橋に想う

月日は流れ、わたしは残る…
　　　　　　　　
　　　　　　　　浅草吾妻橋のアサヒビールタワーとスーパードライホールは浅草の
　　　　　　　　ランドマークの一つ。１９８９年の完成というからもう２０年以上も
　　　　　　　　前のことになる。このタワー＆ホールが出現したときには、その斬新
　　　　　　　　なデザインにびっくりしたものだが、今はその横に世界一の電波塔が
　　　　　　　　そびえて、また新しい景観を造りだしている。

　　　　　　　　
　　　　　　　　川沿いのプロムナードを歩いて、一つ下流の駒形橋へ。

　　　　　　　　　　ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
　　　　　　　　　　われらの恋が流れる
　　　　　　　　　　わたしは思い出す
　　　　　　　　　　悩みのあとには楽しみが来ると

　　　　　　　　　　日も暮れよ、鐘も鳴れ
　　　　　　　　　　月日は流れ、わたしは残る
　　　　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　　日が去り、月がゆき
　　　　　　　　　　過ぎた時も
　　　　　　　　　　昔の恋も二度とまた帰って来ない
　　　　　　　　　　ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

　　　　　　　　　　日も暮れよ、鐘も鳴れ
　　　　　　　　　　月日は流れ、わたしは残る
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ミラボー橋」アポリネール　堀口大学訳

　　　　　　　　　吾妻橋の下を隅田川が流れる…といった感じでしょうか、河の両岸の
　　　　　　　　　気色はドンドン変わり、わたしにもちょっとは変化があったけれど
　　　　　　　　　川の流れは変わらない。
　　　　　　　　　もう２～３日もすれば　隅田川を薄紅に染める桜並木が高層ビルの
　　　　　　　　　裾模様となることでしょう。

　　　　　　　　　橋を渡るといつも想う。
　　　　　　　　　明日は誰にでもくる。どこにいても、今日と違う新しい明日がくる。