人にお伝えいたします」といいました。そこは「申し伝えます」と
いうべきところだけど、身内に敬語を使うということは説得など望み薄かと思って取材に出かけました。
戻ってきたら案の定、本人から大きな文字でメールが届いています。

お電話の内容聞きました。
意図が伝わらないので、お手数ですが上司の方からお電話をいただくようお願いいたします。
事情をお話しして、どうするか上司の方と検討させてください。


いやな感じだと思いましたが、やむをえないので上司に経緯をすべて伝えました。校正を読んだ上司は、
経緯も考えあわせ、いちど話してみて具体的な指摘が得られなければ以後も平行線をたどるだけだから
譲歩しないで掲載をやめると判断しました。電話して、本人と話し、掲載とりやめ。編集生活25年、担当
ページがとんだのは6年ぶり2度目です。前回は震災、今回は人災でした。


関連記事:  ページがとんだ(震災編)
コメント
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