京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

わすれぐさ

2021-06-29 22:19:54 | 季節のことば

ヤブカンゾウのことです。

        

        辛い恋の想いや憂いを忘れさせてくれる花として、万葉集にも歌われています。

        鮮やかな朱色は目が覚めるよう、エネルギーに満ちた不思議な花姿が元気を

        送ってくれるからかもしれません。

              

               忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため  大伴旅人

                この歌は旅人が大宰府に長官として赴任した時に詠んだ歌。

                忘れ草を帯に付けてみた、懐かしい明日香の故郷を忘れられるかと。

               忘れ草 垣もしみみに 植えたれど 醜(しこ)の醜草(しこぐさ) なほ恋にけり  詠み人知らず          

                この歌の方が忘れ草のイメージに合っているような気がする。

                苦しい恋を忘れようと垣根いっぱいに忘れ草を植えたけど、

                何と忌々しい嘘つき草だ!余計恋の想いがつのっちゃったよ!

                ね、ヤブカンゾウはあっけらかんと笑っているみたいだよ。